「厳しくすれば発達障害は治る」担任の無理解で学校が怖い場所に。転校を決意した親の願いは【読者体験談】

ライター:ユーザー体験談
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現在小学校3年生の息子は、8歳のときにASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けました。
小学2年生のとき、息子は担任の先生との関係がうまくいかず、学校に行きしぶるようになりました。きっかけは、新しい担任の先生。先生は「厳しくしつければ発達障害は治る」という考えがあるようでした。それから息子にとって学校は「怖い場所」に変わってしまったのです。
【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「不登校」についてのエピソードをご紹介します】

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。

学校が「怖い場所」に変わり不登校になった息子

8歳のときにASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けた息子。我慢するのが苦手で、思い通りにならないと感情が爆発することがあります。また、じっとしているのも本当に苦手で、好きなことには驚くほど集中するのに、嫌なことには「めんどくさい」の一言で片付けてしまう……そんな息子の特性と、私も日々向き合い続けています。

小学2年生のとき、息子は担任の先生との関係がうまくいかず、学校に行きしぶるように。1年生の頃は友だちもいて、トラブルは多かったものの「学校は好き」と言って通えていました。でも、新しい担任の先生は発達障害への理解が浅く、「厳しくしつければ治る」と考えているようでした。

それがきっかけで、息子にとって学校は「怖い場所」に変わってしまったのです。
今回は、息子が学校に行けなくなってしまったあの日々と、私たち親子がどうやって乗り越えようとしているかをお話しします。

新しい担任は「理不尽に怒る、ただ怖いだけの人」

2年生の時の担任の先生について「僕のことを全然分かってくれない。理不尽に怒られる、怖い」と言うようになった息子は不登校に……
2年生の時の担任の先生について「僕のことを全然分かってくれない。理不尽に怒られる、怖い」と言うようになった息子は不登校に……
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1年生の息子は、友だちがいることもあって「学校に行きたい」気持ちが強い子でした。ただ、クラスの子とのトラブルは本当に頻繁で……。私は毎日「今日こそは何事もなく帰ってきてほしい」と祈るような気持ちでした。
当時の担任は新任の先生で、クラス全体をまとめるだけで精一杯の様子。息子の特性に合わせた配慮は特になく、学校側が補助員をつけてくれたものの、それも息子のサポートというより「トラブル防止の監視役」のような印象でした。

そして2年生になって、息子の学校生活は一変しました。
新しい担任の先生は、落ち着きのない息子を厳しく指導する方針でした。
今でも鮮明に覚えているのは、息子の行動を止めようと先生に押さえつけられたとき、息子が机に身体をぶつけてしまった出来事です。
それから息子は、先生のことを「僕のことを全然分かってくれない。理不尽に怒られる、怖い」と言うようになり、やがて教室に足を向けることすらできなくなってしまいました。ここから不登校が始まったのです。

先生との話し合い……そこで見えた教育方針の壁

息子が学校に行けない日が続くなか、私は担任の先生と話し合うことになりました。
「ほかの子の安全のために、力ずくでも止めなければならない場面があるのは理解しています。でも、まずは息子をクールダウンさせて、落ち着いてから話を聞いてもらえませんか?」
そう伝えた私に、先生は「これまで厳しく接することで改善した生徒がたくさんいるんです」と答えました。その成功体験があるからこそ、やり方を変えるのは難しそうでした。

学校側の事情も分からなくはありません。一人の生徒のために多くの人手を割くのは現実的ではないでしょう。でも、息子にとって安全で安心できる居場所を確保してあげたい。その一心で、私は「このまま学校に通わせ続けていいのだろうか」という強い不安を抱えるようになりました。
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