気持ちを外に出せない次男
スクールカウンセラーの先生がふーの様子を見ている限りでは、みんなと問題なく生活できているとのこと。そこで私が、先日目撃したクラスメイトからのちょっかいについて話してみると、こんな話をしてくれました。
「ふーくんが担任の先生の話を聞いていなくて、分からないまま授業が進んで周りとの違いが目立つと、先生やお友だちから『違い』を指摘されるときがあります。この時にちょっかいをかけられやすくなるのかもしれません……」
続いてあった担任の先生との面談では、ふーがなにか「間違い」を指摘されると、耳を塞いだり、机の下に潜ることがあると教えてくれました。担任の先生は、ふーが自分から出てくるまで、クラスメイトにも気を配りながら待っていてくれるそうです。
これらを聞いて、ふーがちょっかいをかけられやすい背景がある程度分かりました。そして自分の身を守るために透明になったり耳をふさいだり、机の下にもぐり、ふーはひたすら「我慢」している様子も……。
ふーは、普段から不満やつらい気持ちを我慢する傾向があります。我慢することも時には大事ですが、困ったときは言葉にする、つらい気持ちを発散できるような何かが見つかるといいなと思いました。
今はふーの様子を注意深く見守っているところです。
「ふーくんが担任の先生の話を聞いていなくて、分からないまま授業が進んで周りとの違いが目立つと、先生やお友だちから『違い』を指摘されるときがあります。この時にちょっかいをかけられやすくなるのかもしれません……」
続いてあった担任の先生との面談では、ふーがなにか「間違い」を指摘されると、耳を塞いだり、机の下に潜ることがあると教えてくれました。担任の先生は、ふーが自分から出てくるまで、クラスメイトにも気を配りながら待っていてくれるそうです。
これらを聞いて、ふーがちょっかいをかけられやすい背景がある程度分かりました。そして自分の身を守るために透明になったり耳をふさいだり、机の下にもぐり、ふーはひたすら「我慢」している様子も……。
ふーは、普段から不満やつらい気持ちを我慢する傾向があります。我慢することも時には大事ですが、困ったときは言葉にする、つらい気持ちを発散できるような何かが見つかるといいなと思いました。
今はふーの様子を注意深く見守っているところです。
執筆/taeko
(監修:初川先生より)
ふーくんの友だちにちょっかいを出された時に「透明になる」ワザについてのエピソードをありがとうございます。ふーくんなりにその場をしのぎ、自分を守る方法を編み出しているのだなと感じます。ただ、対人場面での「透明になる」は、相手からすると、「嫌だ」と言われたわけでもなく、ふーくんの態度に解釈の余地が生まれてしまいます。つまり、「拒絶されてないからこのままちょっかいを出しても大丈夫だろう」とか、あるいは、何らかの反応がほしくてちょっかいを出しているからこそ、「反応が出るまでちょっかいを出してやろう」と相手が捉えてしまう可能性があります。taekoさんが「嫌がっているからやめてね」と伝えても、相手がぽかんとしたのは、単純に相手からすると「嫌がっている」ようには見えていなかった可能性があります。願わくは、ふーくんが「透明になる」ワザを繰り出してやり過ごす前に、一度でいいので、強く短い言葉で「やめて!」「いやだ!」と伝えたうえで、二回目以降に「透明になる」が出せるといいのかなと感じます。
ただ、ふーくんは困った際に自分の気持ちや意向を出しづらいとのこと。ちょっかいを出されて嫌な気持ちになっていること、もうちょっかいを出さないでほしいことについて相手に伝える際には、先生方や保護者の方など近くの大人の力を借りて、大人と一緒に行うのがまずは先だろうと感じます。
授業でふーくんが先生の話を聞き取り切れずに(集中の問題か、言語での指示が長いかなどさまざま要因は考えられそうですね)、分からなくなってしまって、ちょっとずれた反応を取ってしまうことがありそうとのこと。また、教室での様子に関して「間違い」を指摘されると、耳をふさいだり、机の下にもぐったりするふーくんの様子があるのですね。このあたり、予防的な介入も検討できるかなと感じました。ふーくんが授業が分からなくなってしまうことが多発しているのであれば、途中で確認する・声をかけて注意を先生に向けるなどの個別的な手立てであったり、間違いを指摘されてつらくなるなど、つらくなった際の表出は人それぞれで、しかもそのつらさの強度も人それぞれであることをクラス全体で共有することも可能かもしれません。
いずれにせよ、仮に「違い」があったからとて、本人が嫌がるちょっかいをかけてよいということには全くならないことも確認したいところではあります。
発達障害があるお子さんの場合、つらいことに見舞われることが集団生活の中では残念ながら多くあるかもしれません。また、そのつらい出来事について、即日中に担任の先生などに言えればいいほうで、実際には家に帰って、ようやく保護者の方に話せる、あるいは数日経ってからようやく話せるといったこともよくあることではあります。そういう場合は特に、家庭と学校との連携を取り、学校と一緒に対応できるといいですね。
(監修:初川先生より)
ふーくんの友だちにちょっかいを出された時に「透明になる」ワザについてのエピソードをありがとうございます。ふーくんなりにその場をしのぎ、自分を守る方法を編み出しているのだなと感じます。ただ、対人場面での「透明になる」は、相手からすると、「嫌だ」と言われたわけでもなく、ふーくんの態度に解釈の余地が生まれてしまいます。つまり、「拒絶されてないからこのままちょっかいを出しても大丈夫だろう」とか、あるいは、何らかの反応がほしくてちょっかいを出しているからこそ、「反応が出るまでちょっかいを出してやろう」と相手が捉えてしまう可能性があります。taekoさんが「嫌がっているからやめてね」と伝えても、相手がぽかんとしたのは、単純に相手からすると「嫌がっている」ようには見えていなかった可能性があります。願わくは、ふーくんが「透明になる」ワザを繰り出してやり過ごす前に、一度でいいので、強く短い言葉で「やめて!」「いやだ!」と伝えたうえで、二回目以降に「透明になる」が出せるといいのかなと感じます。
ただ、ふーくんは困った際に自分の気持ちや意向を出しづらいとのこと。ちょっかいを出されて嫌な気持ちになっていること、もうちょっかいを出さないでほしいことについて相手に伝える際には、先生方や保護者の方など近くの大人の力を借りて、大人と一緒に行うのがまずは先だろうと感じます。
授業でふーくんが先生の話を聞き取り切れずに(集中の問題か、言語での指示が長いかなどさまざま要因は考えられそうですね)、分からなくなってしまって、ちょっとずれた反応を取ってしまうことがありそうとのこと。また、教室での様子に関して「間違い」を指摘されると、耳をふさいだり、机の下にもぐったりするふーくんの様子があるのですね。このあたり、予防的な介入も検討できるかなと感じました。ふーくんが授業が分からなくなってしまうことが多発しているのであれば、途中で確認する・声をかけて注意を先生に向けるなどの個別的な手立てであったり、間違いを指摘されてつらくなるなど、つらくなった際の表出は人それぞれで、しかもそのつらさの強度も人それぞれであることをクラス全体で共有することも可能かもしれません。
いずれにせよ、仮に「違い」があったからとて、本人が嫌がるちょっかいをかけてよいということには全くならないことも確認したいところではあります。
発達障害があるお子さんの場合、つらいことに見舞われることが集団生活の中では残念ながら多くあるかもしれません。また、そのつらい出来事について、即日中に担任の先生などに言えればいいほうで、実際には家に帰って、ようやく保護者の方に話せる、あるいは数日経ってからようやく話せるといったこともよくあることではあります。そういう場合は特に、家庭と学校との連携を取り、学校と一緒に対応できるといいですね。

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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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