友だちトラブルで不登校になった娘、激怒した夫が学校に乗り込み!?止めた私は正しかった?

ライター:マミヤ
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わが家の娘しぇーちゃんは2歳の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断されています。小学校は特別支援学級に入学しましたが、小学2年生頃からたびたび行きしぶりがあり、小学3年生の時には一時期不登校になったこともありました。今回は、娘の不登校と家庭での対応を書いてみようと思います。

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監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。 現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。

学校への行きしぶりを繰り返し……たびたび学校を休む娘に、夫の反応は?

わが家の娘しぇーちゃん(ASD/自閉スペクトラム症)は、小学2年生になった頃から、たびたび学校へ行きしぶりすることがありました。夫は自身が一度も行きしぶりなどをしたことがなく(私は中学生の時に不登校経験あり)、娘に「学校は行くもの!」と言い出すのではないかと思っていたのですが、娘が行きしぶりで休むときも夫は一度も責めることはなく「今日はゆっくりしたらいいよ」と言って娘に寄り添う姿勢をみせてくれました。夫婦間で不登校で揉めなかったことは、私の精神的負担を軽減してくれたように思います。
学校を休んでも、「自宅学習、早寝早起き、適度な運動」はすると約束
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私は娘に、「学校を休む時も就寝と起床の時間は今まで通り。夜更かしはなし。学校がしんどいなら行かなくていいよ。心がダメになるほうが問題。でもそれと勉強は別問題。中学3年生までの勉強は生きていくうえで必要だから家でやろうね」と伝えていました。娘もそれに納得し、お休みした日は家でドリルやテキストをやりました。また休みが長期間続く時には、運動不足解消のため、たくさん歩く水族館や博物館、公園に連れて行って体を動かすようにしました。そして娘は学校へ行けたり休んだりを繰り返しながらも、何とか学校に通っていました。

小学3年生で不登校になった娘。原因を知った夫は怒り心頭で……!?

小学3年生になり、同じ特別支援学級に通うクラスメイトとトラブルになったことがきっかけで、娘は一時期不登校になりました。今まで娘が学校を休んでも何も言ってこなかったのに、娘の不登校の原因がクラスメイトの暴言などであることを知った夫は、「トラブルの原因は娘の側にはないのに、なぜ娘が学校へ行けないのか。ママは甘すぎる。俺が学校へしっかりと伝える」と言い出したのです。夫の学校への強い姿勢に私も驚き、まずは夫婦で話し合いをすることに……。
「ママの対応は甘すぎる」と、夫はすぐにでも学校に乗り込む勢いで……
「ママの対応は甘すぎる」と、夫はすぐにでも学校に乗り込む勢いで……
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夫が言うことは正論ではありましたが、学校行事への参加や学校との連絡は、基本的に母親の私が全部担当しており、夫はほぼノータッチでした。私は今後何年も関わる場所で、しかも学校は私たち親ではなく娘が生活する場所だからと事を荒立てたくありませんでした。話し合いの末、夫も理解をしてくれて、私がヘルプを出すまで夫は静観することになりました。私は、すぐにでも学校に乗り込む勢いだった夫が踏みとどまってくれたのでほっとしましたが、この対応が正しいのかは自信がないままでした。
どんな対応が正しいの?正解が分からず不安に押しつぶされそうに
どんな対応が正しいの?正解が分からず不安に押しつぶされそうに
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学校との連携で、安心できる環境で学べるようになった娘。その姿を見た夫は……

娘は、3年生の間は学校に行けない時期が続きましたが、特別支援学級の担任の先生との話し合いの結果、4年生になるタイミングで特別支援学級から通常学級に転籍することになりました。トラブルになっていたクラスメイトとも距離を置き、また元気に学校へ通えるようになった娘を見て、夫が「あの時はもう二度と学校に行かなくてもいいと思って強く要望を伝えようと思ったけど、今また通っているのを見ると穏便に対応してよかった。ママの判断は正しかったね」と言ってくれました。

不登校中は何が親として正しい対応か、何が子どもにとっていいのか正解が分からず手探り状態でした。またなにかのきっかけで娘が不登校になることがあるかもしれませんが、その時も家族で話し合って向き合っていきたいなと思います。
正解は分からないけれど、家族で話し合いながらこれからも娘に寄り添っていきたい
正解は分からないけれど、家族で話し合いながらこれからも娘に寄り添っていきたい
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執筆/マミヤ
(監修:室伏先生より)
しぇーちゃんの不登校へのご家族のご対応について詳しく共有いただき、ありがとうございました。しぇーちゃんが感じている困難に、ご家族が真摯に向き合ってこられたこと、その中での試行錯誤や葛藤にも、深く共感いたしました。学校を休ませてしまったらこのまま行けなくなってしまうかもしれないという気持ちから、励まして登校させたほうがいいのか、それともご本人の気持ちに寄り添い休ませてあげたほうがいいのか、多くのご家庭から悩みや葛藤のお声をいただきます。ご両親がしぇーちゃんのお気持ちに寄り添い、心の負担を和らげ、ご自宅での生活習慣や学習の継続を丁寧に支えてこられたご姿勢は、本当に素晴らしいものだと思います。不登校のご経験は、ご本人にとってもご家族にとっても苦しい葛藤ですが、しぇーちゃんのさらなる成長や、ご家族全体の信頼関係をより深めることに繋がったかもしれませんね。これまで重ねてこられたご努力とあたたかな配慮に自信を持って、これからもお子さまの「今」と「未来」に寄り添っていかれますよう、心より応援しております。
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https://h-navi.jp/column/article/35030508
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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