職場に「子どもたちに障害がある」と伝えるも、理解されていない……?

私が働きたいと思った理由は、私が「○ちゃんのお母さん」と呼ばれる存在ではなく、一般社会に私個人として繋がりが欲しいと思ったからです。
実際に今仕事をしていているのですが、職場で「△さん!おはよう」と言われると、不思議と元気が出ます。私自身が元気で気持ちにゆとりがあると、子どもたちにも優しく接することができます。「働くこと=お金を得る」ことだけでなく、私自身の気持ちの安定のためにも、社会で働くことは必要でした。
一般社会に私個人として繋がりが欲しいと思い仕事復帰
一般社会に私個人として繋がりが欲しいと思い仕事復帰
Upload By ユーザー体験談
私は看護師の資格を持っています。まずは短時間のパートを探して就職しました。「子どもたちに障害がある」ことは職場にも伝えました。ですが、職場仲間にはあまり理解されていなかったように感じています。子どもの癇癪やパニックで仕事を休む……となると、みんな不思議そうな顔をしていました。子どもが大きくなるにつれて、「中学生でもまだ親の手助けが必要なの?」と聞かれたこともあります。確かに定型発達のお子さんだと中学生になると友だちと出かけたり、一人で買い物にいったりすることは普通だと思います。でもわが家は……と落ち込むこともありました。ですが、今の職場は休みが取りやすいこともあり、5年以上勤続できています。

働く私への子どもの反応

また、娘は、クラスのお友だちに「私のお母さんは看護師なんだよ。頑張ってるんだよ」と自慢したようです。母の背中をみて、成長してくれると嬉しいなぁと感じました。
「私のお母さんは看護師なんだよ。頑張ってるんだよ」と自慢する娘
「私のお母さんは看護師なんだよ。頑張ってるんだよ」と自慢する娘
Upload By ユーザー体験談
上司からは「常勤にならないか」との話も出ていますが、子どもたちのことを考えると、緊急時に動きやすいほうが、ありがたいと思いパートを続けています。
子どもたちも成長し、娘は大学進学が決まりました。息子は高校卒業後は専門学校で自分の夢を叶えるため勉強を続ける予定です。障害者手帳を持っているので、将来はグループホームへの入所も検討しています。

まだフルタイムでは働くことは難しいですが、少しでも外で働くことは私にとって欠かせないものになっています。子どもたちがこのまま手を離れていったら私の働き方も変わるかもしれませんが、しばらくは家庭と仕事のバランスを取りながら、生活していきたいと思っています。
イラスト/星あかり
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。

(監修:室伏先生より)
復職されるまでの経緯やお気持ちを詳しく共有してくださり、ありがとうございました。今はお仕事をする余裕がないけれど、本心ではお仕事をしたいと思っているご家族にとって、この記事は大きな希望の光になったのではないでしょうか。お子さまが安心して通える放課後等デイサービスを見つけられ、お母さまも活き活きとお仕事に取り組めるようになったとのこと、とても素晴らしいことだと思います。育児のためにやむを得ず退職や休職を選ばざるを得ないご家庭も少なくないと思います。放課後等デイサービスは、ご家族の負担を軽減してくれる大切なサービスですが、通える日数が限られているお子さまや、ニーズに合った施設を見つけることが難しい場合もあると伺います。放課後等デイサービスに限らず、発達障害児支援のさらなる充実により、ご家族の負担が少しでも軽減されることを願っています。
発達特性のある息子と向き合うために仕事を退職。働き方を変えて受けた恩恵とその代償【読者体験談】のタイトル画像

発達特性のある息子と向き合うために仕事を退職。働き方を変えて受けた恩恵とその代償【読者体験談】

仕事中心の人生が出産で一変。敏感すぎる自閉症息子は毎晩ギャン泣きで産後うつ状態に…のタイトル画像

仕事中心の人生が出産で一変。敏感すぎる自閉症息子は毎晩ギャン泣きで産後うつ状態に…

転職直後の誤算、発達グレー育児と仕事の両立が限界!登園渋り、友達トラブル…正社員を諦める?私の選択は【読者体験談】のタイトル画像

転職直後の誤算、発達グレー育児と仕事の両立が限界!登園渋り、友達トラブル…正社員を諦める?私の選択は【読者体験談】

【障害児育児と仕事の両立】入院の繰り返し…仕事は辞めるしかない?悩む私を救ったのはのタイトル画像

【障害児育児と仕事の両立】入院の繰り返し…仕事は辞めるしかない?悩む私を救ったのは

発達障害児子育て・家事・仕事でパンク寸前!「今日は〇〇しません」宣言で心の余裕をゲット!?のタイトル画像

発達障害児子育て・家事・仕事でパンク寸前!「今日は〇〇しません」宣言で心の余裕をゲット!?

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。


療育支援探しバナー

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。