本来の校区であるB小学校へ
最後に本来の校区であるB小学校の特別支援学級へも見学へ行き、こちらでも校長先生が丁寧に質問に答えてくださいました。
こちらの特別支援学級は通常学級とは階が違い、場所も校舎の端っこでした。
率直な感想を言うと、「どうして特別支援学級だけこんな離れた場所にあるんだろう。お友だちが好きなまゆみにとっては、通常学級と階が違うのは寂しいかもしれない」と思ったのですが、あとから先輩ママのフォロワーさんに教えてもらった話では、特別支援学級に通う子の中には通常学級に近いと落ち着かない子も多いので、あえて離れた場所に教室を設置しているケースがあるそうです。
中を覗くと特別支援学校を模したと思われる造りになっており、室内に手洗い場や畳スペースがありました。教室の場所もトイレの真ん前……と、ハード面だけでいうなら幅広い障害程度の子を受け入れられそうなポテンシャルを感じます。
少し考える必要があったのは、授業見学をする中で聞いた「現在、特別支援学級には3年生以下の児童はおらず、今年は特別支援学級の見学申し込みもほかにないため、もしうちにするならまゆみさんは1名だけの特別支援学級になる可能性が高い」という言葉です。
校長先生は「まゆみの不利益になり得る」という話しぶりで教えてくれたことでしたが、マンツーマンの手厚い支援が望めるという点では決して悪いことではありません。重要なのはどんな先生が担当してくれるかですが、これは私が希望を出せることではないので祈るのみ……。また、B小学校へは何事もなければ次女のあずさも通うことになるため、この点をどう考えるかも悩むポイントでした。
こちらの特別支援学級は通常学級とは階が違い、場所も校舎の端っこでした。
率直な感想を言うと、「どうして特別支援学級だけこんな離れた場所にあるんだろう。お友だちが好きなまゆみにとっては、通常学級と階が違うのは寂しいかもしれない」と思ったのですが、あとから先輩ママのフォロワーさんに教えてもらった話では、特別支援学級に通う子の中には通常学級に近いと落ち着かない子も多いので、あえて離れた場所に教室を設置しているケースがあるそうです。
中を覗くと特別支援学校を模したと思われる造りになっており、室内に手洗い場や畳スペースがありました。教室の場所もトイレの真ん前……と、ハード面だけでいうなら幅広い障害程度の子を受け入れられそうなポテンシャルを感じます。
少し考える必要があったのは、授業見学をする中で聞いた「現在、特別支援学級には3年生以下の児童はおらず、今年は特別支援学級の見学申し込みもほかにないため、もしうちにするならまゆみさんは1名だけの特別支援学級になる可能性が高い」という言葉です。
校長先生は「まゆみの不利益になり得る」という話しぶりで教えてくれたことでしたが、マンツーマンの手厚い支援が望めるという点では決して悪いことではありません。重要なのはどんな先生が担当してくれるかですが、これは私が希望を出せることではないので祈るのみ……。また、B小学校へは何事もなければ次女のあずさも通うことになるため、この点をどう考えるかも悩むポイントでした。
難しいのは、何を重視するか
当初は三番目に近い小学校へも見学に行く予定でしたが、歩きで通うには少し距離があるのと、近隣小学校の特別支援学級が2校とも良かったため、特別支援学校・A小学校・B小学校の3つに絞って考えることにしました。
それぞれに通った場合のメリットとデメリットを紙に書き出して考え始めると……
これがもう、脳ミソから煙が出るんじゃないかというほど悩みました。何を重視するかで結論が変わるのです。
それぞれに通った場合のメリットとデメリットを紙に書き出して考え始めると……
これがもう、脳ミソから煙が出るんじゃないかというほど悩みました。何を重視するかで結論が変わるのです。
そもそも、1~2年で転校することになるだろうと思いつつ、特別支援学級を選択肢から外せない理由がこれでした。まゆみの人生を俯瞰して考えた時に、今現在で何を優先すべきかの答えが出せなかったのです。
「まゆみのコミュニケーションの取りづらさを考えると特別支援学校がいいだろう。本人も無理なく過ごせそう」と思っても、保育園でお友だちとまゆみとのほのぼのエピソードを聞くたびに「年長になってお友だちのことが目に入るようになった」という事実が私の心を揺さぶりました。
主治医に就学先の相談をした時に言われた「特別支援学校にするなら、同級生の集団の中に入る機会はもうなくなりますよ」という言葉が頭の中でリフレインします。
定型発達児の模倣や集団行動ができるようになり、やっと子ども同士でのコミュニケーションの萌芽が見えてきた大切な時期なのに、同級生の集団と離れるのは果たしてまゆみのためになるのだろうか……。一番迷っていたのはこの点でした。
また、言動からは想像がつきにくいのですが、まゆみは拗音や促音を含むひらがな・カタカナの読み書きと、数の合計・分解がある程度できます。これは療育先での先生と本人の努力が積み重なった結果なのですが、1年生のお勉強に関しては少しだけ貯金があったことも迷いに拍車をかけました(こんな言い方をしていますが、特別支援学級を選択肢に入れられる水準にまで学力を伸ばしてくださった療育の先生には感謝ばかりです……!)。
自分だけで考えていると落とし穴がありそうなので、療育先や主治医の先生とも相談を重ねましたが、みんな揃って「見た感じの印象よりもできることが多いので、判断に迷うんですよねぇ……」という回答。
やはり最終的に決めるのは親である自分なんだというプレッシャーで夜眠れなくなることもありました。
「まゆみのコミュニケーションの取りづらさを考えると特別支援学校がいいだろう。本人も無理なく過ごせそう」と思っても、保育園でお友だちとまゆみとのほのぼのエピソードを聞くたびに「年長になってお友だちのことが目に入るようになった」という事実が私の心を揺さぶりました。
主治医に就学先の相談をした時に言われた「特別支援学校にするなら、同級生の集団の中に入る機会はもうなくなりますよ」という言葉が頭の中でリフレインします。
定型発達児の模倣や集団行動ができるようになり、やっと子ども同士でのコミュニケーションの萌芽が見えてきた大切な時期なのに、同級生の集団と離れるのは果たしてまゆみのためになるのだろうか……。一番迷っていたのはこの点でした。
また、言動からは想像がつきにくいのですが、まゆみは拗音や促音を含むひらがな・カタカナの読み書きと、数の合計・分解がある程度できます。これは療育先での先生と本人の努力が積み重なった結果なのですが、1年生のお勉強に関しては少しだけ貯金があったことも迷いに拍車をかけました(こんな言い方をしていますが、特別支援学級を選択肢に入れられる水準にまで学力を伸ばしてくださった療育の先生には感謝ばかりです……!)。
自分だけで考えていると落とし穴がありそうなので、療育先や主治医の先生とも相談を重ねましたが、みんな揃って「見た感じの印象よりもできることが多いので、判断に迷うんですよねぇ……」という回答。
やはり最終的に決めるのは親である自分なんだというプレッシャーで夜眠れなくなることもありました。
困ったら、いろんな視点から検討する
結論から言うと、就学先は「A小学校の支援学級」で申請しました。
メリット・デメリットで考えていても決められなかったので、リスクから考えてみた結果です。
確定している環境変化を前に、障害児の保護者が一番懸念することは【わが子がこれまで積み上げてきたものが崩れること】ではないでしょうか。
現在の神経発達症育児の主流は「迷ったら、子ども本人に負担がかからない道を選んであげる」という考え方ですが、これは上記のリスクを回避すべく言われているように思います。
言い換えるなら「不適応を起こして二次障害になるくらいなら、最初から伸び伸びできるほうを選んであげましょう」ということで、私もこの考えにはおおむね賛成です。わが家の場合も、安全策でいくなら特別支援学校に軍配が上がります。しかし……
・特別支援学級の評判がよいA小学校が近くにあること
・A小学校は児童数が少なく、先生と児童に丁寧な関わりが持てる土壌があること
・赴任されたばかりの校長先生が特別支援に理解が深く、在任中は特別支援の質を保つつもりだと明言されていること
・まゆみ自身に他害や自傷といった面での困難さがなく、排泄がほぼ自立していること
・サポートは必要なものの、1年生の勉強ならどうにかついていけそうなこと
これらの条件が揃っている幸運の中、果たして懸念するようなリスクは高いといえるのか?
むしろ、同級生集団からの学習機会の損失のほうが、まゆみの人生をトータルで見た時のリスクになるのでは?
そんな考えが頭をよぎります。ちなみにこの段階で、不確定要素の多いB小学校はリスクが排除しきれず候補から外しました。
あとは、特別支援学校とA小学校のどちらにするかですが……。
ここで改めて夫と意見のすり合わせを行いました。各校へ一緒に見学へ行った夫は最初からずっとA小学校を推しています。
話し合いの結果、以下の点からまずはA小学校の特別支援学級へ通い、まゆみの成長を見ながら翌年以降は特別支援学校へ移るタイミングを慎重に見るという方針で決まりました。
メリット・デメリットで考えていても決められなかったので、リスクから考えてみた結果です。
確定している環境変化を前に、障害児の保護者が一番懸念することは【わが子がこれまで積み上げてきたものが崩れること】ではないでしょうか。
現在の神経発達症育児の主流は「迷ったら、子ども本人に負担がかからない道を選んであげる」という考え方ですが、これは上記のリスクを回避すべく言われているように思います。
言い換えるなら「不適応を起こして二次障害になるくらいなら、最初から伸び伸びできるほうを選んであげましょう」ということで、私もこの考えにはおおむね賛成です。わが家の場合も、安全策でいくなら特別支援学校に軍配が上がります。しかし……
・特別支援学級の評判がよいA小学校が近くにあること
・A小学校は児童数が少なく、先生と児童に丁寧な関わりが持てる土壌があること
・赴任されたばかりの校長先生が特別支援に理解が深く、在任中は特別支援の質を保つつもりだと明言されていること
・まゆみ自身に他害や自傷といった面での困難さがなく、排泄がほぼ自立していること
・サポートは必要なものの、1年生の勉強ならどうにかついていけそうなこと
これらの条件が揃っている幸運の中、果たして懸念するようなリスクは高いといえるのか?
むしろ、同級生集団からの学習機会の損失のほうが、まゆみの人生をトータルで見た時のリスクになるのでは?
そんな考えが頭をよぎります。ちなみにこの段階で、不確定要素の多いB小学校はリスクが排除しきれず候補から外しました。
あとは、特別支援学校とA小学校のどちらにするかですが……。
ここで改めて夫と意見のすり合わせを行いました。各校へ一緒に見学へ行った夫は最初からずっとA小学校を推しています。
話し合いの結果、以下の点からまずはA小学校の特別支援学級へ通い、まゆみの成長を見ながら翌年以降は特別支援学校へ移るタイミングを慎重に見るという方針で決まりました。