治療をスタートして1ヶ月を過ぎて

ストラテラの通常の維持量は1日80mgとのことですが、まずは40mgから開始しました。

効果は数週間で徐々に現れてくる、開始直後には「効果は感じられないのに副作用だけ感じる」みたいな時期がある、と聞いていました。しかし、朝食後に最初の1カプセルを飲んだ数時間後、軽い口渇感を覚えると同時に「あれ?なんだかちょっと頭の中が静かで気持ちが落ち着いてない?」と感じました。

そして、交感神経を刺激するはずなのに、なんだかうっすら眠い。安心している感じ。あれをやらなきゃこれをやらなきゃ!という焦りが楽になっている。それでいて、なんだかパッパと動ける。

私のように、服用開始初日からそれなりの効果を感じる人は少数ながらいるようです。

その後3日ほどだいたい同じ状態が続き、パッパと動ける→疲れる→午後にパタッと昼寝というのを繰り返しました。

そして4日め、朝起きてお白湯を飲んでいるときに突然「あ、散歩に出たら気持ちよさそうな天気だな」と思い、「まだ紫外線が強くない時間だから日焼け止めを塗らないで出られるな」と、パッと着替えて5分で出発、10分ぐらい近所を歩いてみたら気持ちのいいこと。感激して、以来、雨の日や体調が悪い日以外は毎日散歩が続いています。

いっぽう、血中濃度が安定してきたと思われる1週間めぐらいから胃のムカムカと便秘がひどくなりました。胃腸の蠕動運動が低下することにより、このような副作用が出るようです。吐き気止めや緩下剤、胃にやさしいものを少しずつ食べる、おなかを動かす深い呼吸をするなどで対処しました。

服薬開始から1ヶ月を過ぎた頃にはほぼほぼ副作用が気にならなくなっていましたが、梅雨入りによる湿気、その後すぐの酷暑でさっそく夏バテに突入してしまい……胃酸を抑える薬を処方され、とりあえずストラテラの増量は見送ることになりました。

注意や集中、切り替えの力、気分の安定性などは徐々にしっかりと底上げが効いてきている感じです。

ゆっくりと様子をみながら

医師には、「ともかく焦らずゆっくりと、数ヶ月のスパンで考えて。あと、あまり効き目に期待しすぎないこと。少しでも楽になればなという気持ちでね」と言われています。

やはり、効き目を感じるぶん焦ってしまうのですが、焦りすぎれば必ず不調となって返ってくるので、一歩ずつ進んでいかなければなと思っています。

宇樹義子/文
(監修 鈴木先生より)

宇樹さんは「大人になってしまったASD(自閉スペクトラム症)/ADHD(注意欠如多動症)」なのです。大人になって発症したわけではなく、通知表に書かれている通り、小学生からASD(自閉スペクトラム症)/ADHD(注意欠如多動症)症状があったのです。ただ、かかりつけ医が診断できず、また学校の成績が悪くないと担任がスルーしてしまうケースも多いのです。

最近はメディアの影響もあり大人になってから気づくことが増えてきました。ただ、成人精神科でADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)の診断のできる医師は多くはありません。そのため精神科ではASD(自閉スペクトラム症)/ADHD(注意欠如多動症)と診断されずに双極性障害(双極症)や適応障害(適応反応症)などと診断されることも多いのです。

最近はSNSの情報などをきっかけに自身に発達特性があるのではと感じて相談に来る大人の患者さんが増えております。たいていはご自身の認識の通りなことが多いです。自身に発達特性があるのではないかと疑ったら、宇樹さんのようにASD(自閉スペクトラム症)/ADHD(注意欠如多動症)をきちんと診断でき、コンサータ登録医の資格を持っている医師の下を受診して相談することをおすすめいたします。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に
公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
ライフバナー

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。