決断したきっかけ

心理士さんと話をしている時に、私は普段感じている不安があふれ出して泣いてしまいました。ちょうどこの時期、次男への心配に加えて、長男の学校へ行きたくない問題や長男自身が不安定で私と衝突することも多く、どうしても手がかかってしまっていたため、私は毎日気持ち的に疲れていたのです。

子どもたちに余裕を持って関われないなど、全てがうまくできていない気がして自己嫌悪の日々。もっとしてあげられることがあるはずなのにできていないのではないか、だから次男は言葉が伸びないのではないか……とだいぶネガティブになっていたため、心理士さんの前で涙が止まらなくなってしまいました。

心理士さんは一通り話を聞いてくださったあとに、「さっきの入園をいつにするか迷っている話だけど……私は満3歳児クラスで入園した方がいいんじゃないかなと今の話を聞いて思うよ。言葉のことが心配だと思うけど、ちょっと1人で頑張り過ぎだから、周りの力を頼りながらやっていく方がお母さん自身も余裕が持てるようになるだろうし、その方がみんなにとっても良いのではないかなぁ」とアドバイスしてくださいました。

私はなんだか肩の力がスッと抜けたような感じになり、満3歳児クラスへの入園に迷いはなくなりました。帰りに療育のパンフレットをもらい、保健センターから定期的に経過を尋ねる電話をしていくという話でこの日は終わりました。
心理士さんと話をしている時に私は普段感じている不安があふれ出して泣いてしまいました
心理士さんと話をしている時に私は普段感じている不安があふれ出して泣いてしまいました
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入園後の様子と現在

こうして満3歳児クラスに入園した次男は最初は泣いてしまうこともあったけれど、持ち前の社交性を活かしてお友だちとも楽しく遊び、本当にいろんなことを吸収して知らない間にできるようになったこともたくさんありました。言葉で伝えられないことは体を使ってうまく伝えたりすることが上手になり、大きな問題もなく過ごしていていました。私の心配は本当に不要だったなぁと今は感じています。満3歳児クラスで入園して本当に良かったです。

しかし現在年少になり、満3歳児クラスでは問題なかったことも年少だと通用しないことも増え、少し戸惑う場面もあると担任の先生から聞くように。言葉はだいぶ増えてきたのですがまだ伝えられないことも多く、聞き取るのが困難な時もあります。療育での結果や言語聴覚士さんからのアドバイスを担任の先生とシェアしながら、共に次男に合った対応を考えていただき、大変心強く感じています。そして本当に毎日次男は頑張っています。たくさんの人と関わりながら次男の言葉が伸びていくことを願って毎日親子共々楽しく過ごしていきたいと思います。
たくましく楽しく幼稚園に通っている次男
たくましく楽しく幼稚園に通っている次男
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執筆/ねこじま いもみ

(監修:初川先生より)
次男くんの幼稚園入園にまつわるエピソードをありがとうございます。次男くんの言葉の成長がゆっくりな面と、長男くんの登校渋りなどきょうだいの問題との兼ね合い。自分がうまく成長促進的なことができていないから次男くんの言葉の伸びがゆっくりなのではと感じるくらいに悩まれていたのですね。ちょうど3歳児健診があり、これまでの悩みと療育等への思いを話すきっかけがあってよかったと感じます。悩んでいることを棚卸しする場があり、一緒に考えてもらい、1つの方向性が出てきたのはよかったですね。大切なお子さんのために、またお子さんとの時間が大切で愛おしいものだということも相まって、保護者の方が自分で何とかする方向に考えること、よくあると思います。もちろんそれも1つの選択ですが、今回ご相談された心理士さんが提案されたように、園の先生や園という外部環境を活用することで発達促進的な関わりが望めたり、保護者にとってのレスパイト的な意味合いも持てたりすることも1つです。今回はちょうど健診があったことが相談のきっかけになったかなと感じますが、健診時以外でも、自治体の発達支援センターや子育て支援センターなどでぜひご相談いただければと思います。そして、次男くん、楽しく幼稚園に通っているようで何よりです。
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https://h-navi.jp/column/article/35030364
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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