1歳から始まった息子の他害。手が出てしまう理由は?よく観察してみると…
ライター:メイ

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こんにちは。メイです。
息子のトールは小学1年生の終わりにASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けています。この4月から中学生になったトールですが、幼少期には周りの人を叩いたり引っ掻いたりと、他害について悩んだ時期がありました。

監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
1歳を過ぎた頃から悩み始めた息子の他害問題
トールは小さい頃から人見知りをしない子どもで、保護者から離れると不安になる……というようなこともありませんでした。1歳を過ぎて一人歩きが上手になると、自分が行きたいところに向かってどんどん動き回るようになりました。
児童館や公園に行くと、目的のおもちゃや遊具に一目散に走って行き、一人でもくもくと遊ぶ姿がよく見られました。そんな中で、ある時から周りで遊んでいる子たちに手が出ることが増え始めました。
未然に防ぐために、わたしも必ずトールの近くについているようにしていたのですが、手が出るタイミングがよく分からず、止めるのが間に合わないこともありました。ほかの子の近くで穏やかに遊んでいると思っていたら、何の前触れもなく急に髪を引っ張ったりするのです。喧嘩になったとか、ほかの子の使っているおもちゃを使いたいとか、そのような理由が見当たらない時にも手が出ていたので、予測するのが難しいなと感じたのを覚えています。
児童館や公園に行くと、目的のおもちゃや遊具に一目散に走って行き、一人でもくもくと遊ぶ姿がよく見られました。そんな中で、ある時から周りで遊んでいる子たちに手が出ることが増え始めました。
未然に防ぐために、わたしも必ずトールの近くについているようにしていたのですが、手が出るタイミングがよく分からず、止めるのが間に合わないこともありました。ほかの子の近くで穏やかに遊んでいると思っていたら、何の前触れもなく急に髪を引っ張ったりするのです。喧嘩になったとか、ほかの子の使っているおもちゃを使いたいとか、そのような理由が見当たらない時にも手が出ていたので、予測するのが難しいなと感じたのを覚えています。
ほかの子どもとの関わりを経験させたい。けれど……
その頃のわたしは、トールを同年代の子たちと交流させなければいけないと思っていて、なんとか児童館や公園に連れて行こうとしていました。
実家が遠方なことや、夫も平日は仕事が忙しく、ほとんどトールと顔を合わせることのない生活の中で、毎日わたしとしか関わらずに過ごしていては成長に悪影響なのではと考えていたのです。
そのような思いもあり、「今日は何事もなく過ごせるかもしれない」「今日はお友だちができるかもしれない」と自分に言い聞かせながら、なんとか頑張って、遊びに連れて行っているような毎日でした。
実家が遠方なことや、夫も平日は仕事が忙しく、ほとんどトールと顔を合わせることのない生活の中で、毎日わたしとしか関わらずに過ごしていては成長に悪影響なのではと考えていたのです。
そのような思いもあり、「今日は何事もなく過ごせるかもしれない」「今日はお友だちができるかもしれない」と自分に言い聞かせながら、なんとか頑張って、遊びに連れて行っているような毎日でした。
しかし、トールの他害によって、相手に嫌な思いをさせると同時に、わたし自身も子どものいる場所にトールを連れていくのがどんどんつらくなっていきました。
わが子がほかの子を叩いたり引っ掻いたりする姿を見るたびに、わたし自身も胸が締めつけられ、「なぜ叩くんだろう」「なんであの時止められなかったんだろう」と、トールにも自分にもイライラしていました。
わが子がほかの子を叩いたり引っ掻いたりする姿を見るたびに、わたし自身も胸が締めつけられ、「なぜ叩くんだろう」「なんであの時止められなかったんだろう」と、トールにも自分にもイライラしていました。
「同年代の子たちと交流させなければいけない」という考えを捨ててみたら
そのうちに、そもそも「人を叩く」という経験をトールに何度もさせているのは、果たして良いことなのか?と、疑問を持つようになりました。
そう考えるようになってから、無理にトールをほかの子どものいる場所に連れていくのはやめることにしました。わたしとトールはほとんどの時間を二人だけで過ごしていたので、ほかの子との関係を築くよりも、まずはわたしとトールの関係を大切にしようと、考えが変わっていったのでした。
それまでは、ほかの子が当たり前にしていることをトールにも経験させてあげなければ……と、焦っていたのかもしれません。児童館に行くのをやめてからは、ほかの子に対する他害によって気持ちが落ち込むこともなくなり、以前より穏やかな気持ちで過ごせるようになりました。
そう考えるようになってから、無理にトールをほかの子どものいる場所に連れていくのはやめることにしました。わたしとトールはほとんどの時間を二人だけで過ごしていたので、ほかの子との関係を築くよりも、まずはわたしとトールの関係を大切にしようと、考えが変わっていったのでした。
それまでは、ほかの子が当たり前にしていることをトールにも経験させてあげなければ……と、焦っていたのかもしれません。児童館に行くのをやめてからは、ほかの子に対する他害によって気持ちが落ち込むこともなくなり、以前より穏やかな気持ちで過ごせるようになりました。
