発達障害息子、小2から特別支援学級へ。周りの保護者、同級生の反応が不安だったけど…転籍は中3の今にもつながって

ライター:もっつん
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こんにちは、もっつんです。ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)のある息子「タク」と定型発達の娘を育てています。私自身もアラフォーになってから発達障害の診断を受けています。今回はタクが小学校2年生になるタイミングで特別支援学級に転籍した頃を振り返ってみます。

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監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

トラブルが多かった1年生。2年生からは特別支援学級へ

特別支援学級へ転籍。不安よりも楽しみが大きかったです
特別支援学級へ転籍。不安よりも楽しみが大きかったです
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タクは小学校に入学してから、トラブルや教室からの脱走が多発していました。スクールカウンセラーとの面談の末に、2年生に進級するタイミングで特別支援学級に転籍をしました。転籍に向けて1年生の終わり頃から、何度か特別支援学級の教室を見学したり、担任予定の先生とお話しをしたりしたので、不安は少なかったです。

少しだけ気に掛かっていたことは、今まで同じクラスで学んでいた友だちや保護者の受け止め方でした。憶測でいろいろと言われてしまうんじゃないかと不安な気持ちがありました。噂などを未然に防ぐために私が行ったのは、1年生の年度末保護者懇談会で「2年生から特別支援学級でお世話になることになりました!」と堂々と宣言することでした。そのためか、周りの保護者の方からの理解もスムーズだったと思います。

お友だちとの関係については、先生が「タクは2年生から苦手な教科を別の教室で受けることになったよ。でも今まで通り給食や休み時間は一緒に過ごせるからね」と分かりやすく事前に説明をしてくれました。先生が自然にフォローしてくださったおかげで、何の違和感も無くクラス移行ができたと思います。

タク本人に至っては、全く心配は無く特別支援学級で授業を受けることを楽しみにしていました。

教室の後方にクールダウンスペース。特別支援教育ならではの配慮

マットとタオルケットで気持ちを整えるタク
マットとタオルケットで気持ちを整えるタク
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2年生になってからのタクは、学校での問題行動がぐっと減りました。授業中の教室から突然逃げ出してしまうということも、特別支援教室ではほとんどなくなったそうです。これは少人数で見てくれていることと、タクがソワソワ落ち着かない状態になった時に先生が早い段階で気付いてくれて声かけをしてくれていたからだと思います。

授業参観をした際には、教室の後方に低い棚があってその後ろにはマットが敷かれていました。そこはクールダウンスペースとなっており、気持ちがソワソワしてしまった時には先生に伝えてからその場所で静かに過ごすことができます。落ち着いて授業に参加できるようになったら、自ら机に戻ってまたすぐに勉強を再開することができます。実際にクールダウンスペースを利用しているクラスメイトを見たこともありますが、すごく良い取り組みだなぁと感動しました。

自分の気持ちの状態を自覚して行動ができるように、さまざまな工夫がされているんだと思いました。落ち着いて過ごせる時間が長くなったことで、給食や交流学級での授業中もトラブルを起こすことが減っていったのだと思います。

量より質。達成感を重視した宿題

漢字は見本を見ながら、1回だけ書ければいい
漢字は見本を見ながら、1回だけ書ければいい
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特別支援学級になってから大きく変わったことは、勉強の中身です。タクの場合は使っている教科書は通常学級と同じものでしたが、授業の進むスピードがバラバラでした。

得意な教科はどんどん先に進んで、飽きさせないようにさまざまな応用問題を準備してもらっていました。逆に苦手な教科については、過剰に精神的負荷がかからないように細かく分けて授業をしてもらっていたようです。苦手な課題を終わらせたら、残り時間は好きな工作をやっていいなどルールを明確化していたとのことです。

タクは、SLD(限局性学習症/学習障害)の中のディスグラフィア(書字表出障害)の傾向が強くあります。黒板の文字をノートに写すのがとても苦手で、マスの中に文字を収めることがなかなかできません。そんなタクの特性に合わせて、板書が必要最低限で済むようなプリントなどを使って授業を行ってくださいました。

宿題の漢字では、(右利きのタクに合わせて)左のマスに先生がお手本を書いて、それを見ながら右側に記入できるように毎日工夫してくださいました。記入は1回のみでOKで、一番下のマスまで書く必要はないと説明を受けました。

最初の頃は「これじゃ簡単すぎないかな?こんなに甘やかしたらどんどん文字が書けなくなってしまうんじゃないか……」と心配になることもありました。しかし長い目で見ると、これが当時のタクにとっての適量の宿題だったんだと納得です。
量をこなすよりも、出された課題を最後まで終わらせるという成功体験が必要だったのです。

また、今まではとにかく文字に強い苦手意識を持っていたタクですが、文章問題を音読してもらうことによってスムーズに計算を始めることができるようになりました。汚い字でも読めない字でも全否定しない先生の存在が、タクに自信を与えてくれたのだと思います。
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