スマホより先にタブレット!?わが家流、3歳から始めた自閉症きょうだいのデジタル生活

ライター:寺島ヒロ
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発達障害のあるお子さんを育てるお母さん方から「子どもがスマートフォンばかり見ていて困る」「犯罪に巻き込まれないか心配」などの声を聞くことがあります。今やデジタル機器なしの生活を選択するのは現実的ではありませんが、スマートフォンが発達障害のある子どもにとって最適なツールかどうか、私は少し疑問に感じていました。そんな思いから、わが家では“スマートフォンより先にタブレット”という選択をしました。家庭ごとの「ちょうどよさ」について考えた実体験です。

監修者鈴木直光のアイコン
監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

スマートフォンは早い!? 持たせるならタブレット

わが家には二人の子どもがいます。ASD(自閉スペクトラム症)の長男タケルは現在大学院生、ASD(自閉スペクトラム症)と睡眠障害がある妹のいっちゃんは通信制大学の1年生。どちらにもケータイやスマートフォンを持たせるより先にタブレットを与えました。
具体的には、タケルには11歳の時に夫のおさがりのタブレットを、いっちゃんには10歳の時に新しいタブレットを購入して与えました。
というのも、いっちゃんが使いたい画像編集ソフトが古い機種では動かなくなってしまったからです。かなりイタい出費でしたが、この分野のソフトは高解像度化が物凄い勢いで進むので、仕方のない投資だったと思っています。

最初はデスクトップパソコンで動画とゲーム

私も夫もスマートフォンとタブレットを使っていましたが、子どもたちはスマートフォンにはあまり興味を示しませんでした。私自身、電話での会話が苦手で、もともと電話はあまり使っていなかったため、それが影響したのかもしれません。
実はわが家は親もほとんど電話を使っていません
実はわが家は親もほとんど電話を使っていません
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その代わり、私が仕事や連絡に使っていたのは、主にデスクトップパソコンとタブレット。仕事のやりとりは基本的にメールやSNSのテキストで行っていましたし、友人との交流もチャットやネットゲーム上が主な場所でした。
そのデスクトップパソコンを、子どもたちにも3歳から自由に使わせていました。3歳というところに特に理由はないのですが、なんとな~くあまり小さい頃からパソコンの画面を見ていると目に良くないんじゃないかな?と思ったので「幼稚園に行くようになったらいいよ」ということにしていました。
実際にはきっちり3歳で「解禁」したわけではなく、タケルは7月生まれ、いっちゃんは2月生まれなので、それぞれ3歳8か月、3歳2か月でデジタル機器を触り始めたことになります。
デスクトップパソコンのアカウントにはフィルタリングをかけ、子どもたちはそのデスクトップパソコンで動画を見たりゲームをしたりして遊びました。長時間使い続けることはなく、「もっとやりたい」とごねることもほとんどなかったのは「いつでもできる」と思っていたからかもしれません。

好きなことを深めるためのタブレット

タケルがタブレットに関心を持ったのは11歳の頃。「推し」の配信者さんができて、生配信のチャットに参加したくなったのがきっかけです。
ただし、家族共用のデスクトップパソコンでは、その時間に確実に使えるとは限りません。特に私が仕事で使っていたため、遠慮もあったようです。その頃タケルは水泳もしていて練習の都合で帰宅が遅くなってきていたため、「個人用端末を持たせるちょうどいい機会かな」と考えました。
ただ、スマートフォンには少し抵抗がありました。スマートフォンは通信に特化した端末で、当時は画面も小さく、創作や調べ物などには不向きに思えたのです。子どもたちには、誰かと連絡を取るだけでなく、インターネットの世界を広く楽しんでほしかった。そのためには、ある程度の画面サイズと処理能力のあるデバイスが必要だと考えました。
条件は「配信チャットを楽しめる大きさ」「ゲームが動く性能」「通信が安定していること」、そして「高すぎないこと」……家族で協議して、夫のタブレットを渡すことになりました。
物持ちのいいタケル、なんとこのタブレットが今でも現役!
物持ちのいいタケル、なんとこのタブレットが今でも現役!
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タケルはそのタブレットで動画やゲームを存分に楽しみ、あるアクションゲームでは全国4位のタイトルを獲得するほどに。最盛期は1日2~3時間遊んでいましたが、中学進学後は時間が足りず自然とその習慣も落ち着いていきました。
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