思春期になり激しさを増す発達障害息子の癇癪とパニック。特性に母が思うこと【読者体験談】
ライター:ユーザー体験談

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ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の息子は現在高校2年生です。思春期になった息子の癇癪・パニックは激しさを増してきていて……。そんな息子の様子や、今まで取り組んできたクールダウン方法などについてご紹介します。
【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「癇癪」についてのエピソードをご紹介します】

監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。
1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。
小1で診断。息子の特性は多動・衝動性と強いこだわり
現在高校2年生の息子は、小学1年生の6月にADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。
息子の特性として最も目立つのは、強いこだわりです。息子の様子を観察していると、食へのこだわりや時間割変更への苦手さを強く感じます。
特に食べ物については、嗅覚過敏と触覚過敏のため肉類が一切食べられません。スーパーでお肉コーナーを通過することもできず、回り道して走って行ってしまいます。肉の赤身を見ることも嫌なようで、この過敏さは現在も続いています。
幼稚園児の頃の夢は「大工さん」でした。今は「建築士」になって、お客さんの希望する家を建てる仕事をしたいと、建築科のある専修学校進学を目指して勉強に励んでいます。一貫して建築への興味を持ち続けているのも、息子らしいこだわりの表れかもしれません。
息子の特性として最も目立つのは、強いこだわりです。息子の様子を観察していると、食へのこだわりや時間割変更への苦手さを強く感じます。
特に食べ物については、嗅覚過敏と触覚過敏のため肉類が一切食べられません。スーパーでお肉コーナーを通過することもできず、回り道して走って行ってしまいます。肉の赤身を見ることも嫌なようで、この過敏さは現在も続いています。
幼稚園児の頃の夢は「大工さん」でした。今は「建築士」になって、お客さんの希望する家を建てる仕事をしたいと、建築科のある専修学校進学を目指して勉強に励んでいます。一貫して建築への興味を持ち続けているのも、息子らしいこだわりの表れかもしれません。
ガラス、ドア、壁を蹴って壊すことも……。ゲームによる癇癪・パニックは成長とともに深刻に
息子の癇癪・パニックは年齢とともに激しさを増してきました。最近では、ゲームに関する癇癪が一番ひどいです。
こだわりの強さを感じていたため、ゲーム機を与えることに躊躇していましたが、周囲の友だちが持つようになり、小学校高学年の誕生日プレゼントで渡しました。案の定、ゲーム依存のようになり、思い通りにいかないと激しい癇癪を起こすようになりました。
小学生の頃は物を投げたり、机や椅子をガタガタさせる程度でしたが、中学生になると大声を上げたり床を踏み鳴らしたりするように。中学後半から高校生になると、奇声を上げて物を投げ、壁を蹴って穴を開けたり、ガラス窓やドア、机や椅子を蹴って壊すことも増えました。先日は扇風機やシャープペンシルを折ってしまいました。
こだわりの強さを感じていたため、ゲーム機を与えることに躊躇していましたが、周囲の友だちが持つようになり、小学校高学年の誕生日プレゼントで渡しました。案の定、ゲーム依存のようになり、思い通りにいかないと激しい癇癪を起こすようになりました。
小学生の頃は物を投げたり、机や椅子をガタガタさせる程度でしたが、中学生になると大声を上げたり床を踏み鳴らしたりするように。中学後半から高校生になると、奇声を上げて物を投げ、壁を蹴って穴を開けたり、ガラス窓やドア、机や椅子を蹴って壊すことも増えました。先日は扇風機やシャープペンシルを折ってしまいました。
年を重ねるごとに力も強くなり、癇癪による破壊行動が激しくなっています。止めようとすると、私や娘(2歳年上の姉)に手が出ることもあり、家族全員が息子の癇癪に振り回されている状況です。
クールダウンの習慣づけと支援者との連携。放デイと学校の理解ある対応
幼少期から、癇癪が起きた時は自室に行ってクールダウンするよう言ってきました。最初はなかなかうまくいきませんでしたが、小学校中学年頃から徐々にできるようになったのは、当時利用していた放課後等デイサービス(放デイ)の責任者の方のおかげです。
その方は、息子に首からぶら下げるカードを渡し、クールダウンしたい時は赤カード、そっとしておいてほしい時は青カードで、話せなくても意思表示ができるよう工夫してくださいました。そこから家でも癇癪がおこると自分で自室へ行き、30分から1時間後に階下に来て「ごめんなさい」と言えるようになりました。
学校でも、癇癪が出た場合の対応を検討していただき、教頭先生が多目的教室で静かに過ごす体制を整えてくださいました。また、教頭先生の提案で、担任の先生がクラス会議を開いてくださいました。「●●君がパニックになった時、どうしたらいいかな?」という話し合いで、クラスメイトから「寄り添う」「落ち着くまでそっとしておく」「落ち着いたら、ゆっくり話しかける」など、さまざまな提案が出たそうです。
息子は相変わらず癇癪を起こしていましたが、級友たちとの信頼関係を崩すことなく、行事なども懸命に取り組み、無事に小学校を卒業できました。
ただし、現在はクールダウンがうまくいかないことが増えています。思春期のためか、衝動性が強く興奮を抑えることが困難なのかもしれません。謝ることができずに文句を言うことも増え、「自分だけが悪くない」と思っているようです。
いつかまた自分でクールダウンできるようになる、そう信じて今は見守っています。
その方は、息子に首からぶら下げるカードを渡し、クールダウンしたい時は赤カード、そっとしておいてほしい時は青カードで、話せなくても意思表示ができるよう工夫してくださいました。そこから家でも癇癪がおこると自分で自室へ行き、30分から1時間後に階下に来て「ごめんなさい」と言えるようになりました。
学校でも、癇癪が出た場合の対応を検討していただき、教頭先生が多目的教室で静かに過ごす体制を整えてくださいました。また、教頭先生の提案で、担任の先生がクラス会議を開いてくださいました。「●●君がパニックになった時、どうしたらいいかな?」という話し合いで、クラスメイトから「寄り添う」「落ち着くまでそっとしておく」「落ち着いたら、ゆっくり話しかける」など、さまざまな提案が出たそうです。
息子は相変わらず癇癪を起こしていましたが、級友たちとの信頼関係を崩すことなく、行事なども懸命に取り組み、無事に小学校を卒業できました。
ただし、現在はクールダウンがうまくいかないことが増えています。思春期のためか、衝動性が強く興奮を抑えることが困難なのかもしれません。謝ることができずに文句を言うことも増え、「自分だけが悪くない」と思っているようです。
いつかまた自分でクールダウンできるようになる、そう信じて今は見守っています。

