癇癪スイッチが分からない!不安だらけの4歳自閉症娘との飛行機移動。対策の結果は…

ライター:サチコ
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わが家の長女マユユは2歳の時に発達障害の診断を受けています(ASD/自閉スペクトラム症・軽度知的障害/知的発達症)。5歳での療育手帳の更新では、中度判定となりました。

マユユが飛行機に乗ったのは、1歳頃と4歳頃。
日常的な外出ですら苦労していたので、「遠くへ旅行なんてとんでもない」と思っていたのですが……いずれもやむを得ない家庭の事情で避けることができませんでした。
今回は発達障害と診断されたあと、大きな不安を抱えながら挑んだ4歳頃のフライトについて振り返りたいと思います。

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監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。

発達特性や支援についての理解が乏しかった当時の不安

ここ最近ようやく「外出が以前より楽になったかも」と感じるようになりましたが、4歳頃のマユユはまだ日常的に癇癪が頻発しておりとても不安定でした。

当時のわが家は……
マユユを理解できてない部分が大きかったです。
マユユを理解できてない部分が大きかったです。
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発達障害に関する書籍を読んだり、支援方法についてお話を聞いたりするけれど、それを実生活のなかで実行することは、とても難しいことだと感じていました。今よりコミュニケーションが難しかった私たちにとって長距離移動の予定は、それはそれは不安なものでした。

いつ気持ちが爆発するか分からない……「大勢の人がいる空港や機内で、マユユに大きなパニックが起きたらどうしよう」そう思うと予定までの日々はずっと気が重かったです。

グッズや下準備を万全にするしかないと思い

そんな当時の私たちにはこれといった安心材料はなく、とにかく準備を万端にすることしかありませんでした。具体的には以下のような準備をしました。

<機内>
・タブレットや携帯ゲームをオフラインでも充実して使えるようにする
・子ども用のヘッドホンを準備し、事前に嫌がらないか確認する
・ちびちび食べしやすいおやつを小分けでたくさん用意する
シールや絵本やオモチャに集中していることは家でもほぼなく、それなら荷物を増やすよりタブレットに集約しようとなりました。
シールや絵本やオモチャに集中していることは家でもほぼなく、それなら荷物を増やすよりタブレットに集約しようとなりました。
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<宿泊>
・移動の中間に一泊はさむ
・家族でホテルの部屋を分ける(長女と私・夫と次女)
・漢方をお湯で飲むことができるか確認する(当時主治医に癇癪について相談し「抑肝散」を処方してもらっていました)

<日程>
1日目は
徒歩+電車乗り継ぎ(長め)→空港近くのホテルへイン
2日目は
徒歩+電車(短い)→フライト→到着(すぐ車に乗るのでここでゴール!)

数時間はかかるものの、本来1日で済ませることができる移動だとは思いますが……
・下の子も小さくマユユもまだ抱っこ要求が多かったため体力が不安だったこと
・私がこの予定を1日で遂行するストレスを抱えきれそうになかったこと
・お昼寝や休憩のタイミングが不安定で、後半のフライトで子どもがぐずぐずになると思ったこと
などが理由で一泊挟むことにしました。これは結果的に正解だったと思います。

当日の様子

1日目。
電車の長時間移動にも慣れておらず、電車内でマユユはウロウロしようとしたり声が出てしまったり……すでに私のストレスは振り切れそうだったので、ホテルに着いた時はほっとしました。
ホテルに着いた時はほっとしました
ホテルに着いた時はほっとしました
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またマユユは人数が多かったり、妹や夫がいっしょだと興奮気味になってしまう様子が以前からあったので、家族で二手に分かれて部屋をとりました。(私とマユユ・夫と次女)
これも落ち着いて過ごすことができ、しっかり休むこともできたので良かったです。
2日目の朝。
マユユは毎朝、漢方をココアと少量のはちみつとお湯に混ぜて飲んでいるのですが、旅行前にお湯だけで飲めるか試していました。
問題なくお湯だけで飲むことができていたため、当日もホテルの備品だけで漢方を飲ませることができ助かりました。(ダメだったらいつもの漢方が作れるように甘めのココア味にする材料も必要になってしまうので)

この日の移動は短時間だったので、あっという間に空港へ到着。
小さな子どももいるため優先搭乗へ進むことが可能でしたが、アナウンス後もしばらくマユユがキッズコーナーで遊ぶことから切り替えられずヒヤヒヤする場面がありました。暇つぶしとしてはありがたいキッズコーナーですが、「切り替えが苦手なマユユを直前に遊ばせるのは間違えたかも……」と思いました。なんとか優先搭乗の時間が終わるギリギリにマユユを抱えてかけ込みます。
次ページ「いよいよ席に座りフライト」

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