「子どもを理解し、支える」ヒントに!児童精神科医・三木崇弘先生が選ぶ3冊【発達ナビ・あの人の本棚から】
ライター:発達ナビBOOKガイド

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発達ナビでは、発達障害や子育て、教育の分野で活躍する専門家や実践者の皆さんに、「人生を豊かにしてくれた本」「多くの人におすすめしたい本」を紹介していただく連載【発達ナビ・あの人の本棚から】をお届けしています。
今回は、児童精神科医として多様な現場で活躍し、人気漫画『リエゾン-こどものこころ診療所-』の監修でも知られる三木崇弘先生に、「保護者向け」「支援者向け」「自著」の3つのカテゴリーから、おすすめの本を選んでいただきました。
三木崇弘先生が選ぶ3冊は?
愛媛大学医学部を卒業後、国立成育医療研究センターで小児科・児童精神科医として研鑽を積んだ三木崇弘先生。2019年からはフリーランス児童精神科医として独立し、医療機関での診療にとどまらず、学校現場でのスクールカウンセラー、児童相談所での虐待対応、保健所での発達相談、児童養護施設での心理的ケアなど、子どもを支える多彩な領域で実践を重ねてこられました。
医療と教育、そして福祉の現場を横断しながら子どもたちと向き合い続けてきた三木先生だからこそ選び抜かれた3冊は、それぞれ異なる角度から「子どもを理解し、支える」ための深い洞察を提供してくれます。
医療と教育、そして福祉の現場を横断しながら子どもたちと向き合い続けてきた三木先生だからこそ選び抜かれた3冊は、それぞれ異なる角度から「子どもを理解し、支える」ための深い洞察を提供してくれます。
三木崇弘先生が選ぶ!保護者の方におすすめの1冊:『今日、誰のために生きる?』(ひすいこたろう/SHOGEN著)
画家のSHOGENさんがアフリカ・タンザニアの伝統絵画「ティンガティンガ」を学ぶため、人里離れたブンジュ村を訪れたときの実体験を綴った感動的なノンフィクション。約200人が暮らすこの小さな村で、SHOGENさんは想像もしていなかった「豊かさ」に出合います。
電気も水道もない環境でありながら、村人たちは互いを思いやり、困った人がいれば自然と手を差し伸べる。子どもたちの笑顔は輝き、大人たちは心から人生を楽しんでいる。この村での体験を通して浮かび上がってくるのは、誰かのために生きるためには、自分のために生きることが前提だということ。成果や効率を重視する現代社会で子育てに奮闘する親御さんたちにとって、本当に大切なものが何かを静かに問いかけてくれる一冊です。
電気も水道もない環境でありながら、村人たちは互いを思いやり、困った人がいれば自然と手を差し伸べる。子どもたちの笑顔は輝き、大人たちは心から人生を楽しんでいる。この村での体験を通して浮かび上がってくるのは、誰かのために生きるためには、自分のために生きることが前提だということ。成果や効率を重視する現代社会で子育てに奮闘する親御さんたちにとって、本当に大切なものが何かを静かに問いかけてくれる一冊です。
【三木崇弘先生のおすすめポイント】「心ここにあらず」にならず「ここにいる人」になる
子どもと対峙している時、目の前のタスクに追われ、先のことばかり考えて、心ここにあらずになっていませんか?ブンジュ村の人たちは、そういう人のことを「ここにいない人」と呼んでいます。まずは我々大人がきちんと子どもにとって「ちゃんとここにいる人」になることが大切なのではないでしょうか。
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支援者の方におすすめの1冊:『具体と抽象』(細谷功著)
経営コンサルタントとして数多くの企業変革に携わってきた著者が、思考の基盤となる「具体と抽象」のメカニズムを平易な言葉で解き明かした思考術の決定版。私たちが日々直面する「話が通じない」「説明しても理解してもらえない」といったコミュニケーションの問題が、実は具体と抽象の行き来の仕方にあることを、豊富な事例とともに明らかにしています。
支援の現場では、保護者への説明、多職種チームでの情報共有、子ども自身への働きかけなど、相手に応じたコミュニケーションが不可欠です。専門用語に頼らず、相手の理解度に合わせて具体例から抽象的概念へ、また抽象から具体へと思考を柔軟に移行させる技術は、効果的な支援の土台となります。読み進めるうちに、支援者として必要な「伝える力」と「理解する力」が自然と身についていく実践的な名著です。
支援の現場では、保護者への説明、多職種チームでの情報共有、子ども自身への働きかけなど、相手に応じたコミュニケーションが不可欠です。専門用語に頼らず、相手の理解度に合わせて具体例から抽象的概念へ、また抽象から具体へと思考を柔軟に移行させる技術は、効果的な支援の土台となります。読み進めるうちに、支援者として必要な「伝える力」と「理解する力」が自然と身についていく実践的な名著です。
【三木崇弘先生のおすすめポイント】具体と抽象を行ったり来たりして、視点と持ち直す
支援をするとなると、どうしても具体の話に目が行きがちです。しかし本来は「この子にどうなってほしいか」「なんのためにその支援をするのか」を考えることが、支援において一番大切なことです。そういった視点を持ち直すために、本書を読みながら具体と抽象を行ったり来たりしてみましょう。
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