朝の声だけで分かる、息子が「学校へ行けない日」。不登校のケアと仕事で板挟みの私に、夫の言葉が刺さり…
ライター:よいこ

Upload By よいこ
幼稚園年少の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断されているわが家の長男あー。現在は中学1年生で、特別支援学級に在籍しています。 今回はあーが小学生の時に経験した「登校しぶり」についてです。

監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。
現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
小2から徐々に始まった登校しぶり、小3で本格化
わが家の長男あーは、幼稚園年少の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断されています。小学校では入学当初から特別支援学級に在籍し、1年生の間は順調に、何の問題もなく毎日学校に行っていました。しかし、2年生に上がった頃から、たまに「行きたくないなあ……」ということがあり、3年生のコロナ禍を経て本格的に加速しました。そう、あーくんの「登校しぶり」です。
その日は突然やってきました。
毎朝6時半には起きてくる規則正しいあーが布団から出てこないのです。
聞けば、「お腹が痛い」「頭が痛い」。
そんな素振りなかったよね!?と熱を測っても平熱だし、あちこち痛いという割には元気そう……。
ということでどうにかなだめておだてて、その日はなんとか登校しました。
その日は突然やってきました。
毎朝6時半には起きてくる規則正しいあーが布団から出てこないのです。
聞けば、「お腹が痛い」「頭が痛い」。
そんな素振りなかったよね!?と熱を測っても平熱だし、あちこち痛いという割には元気そう……。
ということでどうにかなだめておだてて、その日はなんとか登校しました。
登校しぶりの理由は?時には付き添い登校も……
あーの様子が気になって、先生ともやりとりしたけれど、特に学校でのトラブルがあるわけではないらしく……。理由は分からないけれど、なんだか気分が乗らない……という状態でした。
そのため、一度学校に行くぞ!という気持ちになれば、きっと大丈夫だろうと思ったので、学校に行きたくないなあ……。という日は「あーの好きなおやつを手づくりしようね」とか、「放課後、好きなDVD借りに行こうね」などと小さなごほうびを用意して、とにかく「学校に行く軌道に乗せる」ように頑張っていました。それでも行けない……という日は、私がクラスまで付き添って連れて行くこともありました。
そのため、一度学校に行くぞ!という気持ちになれば、きっと大丈夫だろうと思ったので、学校に行きたくないなあ……。という日は「あーの好きなおやつを手づくりしようね」とか、「放課後、好きなDVD借りに行こうね」などと小さなごほうびを用意して、とにかく「学校に行く軌道に乗せる」ように頑張っていました。それでも行けない……という日は、私がクラスまで付き添って連れて行くこともありました。
道すがら、とぼとぼ歩くあーの小さな手を引きながら「今はこれで誤魔化されてくれているけど、そのうち本格的に学校に行けなくなる日が来そうだなあ……」とぼんやり思ったものです。
息子の「今日は学校に行けない」サインに、絶望の淵に立たされた気持ちに
あーの「行けない日」は顔と声ですぐに分かります。どんよりとした顔と、低くて小さな「お腹痛いなあ」「頭痛いなあ」「学校行けるかなあ」の声。
これを見ると「ああ、今日は『行けない日』か……」と冗談じゃなく絶望の淵に立たされた気持ちになりました。
そこからあーの気が変わるように話し合い、という名の説得のお時間。その合間に、下の子の登園準備もしなくてはいけません。でも、ここで手を抜くと何かが終わってしまう気がして、あーとの時間に全神経を注いでいました。
これを見ると「ああ、今日は『行けない日』か……」と冗談じゃなく絶望の淵に立たされた気持ちになりました。
そこからあーの気が変わるように話し合い、という名の説得のお時間。その合間に、下の子の登園準備もしなくてはいけません。でも、ここで手を抜くと何かが終わってしまう気がして、あーとの時間に全神経を注いでいました。
