しばらくの間、サポートをしに学校へ……

1番苦手な給食の時間は、私も学校へ行くことにしました
1番苦手な給食の時間は、私も学校へ行くことにしました
Upload By ゆきみ
けんとは、見た目が苦手な食べ物を見ると、嘔吐してしまったり、しそうになってしまいます。ほかの人が給食を食べている様子が見えてしまうのが怖いので、それを先生にお伝えしたところ、教室の一角にあるレールカーテンで仕切れる場所をけんとの給食スペースとして利用させてくださることになりました。

けんとは構音障害があり、言葉が不明瞭なうえ、自分の思いを上手く伝えることが苦手です。けんとが学校に慣れるまで、そして先生がなんとなくけんとに慣れてくださるまで(4月いっぱいくらいまでの間)、朝、給食の時間、帰りの時間帯に私も学校へ行き、通訳が必要そうな時は先生に伝えるなどサポートをしました。

5月中旬頃になって、私も子どもたちも生活が落ち着いてきたように感じます。けんとが新しい環境について何かを言ってきた訳ではありませんが、不安からなのか落ち着きのない様子が多かったり、自己刺激行動、チックが多くなっているように感じます。まだ始まったばかりの新地での生活。けんとが安心して過ごせる環境づくりができるよう、支えてくださる周りの方々と連携をとりながら、少しずつ関係を築いていけたらと思っています。
執筆/ゆきみ
(監修:新美先生より)
転勤に伴う急な転居・転校のエピソードを聞かせていただきありがとうございます。転勤の辞令が直前に出るお仕事をされている方のご家族は、ただでさえ大変なのに、環境変化が苦手なタイプのお子さんにとっては試練です。また、これまで築いてきた支援の体制が途切れてしまう不安もありますよね。それでもやり遂げてこられたこと、すごいです。
転勤が決まる前から、引っ越す可能性があることを「予告」しておくのは大事ですね。決まってしまったらどんどん動くしかないので、そういうことがありうることを事前に伝えて予定の範囲にしておくことで、受け入れがスムーズになりますね。

学校の体制、特に特別支援の運用のしかたなどは、かなりの地域差があります。以前いた学校の生活とは全然違ってしまって戸惑うこともあります。どのように変わったかを具体的に説明することが大事なお子さんもいると思いますし、なんとなくなじんでしまうお子さんもいますね。お子さんによって、気にするポイント、こだわるポイントがまちまちなので、お子さんに合わせて必要な支援はお願いしましょう。けんと君の場合は、校内の場所を把握しておくことが重要とのことで、事前に校内見学をさせてもらったのはよかったですね。
また、給食がネックになるお子さんもいます。慣れない環境だとより過敏になるお子さんもいるし、一度嫌な体験(嘔吐など)をしてしまうと、拒否になってしまうことも起こりうるので、そのような心配をしっかり初めから伝えて、初めから、食べる場所の工夫や、慣れるまでの付き添いなどをしたのはとても良かったのではないかと思います。学校によっては、以前の学校で起きたことがあっても、「とりあえずは普通にやって様子を見て必要なら考えましょう」などと言われてしまうこともありますが、嫌な体験を経験してしまってからでは取り返しがつかなくなることもあるので、心配な点はしっかり学校側に必要な合理的配慮を伝えて初めから対応してもらうことが重要だと思います。ゆきみさんはその点、転校の最初からしっかり支援体制を組んでいけるパワーが素晴らしいと思いました。新しい学校にも慣れつつあるとのこと、何よりです。大変だと思いますが、ゆきみさんのパワーで新天地でよい関係づくりができそうですね。
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030492
登校渋りのある小2自閉症娘、転校先でも特別支援学級に在籍できる?配慮はどこまで可能?のタイトル画像

登校渋りのある小2自閉症娘、転校先でも特別支援学級に在籍できる?配慮はどこまで可能?

就学先、このままで大丈夫?転籍・転校の悩み、手続きの流れや専門家QA【発達ナビアンケート結果も】のタイトル画像

就学先、このままで大丈夫?転籍・転校の悩み、手続きの流れや専門家QA【発達ナビアンケート結果も】

小1から行き渋り、母子登校…転校で再び振り出しに。小4目前で自ら「学校に行く」と言い出したきっかけはのタイトル画像

小1から行き渋り、母子登校…転校で再び振り出しに。小4目前で自ら「学校に行く」と言い出したきっかけは

小学校入学後「特別扱いや配慮はできない」と言われ、転校を決断。特別支援学級への入級で訪れた転機【読者体験談】のタイトル画像

小学校入学後「特別扱いや配慮はできない」と言われ、転校を決断。特別支援学級への入級で訪れた転機【読者体験談】

毎年恒例!?環境変化で情緒不安定、超多動に…わが子たちの春の学校生活サポート術!のタイトル画像

毎年恒例!?環境変化で情緒不安定、超多動に…わが子たちの春の学校生活サポート術!

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ライフバナー

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。