【書字の困難】漢字の宿題に親子で疲弊。特別支援学級での環境調整と課題設定で守った学習意欲【読者体験談】

ライター:ユーザー体験談
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「学校の宿題が進まない」「書くことへの拒否感が強い」――。発達障害の特性があるお子さんを育てる中で、そんな壁にぶつかったことはありませんか?小2の息子は、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠陥多動症)の特性があり、特に「書字」に大きな困難を抱えていますが、特別支援学級での配慮や家庭での工夫を経て、息子は自分なりのペースで成長を見せてくれました。【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「書字の苦手さと学習への伴走」についてのエピソードをご紹介します。】

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

鉛筆を握るたび親子で「キーッ!」。漢字練習は親子で疲弊する時間

この記事で分かること

  • ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠陥多動症)の特性による書字の困難さと、具体的な「困りごと」の様子
  • 特別支援学級で行われた、書字の負荷を減らす環境調整
  • 口述筆記を活用し、家庭で学習意欲を維持させるための工夫
  • 周りの子と比べて焦る気持ちを、「長い目」の視点に切り替えるヒント

お子さんのプロフィール

  • 年齢:8歳
  • 診断名:ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)
  • 診断時期:ASD(自閉スペクトラム症)7歳、ADHD(注意欠如多動症)8歳
  • エピソード当時の年齢:7~8歳
現在小学2年生の息子は、国語と算数の授業を特別支援学級で受けています。1年生のはじめの頃、漢字練習は親子にとって本当に「つらい時間」でした。

鉛筆の力加減が難しく、勢い余って枠から字がはみ出してしまう。偏とつくりのバランスが崩れ、本人以外には読めない字になってしまう。「書き直したほうがいいよ」と伝えると、息子は「キーッ!」とパニックになり、消しゴムでノートをぐしゃぐしゃにするまで消し、余計に書く手間が増えてまた苛立つ……。そのイライラは私にも感染します。「ここで私がキレたら、息子のモチベーションは下がる」とぐっとこらえていましたが、内心は本当に苦痛で、毎日の宿題の時間が憂鬱でした。
毎日の宿題の時間が憂鬱でした
毎日の宿題の時間が憂鬱でした
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今の息子に「ちょうどいい」環境作りを

そんな息子を救ってくれたのは、特別支援学級でのきめ細かな配慮でした。大きなマス目のノートの用意や、記述式の教材は先生が拡大コピーをしてくださるなど、書き込みやすい工夫をしてくださっています。

息子は大きなマス目だと書きやすいらしく、特に漢字練習などは「丁寧に書こう」という意欲がうかがえるようになりました。また、書き損じても間違えた部分だけが消しやすいため、書字に対する拒否感が少しずつ軽減されているように感じます。

児童発達支援や放課後等デイサービスの先生、そして児童精神科の主治医からは、「子どもには『ちょっと頑張ったらできる』レベルの課題を設定するといい」というお話をよくされます。今の息子にとって、この環境はまさにその適切なレベル設定になっているのだと思います。

工程を「分解」して、書く負荷をコントロール

学校での環境が整い始めた頃、次に立ちはだかった壁は、1年生の夏休みの宿題「絵日記」でした。息子は、何を書きたいかは口頭でスラスラ言えるものの、書字がまったく追いついていない状態だったのです。書字だけじゃなく絵を描くことにも苦手意識があったので、まずは「息子が言ったことを私が書き取り、それを見本に息子が宿題の用紙に書き写す」という方法で対処しました。

実はこれ、私が自動車教習所に通っていた頃、ハンドル操作が苦手な私に教官が「ハンドルは僕がやるから、君はアクセルとブレーキだけ踏んでみて」と、工程を分解して教えてくれた経験がヒントになっています。「頭の中で考えた文章を正しい表記で文字化する」工程を私が担ったことで、絵日記への負担感は多少軽減され、息子も「絶対にやらない!」という状態に陥ることは免れたのではないかと思います。

私自身、ライターをしていますが、文章では意見をまとめられても、会話でのアウトプットは苦手。息子とは真逆のタイプである私だからこそ、スキルのギャップがある彼の気持ちは少し分かる気がしますし、「苦手なところは必要に応じてカバーし、得意なところを伸ばせればいい」と考えています。
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