脱走癖に疲弊!学童に続いて放課後等デイサービスでも!?

学童でも放課後等デイサービスでも脱走してしまうタク
学童でも放課後等デイサービスでも脱走してしまうタク
Upload By もっつん
私の住む地域は田舎ということもあり、放課後等デイサービスの数自体がとても少ないようでした。それに加えて私が仕事をしているために学校への送迎有りが希望条件だったので、利用可能な施設の選択肢は1か所しかありませんでした。

最初に利用した放課後等デイサービスは、重度の身体障害がある子どもも在籍しておりどちらかというとのんびり静かな教室だったかと思います。やっとのことで放課後デイサービスの利用を開始して、これで私も仕事に集中できるかと思ったのも束の間……タクは放課後等デイサービスの教室も繰り返し脱走してしまいました。

周りの静かな子に合わせて、音読鑑賞や塗り絵などのインドアな過ごし方が合っていなかったのだと思います。個室に鍵を閉めて閉じこもって窓から庭へ脱走、そして駐車場に座り込み先生を困らせました。当時のタクは石が大好きで、お気に入りの石を探すことを何時間でもやりたいという衝動が我慢できませんでした。

仕事中に「タクくんが出て行っちゃって困ってます、落ち着かないからお迎えお願いします」と電話が頻繁にかかってくるようになりました。当時の私はかなり精神的に参ってしまっていて「学童も放課後等デイサービスも無理なんて……私たちはどうすればいいの?」と泣いてばかりの日々でした。

その後タクは、遠いけれど運動療育に力を入れている事業所に出合い、楽しい時間を過ごすことができました。タクと似てるタイプの子と意気投合して遊んだ話を楽しそうに聞かせてくれて安心しました。

さまざまな環境で過ごし、いつの間にか大きく成長していたタク

車椅子を上手に押すタク
車椅子を上手に押すタク
Upload By もっつん
現在のタクは中学3年生になりました。中学生になってからは部活に真剣に取り組むようになったので、平日は利用せずに夏休みなどの長期休みのみ利用しています。

放課後等デイサービスを通してタクと気が合う友だちができたのはとても素晴らしいことで、タク自身もさまざまな特性がある子どもたちと共に成長しました。先日タクのひいおばあちゃんが遊びにきた際には、タクが上手に車椅子を押しながら「デイで友だちを手伝っていたんだよ!」と教えてくれました。いつの間にか広い視野を身につけていて、胸が熱くなりました。

特性がある子の子育てはバランスが難しく、親の負担が大きくなってしまうことがあります。放課後等デイサービスは子どもの発達支援の場でもありますが、親のレスパイトの場でもあるように思います。

放課後等デイサービスとは相性問題があるので、もし選択肢がある環境ならばいろいろな事業所へ見学に行くことをおすすめします。当時のわが家には最初は選択肢がなかったのですが、ここ数年で放課後デイサービスの数が急激に増加した印象です。放課後等デイサービスをはじめいろいろなサポートを受けながら、長い子育てを少しでも明るい気持ちで過ごして行けたらいいですね。
執筆/もっつん
(監修:室伏先生より)
学童から放課後等デイサービスへ移られた経緯や、放課後等デイサービス利用の手続き、もっつんさんのお気持ちなど共有くださり、ありがとうございます。
もっつんさんも書いてくださったように、放課後等デイサービスは、活動内容、雰囲気、条件(送迎の有無など)は施設によって異なり、お子さんによって合う施設を見つけることは簡単なことではないかもしれません。一方で、一つの施設で合わなかったとしても悲観せず、新しい施設にチャレンジしてみてもよいということでもあります。市町村の公的な窓口では、公平性の担保のため、どこかをおすすめしてもらうということが難しいことが多いです。また、お子さんの特性や好きなこと、ニーズ(コミュニケーションスキルを伸ばすような集団での活動、学習のサポート、音楽や運動などを用いた療育的な活動、安心してほっと一息つける場所、etc)などを総合的に判断して決める必要があるので、お子さんのことをよく知っている人でないとアドバイスは難しいかもしれません。お子さんが雰囲気や活動内容を好むかどうかは実際に体験してみないと分からないことも多いので、お仕事や育児が忙しい中大変ですがいくつか見学して、ご本人に合った場所を見つけられると良いですよね。
放課後等デイサービスが、ご家族が安心してお子さんを預けられる場所でもあり、またご家族がお子さんとのよりよい関わりについてヒントをもらえる場所にもなるといいなと思います。
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030365
学童?放デイ?自閉症グレー息子の「放課後の居場所」探し。支援センターで知った事実に衝撃…のタイトル画像

学童?放デイ?自閉症グレー息子の「放課後の居場所」探し。支援センターで知った事実に衝撃…

「個と環境の相互作用」の視点、子どもの困りごと解決にどう役立てる?公認心理師・井上雅彦先生に聞きましたのタイトル画像

「個と環境の相互作用」の視点、子どもの困りごと解決にどう役立てる?公認心理師・井上雅彦先生に聞きました

年長から始めた放デイ探し。理想と現実で悩み…見学して実感した「譲れない条件」のタイトル画像

年長から始めた放デイ探し。理想と現実で悩み…見学して実感した「譲れない条件」

自閉症長男と発達グレー次男の「放デイ」活用術。通う日数も目的も違うのは理由があってのタイトル画像

自閉症長男と発達グレー次男の「放デイ」活用術。通う日数も目的も違うのは理由があって

放デイ選びに失敗!?運動が苦手な自閉症娘の放課後等デイサービス探し。利用の2つのポイントは【読者体験談】のタイトル画像

放デイ選びに失敗!?運動が苦手な自閉症娘の放課後等デイサービス探し。利用の2つのポイントは【読者体験談】

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
療育支援探しバナー

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。