忘れ物を減らす工夫を、先生と考える

教室移動の際の忘れ物がぐっと減った、透明バック
教室移動の際の忘れ物がぐっと減った、透明バック
Upload By もっつん
1年生の授業ですでにつまずきを感じていたタクですが、3〜4人ほどの少人数クラスで授業を受けることにより、細かく手厚いサポートのおかげで学力が追いつきました。

勉強以外の面でも、変化が見られました。教室移動などの際に忘れ物が多いタクでしたが、先生の提案により学校内用のバックを使うことになりました。中身が透けて見えるタイプで、教科書と筆箱がぴったりとおさまる小さめのものです。このバックのおかげで移動教室の際にも、忘れ物や置き忘れが劇的に減っていきました。

周りの大人も本人も頑張りました!

トラブルが減ると親子の絆も深まった気がします
トラブルが減ると親子の絆も深まった気がします
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小学2年生から特別支援学級に転籍したタクですが、本人にとってとてもプラスの結果となりました。

転籍の打診をされた時は、私自身は正直とてもショックでしたが……間違いなく転籍して正解だったと思います。一人ひとりに合わせたペースで授業をしてくれて学力も伸び、刺激が多い学校生活の中で安心できる場所になりました。

学年が上がる度に少しずつ集中力も付いて、交流学級で受ける授業が増えました。低学年の頃は「変わったやつ」だと言われることもありましたが、今では「変わってるけど面白いやつ」にキャラ変できた!!と本人も言っています。

特別支援学級に転籍という未知の道でしたが、先生たちのおかげで良い学校生活が送れたと思います。そして何よりも、少し変わり者で面白くて優しいタク本人の努力の結果だと思います。

タクは中学3年生になった現在でも特別支援学級に在籍しています。長い学生生活で、親から見てつらい場面や、やるせない出来事もありましたが、心身共に成長できたのは支援のおかげだと思っています。
執筆/もっつん
(監修:初川先生より)
通常学級に入学したタクくんが2年生から特別支援学級に転籍してみてのお話をありがとうございます。転籍を勧められるとショックを受ける保護者の方は多くいらっしゃいますが、実際移ってみるとお子さんがいきいきと過ごし、楽しそうに学習するようになったなど良い変化を目の当たりにされることも多いように感じます。

転籍にあたって、1年時のお友だちや保護者の方へどう説明しようかと悩まれたもっつんさん。学年末の保護者会で自らそこをお伝えされたとのこと、勇気のいることだったと思いますが、私は最適解だったと感じます。もっつんさんが心配されたように、変な噂が出ることやそれによって同じ学校でこれからも過ごしていくタクくんにとって何らかネガティブな影響が出てしまうのは避けたいところです。保護者の方に直接お話できる保護者会という機会を活かすのはとても良い方法だと思います。子どもたちへの説明は、担任の先生とご相談の上、担任の先生からなされるのもとてもよかったですね。先生の説明の仕方も発達段階に合った良い説明だと思います。

さて、特別支援学級での学びのいろいろについてもご紹介ありがとうございます。少人数だからこそ、個々人の得意不得意に合わせやすかったり、そもそもさまざまな障害・つまずきとそれへの対応に長けた先生も多くいらっしゃったりする環境です。具体的にタクくんに対する個別的な支援の実際をうかがうと、細やかに工夫いただいて、これは心強かったろうと思いますし、タクくんにとっても安心して学ぶ環境になったろうと思います。難しいことに困難を伴いながら頑張らせてもなかなか伸びなかったり、あるいは途中で心が折れたりしてしまうものです。自分にとって、しっかりと手応えと達成感を得られる課題から、成功体験を積んで学習をスモールステップで積み上げていくこと。学校生活において学習時間はなかなかの比重があります。その時間でしっかりとお子さん本人が手応えと達成感を得ながら取り組める環境になったことが、本当によかったなぁと感じます。
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https://h-navi.jp/column/article/35030247
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
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