息子に知的障害はない!?小学校入学後に上がったIQ。転籍すべき?でも…【読者体験談】

ライター:ユーザー体験談
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現在7歳の息子は、知的障害特別支援学級に在籍しています。ですが、昨秋にWISCを受けた結果、知的障害(知的発達症)がないことが発覚。転籍しなければいけない?でも、転籍には懸念点が多々あって……。
【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「検査」についてのエピソードをご紹介します】

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。

知的障害特別支援学級に通う息子。放デイの先生から「自閉症・情緒障害特別支援学級では?」と言われ……

現在7歳の息子は、おしゃべり好きで人なつっこいのですが、不安感が強めです。小学校入学後、7歳7か月でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。聴覚過敏や触覚過敏の特性もあります。

息子はこども園の年少の頃から、半年に1回程度の頻度で新版K式発達検査を受けていました。その結果、全領域DQ82という数値が出ていました。この検査結果を活用することで、夫や両親への説明がしやすくなり、また園の先生との情報共有にも役立ちました。

もちろん知的障害(知的発達症)の有無についても気になっていたため、WISCを受けることも検討しました。しかし、当時の息子は多動傾向があり、指示を理解することも難しそうだったため、検査を受けても判定不能になるのではないかと考え、見送りました。

就学相談の結果、知的障害特別支援学級が望ましいとの答申を受け、現在は知的障害特別支援学級に所属しています。しかし、小学1年生の1学期半ばに放課後等デイサービスの先生から、
「えっ、○○くんは知的障害特別支援学級なんですか?自閉症・情緒障害特別支援学級だと思っていました」
と言われました。
「知的障害特別支援学級なんですか?」と言われ動揺する母
「知的障害特別支援学級なんですか?」と言われ動揺する母
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放デイの先生の言葉が頭の中でめぐり、(息子にとって本当に合っている場所は今のクラスじゃないの?)と、不安がじわじわと広がっていきました。これまでの選択が正しかったのか、自信が揺らぎ始め、(知能検査を受けなければ)と決意しました。

知能検査の実施と結果

小学1年生の夏の個別面談で、知的障害特別支援学級の担任の先生に相談したところ、「学校を通じての知能検査は、小学4年生頃を目処に行う予定です。それ以前に受けても正確な結果が出にくいことが多いので、今は見守っていきましょう」と言われました。私自身も、息子の学びの様子を見ていて今の知的障害特別支援学級が合っているように思えたため、(急がなくてもいいか……)と納得しました。

しかし、その数か月後、放デイでWISCを受けられる機会が訪れました。放デイの運営会社が、ある大学と共同研究を行っており、そのモニター募集の一環として、作業療法士によるWISC検査が実施されることになったのです。息子は最初「えー、やだな~」と言っていましたが、検査を行う作業療法士さんが子どもの扱いに慣れた優しい方だったため、安心した様子で検査に臨みました。作業療法士さんによると、「何度か集中が途切れたり、離席して話し始めることもありましたが、声かけをすれば着席し、課題を再開できました」とのこと。問いに対する理解は十分だったそうです。

そしてWISC結果、息子のIQは平均値の範囲内に収まっていることが分かりました。

「息子には知的障害(知的発達症)がない……?では転籍しなければならないの?」私は驚きとともに、どうすればよいのか不安でいっぱいになりました。
「息子には知的障害がない……?では転籍しなければならないの?」不安でいっぱいな気持ちに
「息子には知的障害がない……?では転籍しなければならないの?」不安でいっぱいな気持ちに
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転籍する?勉強では相対評価に、現在良好な人間関係もリセット?

秋の個別面談の際、知能検査の結果を担任の先生に伝えました。すると、先生から「自閉症・情緒障害特別支援学級への転籍も視野に入れながら考えましょう」との提案がありました。ただし、2年生での転籍は時期的に間に合わないため、3年次の転籍を視野に動く方針となりました。

しかし、私は「本当に転籍すべきなのか」と強く迷っています。主に気になっているのは、「勉強」と「人間関係」です。

勉強面での不安

私が息子の学びの場を考える際、大切にしている指標は以下の3点です。
・勉強を負担感なく毎日続けられる場所か
・毎日行きたい(行ってもいい)と思える場所か
・つまずいたときに立ち止まったり、ゆっくり進んだりできる雰囲気があるか

息子は不安感が強いため、「難しい」「しんどい」と感じたときに適切にサポートを受けられる環境が望ましいと考えています。そのため、担任の先生から「知能検査の結果からすると、通常学級か自閉症・情緒障害特別支援学級かを選ぶことになると思いますが、どうお考えですか?」と尋ねられたとき、私は「自閉症・情緒障害特別支援学級で検討したいです」と即答しました。
不安感が強い息子は通常学級よりも自閉症・情緒障害特別支援学級が合っているのでは?
不安感が強い息子は通常学級よりも自閉症・情緒障害特別支援学級が合っているのでは?
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また、転籍のメリットとして、息子の学力や得意なことを伸ばし、将来の選択肢が広がることを期待しています。しかし、同時に不安も大きく、特に「成績の付き方の変化」や「授業進度の違い」が気がかりです。息子の学校の自閉症・情緒障害学級では、成績は「相対評価」で、授業進度は通常学級と同じだそうです。息子は失敗することや負けることへの恐怖心が強いので、そうした変化を柔軟に受け入れられるのか……。

人間関係の不安

また息子は現在の知的障害特別支援学級のクラスメイトや先生との関係が良好で、学校生活を楽しんでいます。一方、自閉症・情緒障害特別支援学級の担任はキビキビしたタイプの先生のようで、息子は「あの先生、苦手。よく大きな声出してるし、怖い」と話します。また、自閉症・情緒障害特別支援学級には「大きな怖い声を出す子がいる」「乱暴な子がいる」とも言っています。
自閉症・情緒障害特別支援学級には苦手な先生やクラスメイトがいるようで……
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もちろん、クラスの雰囲気は年度によって変わるものですが、今の環境が安定しているだけに、「本当に転籍して大丈夫なのか」という気持ちは消えません。
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次ページ「自閉症・情緒障害特別支援学級か、知的障害特別支援学級か——今後の選択に向けて 」

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