【就学先アンケート結果発表も!】入学前から月1で見学、小学校では特別支援学級へ。中学は3つの選択肢で迷った結果…/読者体験談
ライター:ユーザー体験談
ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、知的な遅れなど、発達に特性があるお子さんの進路に悩む保護者の方は多いのではないでしょうか?そこで、発達ナビでは会員の皆さんにアンケートを行いました。
このコラムでは、アンケート結果の紹介に加え、実際の体験談も詳しくご紹介。国立の特別支援学校か地域の小学校の特別支援学級かで迷われたというご家庭の小学校選びや中学校進学について、マンガ化してお届けします。
監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。
多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。
小学校への就学先どこにした?皆さんのアンケート結果と、寄せられたコメントは?
27%が通常学級、25%が自閉症・情緒特別支援学級、20%が知的障害特別支援学級を選択
発達ナビでは、2024年10月、会員の皆さまに、発達が気になるお子さんの就学先についてアンケートを行いました。
通常学級を選んだ/選ぶ予定…27%
通常学級+通級指導教室を選んだ/選ぶ予定…18%
知的障害特別支援学級を選んだ/選ぶ予定…20%
自閉症・情緒特別支援学級を選んだ/選ぶ予定…25%
特別支援学校を選んだ/選ぶ予定…10%
小学校での進路について、最も多かったのは「通常学級を選んだ/選ぶ予定」の27%で、次いで「自閉症・情緒特別支援学級」が25%、「知的障害特別支援学級」が20%と続きました。そして、「通常学級+通級指導教室」が18%、「特別支援学校」が10%となっています。皆さんわが子にはどこがあっているか、悩まれて慎重に選んでいる様子が伺われます。
小学校就学……みんなの意見は?
アンケートに寄せられたコメントはこちら。
【通常学級】問題行動が増え、小学校3年生からは自閉症・情緒特別支援学級に
進学する小学校には情緒学級はなかったし、就学時検診でも特に何も言われなかった(こども園には発達障害は伝えていました)ので、とりあえず通常学級を選びましたが、1学期後半から問題行動が増えてきて息子も私も大変な思いをしました。2年生に進学し、情緒学級の新設を学校にお願いし、3年生から情緒学級に在籍することになりました。もっと積極的に小学校に発達障害の事を伝えておけばよかったと思いました。
【通常学級】文字が読めず自己肯定感が下がり、登校渋りに
言葉の発達が遅いことは保育園でも言われていたのですが「みんなこんなものかな」と特に相談に行くこともなく通常学級へ入学しました。
結果、文字が読めず、発言もできずクラスメイトに悪意なくバカにされ自己肯定感がどんどん下がり毎日学校を嫌がり泣いて過ごしていました。
【知的障害特別支援学級】「今、子どもが必要としていること」を重視し選択。小学校では充実した毎日
知的判定を重視し、支援学校で障害者として生きるための術(自立)を身につけるか。現在の姿を重視し、集団生活の中で社会性を伸ばすか。ギリギリまで悩みに悩み「今、子どもが必要としていること」を重視し、支援学級に行かせることを決めました。
現在小学二年生。入学直後からすぐに学校生活に順応し、さまざまな刺激や困難に揉まれながらも大好きな先生や友だちと充実した毎日を送っています。
皆さん「ああすればよかった」「いい選択ができた」などさまざまです。その他の回答についてはこちらからご覧いただけます。
次に、アンケートに寄せられた体験談の中から、小学校入学や中学校進学についてのエピソードについてご紹介します。
小学校では知的障害特別支援学級を、中学校では「学区の知的障害特別支援学級」「国立大学附属の特別支援学校」「国立大学附属小中学校の知的障害特別支援学級」で迷われたというあきっちさん。どのようにして決めたのか、また進学後のご様子についても教えていただきました。ぜひご覧ください。
小学校では知的障害特別支援学級を、中学校では「学区の知的障害特別支援学級」「国立大学附属の特別支援学校」「国立大学附属小中学校の知的障害特別支援学級」で迷われたというあきっちさん。どのようにして決めたのか、また進学後のご様子についても教えていただきました。ぜひご覧ください。
【読者体験談】年長でほぼ月1ペースで小学校を見学、特別支援学級に決めたわが家
わが家の息子は現在小学校6年生。3歳児健診での指摘をきっかけに療育へ通いだし、6歳の時に軽度知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。
学区の小学校は幸いにも特別支援に力を入れていて、年長の時はほぼ月1ペースで小学校の行事に参加、小学生になった息子が安心して楽しんで過ごせる場所はどこか模索し続けました。通常学級、特別支援学級(この小学校にあるのは知的障害特別支援学級のみでした)ともに見学しましたが、息子がよりリラックスして楽しんでいられた特別支援学級を選びました。
学区の小学校は幸いにも特別支援に力を入れていて、年長の時はほぼ月1ペースで小学校の行事に参加、小学生になった息子が安心して楽しんで過ごせる場所はどこか模索し続けました。通常学級、特別支援学級(この小学校にあるのは知的障害特別支援学級のみでした)ともに見学しましたが、息子がよりリラックスして楽しんでいられた特別支援学級を選びました。
楽しい6年間、保護者参加型の授業、交流級、息子の成長、そして少しの後悔
特別支援学級での6年間、息子は行き渋るどころか、毎日学校に行くのを楽しみにしています。特別支援教育に理解が深いこともあり、通常学級の児童たちにも特別支援学級のことを知る機会を持たせてくださるので、みんなに受け入れられて楽しく過ごせているようです。感謝の気持ちでいっぱいです。
特別支援学級の授業参観には保護者参加型の授業が多くあるのですが、そこでみんなでポテトサラダを作りました。息子は調理の過程を楽しんで、できあがったサラダを食べて嬉しそうな笑顔。
また外国語の授業では、タブレットを使用して外国語のポスター作りにも取り組んでいました。息子はエコラリアが英語というくらい英語が大好きなので、とても楽しかったそうです。
交流級では理科と体育がメインで、家庭科の調理実習なども一緒に行っています。理科の実験は大好きなようで、積極的に取り組んでいるようです。6年生になってから、「『みんなと一緒に頑張る』という意識が強く感じられるようになってきた」と特別支援学級の担任の先生から教えてもらいました。
特別支援学級の授業参観には保護者参加型の授業が多くあるのですが、そこでみんなでポテトサラダを作りました。息子は調理の過程を楽しんで、できあがったサラダを食べて嬉しそうな笑顔。
また外国語の授業では、タブレットを使用して外国語のポスター作りにも取り組んでいました。息子はエコラリアが英語というくらい英語が大好きなので、とても楽しかったそうです。
交流級では理科と体育がメインで、家庭科の調理実習なども一緒に行っています。理科の実験は大好きなようで、積極的に取り組んでいるようです。6年生になってから、「『みんなと一緒に頑張る』という意識が強く感じられるようになってきた」と特別支援学級の担任の先生から教えてもらいました。
担任の先生方も温かく支えてくださいました。3年生から4年生の間は少し控えめ先生が担任でしたが、息子はこの先生をとても慕い、離任式では先生にハグして別れを惜しんでいました。5年生以降は最初から一緒だった担任の先生が再び担任となり、息子との絆をさらに深めているように思います。
交流級で息子の大好きな英語の授業を受けさせてあげるべきだった?
一つ後悔があるとすれば、交流級での英語の授業のことです。4年生に進級する際、交流級で英語受けられないかと先生と相談したのですが、コミュニケーション力が問われるので、そこでつまずいて大好きな英語に苦手意識を持ってしまうともったいない……と言われ、それももっともだなと思ったのです。
ただ先日、学校で保護者向けの英語の授業の体験会のようなものがあり参加したのですが、これならもしかしたらついていけてたかも……と思いました。あの時見学していればよかったと少しですが後悔しています。
ただ先日、学校で保護者向けの英語の授業の体験会のようなものがあり参加したのですが、これならもしかしたらついていけてたかも……と思いました。あの時見学していればよかったと少しですが後悔しています。
中学校進学への準備と選択
そしてあっという間に6年生になり、中学への進路を考える時期になりました。
先生と相談し、見学に行ったのはこちらの3校です。
・学区の知的障害特別支援学級
・国立大学附属の特別支援学校
・国立大学附属小中学校の知的障害特別支援学級
それぞれの感想を紹介します。
先生と相談し、見学に行ったのはこちらの3校です。
・学区の知的障害特別支援学級
・国立大学附属の特別支援学校
・国立大学附属小中学校の知的障害特別支援学級
それぞれの感想を紹介します。
学区の知的障害特別支援学級を見学して感じたこと
学区の知的障害特別支援学級への見学は、私だけで行きました(息子は小学校中学校合同行事として、特別支援学級の交流会や学校見学があります)。そちらは今の小学校と同じく複数担任制、習熟度に合わせて2グループに分けて、各々の先生が授業をされていました。
保育園からのお友だちや元クラスメートもいていろんな面で安心できるなと思いました。なにより家からも徒歩数分で通いやすい立地であるのも魅力的でした。
保育園からのお友だちや元クラスメートもいていろんな面で安心できるなと思いました。なにより家からも徒歩数分で通いやすい立地であるのも魅力的でした。
受けるなら第一志望にすることが条件。自然豊かな特別支援学校を見学して
国立大学附属の特別支援学校は、自然豊かで設備なども充実しており、息子も少し興味をもったようでした。ただ、やはり授業は実技が多く、国語や数学といった授業が少ないのと、受けるなら第一志望にすることが条件だったので、勉強が好きな息子には少し物足りないかもというのと、単純に発達検査や知能検査の結果の数値的にはじかれるかもしれないなと思いました。
小中学校知的障害特別支援学級は?
国立大学附属の小中学校知的障害特別支援学級は、1クラス6人と決まっており、個人タブレットも駆使して授業を行っていました。
その時の授業は国語でローマ字の読み方でしたが、息子はパソコンでローマ字入力をスムーズに行える程度には理解しているため授業内容が息子には物足りないかな……と思いました。またガイダンスで「進学先は附属もしくは県内の特別支援学校高等部です。全日制や定時制などに進学するための(いわゆる受験を目的とした)カリキュラムではないので、そちら方面への進学を考えておられるようならば、当校の受験は考えていただいたほうがいいです」というお話があったので、息子には合わないかな……と思いました。
その時の授業は国語でローマ字の読み方でしたが、息子はパソコンでローマ字入力をスムーズに行える程度には理解しているため授業内容が息子には物足りないかな……と思いました。またガイダンスで「進学先は附属もしくは県内の特別支援学校高等部です。全日制や定時制などに進学するための(いわゆる受験を目的とした)カリキュラムではないので、そちら方面への進学を考えておられるようならば、当校の受験は考えていただいたほうがいいです」というお話があったので、息子には合わないかな……と思いました。