性教育・感情コントロール・子育ての苦しみ…公認心理師・スクールカウンセラー初川久美子先生厳選「今読んでほしい」4冊【発達ナビ・あの人の本棚から】
ライター:発達ナビBOOKガイド
Upload By 発達ナビBOOKガイド
発達ナビでは、発達障害や子育て、教育の分野で活躍する専門家や実践者の皆さんに、「人生を豊かにしてくれた本」「多くの人におすすめしたい本」を紹介していただく連載【発達ナビ・あの人の本棚から】をお届けしています。
今回は、臨床心理士・公認心理師で東京都公立学校のスクールカウンセラーや発達研修ユニットみつばちとしてもご活躍中の初川 久美子先生に、「保護者向け」「支援者向け」「自著」の3つのカテゴリーから、おすすめの本を選んでいただきました。
初川 久美子先生が選ぶ4冊は?
臨床心理士・公認心理師でスクールカウンセリング全般がご専門の初川 久美子先生。そんな初川先生から、「保護者の方へ」「支援に携わる方へ」「著者ご自身の作品」という3つの観点から厳選した書籍をご推薦いただきました。
さまざまなお子さんと関わる機会の多い初川先生の視点から厳選した4冊は、お子さんの発達や成長に悩むたくさんの保護者の方の参考になるはずです。
さまざまなお子さんと関わる機会の多い初川先生の視点から厳選した4冊は、お子さんの発達や成長に悩むたくさんの保護者の方の参考になるはずです。
初川 久美子先生が選ぶ!保護者の方におすすめの1冊:『こどもせいきょういくはじめます』(フクチ マミ (著), 村瀬 幸浩 (著), 北山 ひと美 (著))
「おうち性教育はじめます」シリーズから、「小学生が自分で読める」というテーマで発行されたのが本書、『こどもせいきょういくはじめます』です。
この本では、「プライベートパーツ」の話から、「体の変化」「誕生」の仕組み、さらに「同意・不同意」や「バウンダリー(境界線)」といった人権に関わる大切な考え方まで、優しいイラストと漫画で分かりやすく解説しています。
章ごとに目安となる対象年齢が設定されているので、保護者の「何歳くらいになったらこの話をしたらいいの?」というお悩みも解決。巻末の「子どもと話すヒント集」では子どもへの声掛けの方法などを大人も一緒に学ぶことができます。大人から小学生へ贈る「お守り」のような性教育入門書です。
この本では、「プライベートパーツ」の話から、「体の変化」「誕生」の仕組み、さらに「同意・不同意」や「バウンダリー(境界線)」といった人権に関わる大切な考え方まで、優しいイラストと漫画で分かりやすく解説しています。
章ごとに目安となる対象年齢が設定されているので、保護者の「何歳くらいになったらこの話をしたらいいの?」というお悩みも解決。巻末の「子どもと話すヒント集」では子どもへの声掛けの方法などを大人も一緒に学ぶことができます。大人から小学生へ贈る「お守り」のような性教育入門書です。
初川 久美子先生のおすすめポイント:これからの時代を生きていく私たちが大切にしたいことが盛りだくさん
子どもへの性教育は子どもが幼児のうちから始めるものだ……ということを知識的には知ってはいたものの、わが子に対して、いつ?どうやって?と思っていたら、幼児期を過ぎてしまいました(苦笑)。カウンセラーとしての仕事の中でも性教育や性にまつわるご相談を受けることも昨今は増えてきたように感じます。そんな中、フクチマミさんらが書かれた「おうち性教育はじめます」シリーズはとても参考になりました(保護者向けの既刊もぜひ!)。
満を持して子ども向けとして出されたこちらは大人が読んでも秀逸です。性教育と聞くと、性行為のことが頭に浮かぶ方もいらっしゃるかもしれませんが、ベースは人権。自分のことを大切にする、相手のことも大切にする。すべてはそこから。性教育のことのみならず、同意・不同意、バウンダリーのことなど、これからの時代を生きていく私たちが大切にしたいことが盛りだくさん。大人の認識アップデートとしてもおすすめです。架空の「つるかめ小学校」での性教育授業を聞くといった構成で、とても読みやすいコミックです。わが子(小学校中学年)にも早速読んでもらいました。
満を持して子ども向けとして出されたこちらは大人が読んでも秀逸です。性教育と聞くと、性行為のことが頭に浮かぶ方もいらっしゃるかもしれませんが、ベースは人権。自分のことを大切にする、相手のことも大切にする。すべてはそこから。性教育のことのみならず、同意・不同意、バウンダリーのことなど、これからの時代を生きていく私たちが大切にしたいことが盛りだくさん。大人の認識アップデートとしてもおすすめです。架空の「つるかめ小学校」での性教育授業を聞くといった構成で、とても読みやすいコミックです。わが子(小学校中学年)にも早速読んでもらいました。
こどもせいきょういくはじめます おうち性教育はじめますシリーズ
KADOKAWA
Amazonで詳しく見る
こどもせいきょういくはじめます おうち性教育はじめますシリーズ
KADOKAWA
楽天で詳しく見る
初川 久美子先生が選ぶ!支援者の方におすすめの2冊:『子どもの感情コントロールと心理臨床』『子育てに苦しむ母との心理臨床』(大河原 美以 著)
『子どもの感情コントロールと心理臨床』(大河原 美以 著)
キレる、かんしゃく、いじめ、不登校……なぜこうしたSOSは起きるのでしょうか?
本書は、これらの深刻なSOSの根幹に「感情制御の発達不全」の課題があると指摘します。脳機能や心の傷、幼少期の愛着形成、さらに日本特有の親子関係まで踏み込み、問題がどう生じるかについて解説をしています。子どもの心の揺れに寄り添うための確かな「見立ての軸」は親子支援に関わる全ての人にとって、多くの学びがある一冊です。
本書は、これらの深刻なSOSの根幹に「感情制御の発達不全」の課題があると指摘します。脳機能や心の傷、幼少期の愛着形成、さらに日本特有の親子関係まで踏み込み、問題がどう生じるかについて解説をしています。子どもの心の揺れに寄り添うための確かな「見立ての軸」は親子支援に関わる全ての人にとって、多くの学びがある一冊です。
子どもの感情コントロールと心理臨床
日本評論社
Amazonで詳しく見る
子どもの感情コントロールと心理臨床
日本評論社
楽天で詳しく見る
『子育てに苦しむ母との心理臨床 EMDR療法による複雑性トラウマからの解放』(大河原 美以 著)
なぜ、わが子を愛しているはずなのに、怒りが止められないのか?本書は、その苦しみの根源を「人格の問題」ではなく、封印された「過去の記憶」の問題であると説いています。
第一章「母たちの物語 過去の記憶への旅」では、6人の母親が自らの過去(出産時の外傷、震災の悲しみ、実母の喪失など)と向き合う生々しい物語が記されており、そこから虐待・トラウマ・愛着障害の臨床の真髄を学ぶことができます。
エビデンスのある心理療法「EMDR療法」にも光を当て、子育て困難の背景にある複雑性トラウマを理解することで親子支援に理解を深めることができる一冊です。支援者だけではなく、子育てに困難を感じている保護者の方にもぜひ読んで頂きたいです。
第一章「母たちの物語 過去の記憶への旅」では、6人の母親が自らの過去(出産時の外傷、震災の悲しみ、実母の喪失など)と向き合う生々しい物語が記されており、そこから虐待・トラウマ・愛着障害の臨床の真髄を学ぶことができます。
エビデンスのある心理療法「EMDR療法」にも光を当て、子育て困難の背景にある複雑性トラウマを理解することで親子支援に理解を深めることができる一冊です。支援者だけではなく、子育てに困難を感じている保護者の方にもぜひ読んで頂きたいです。
子育てに苦しむ母との心理臨床 EMDR療法による複雑性トラウマからの解放
日本評論社
Amazonで詳しく見る
子育てに苦しむ母との心理臨床 EMDR療法による複雑性トラウマからの解放
日本評論社
楽天で詳しく見る
初川 久美子先生のおすすめポイント:何度読んだか分からないくらいの私にとってのバイブルです
2冊とも、何度読んだか分からないくらいの私にとってのバイブルです。こんな臨床がしたい。そんな思いで何度も読んで、大河原先生の研修や勉強会に参加しながら学んできました。子どもが不快感情に圧倒されて、泣いたりぐずぐずしたり。そうしたことへ対応する際に、日本だと文化的背景もあって、“がまんして!泣かないで!強い子になって!”といったメッセージを大人が陰に日向に出してしまう場合があります。
しかし、そうした関わりの中では、子どもは不快感情の扱い方を知らないままに、その不快感情にフタをしてやっていくことになります。子どもに関するさまざまな問題行動とされるもののうち、感情の制御がうまく効かないために起きるものもあります。感情コントロールのスキルトレーニングが求められることが多いですが、それ以前に、気持ちを尊重するってどういうことだろうかというところからこの本(黄色の本)は説明されます。黄色の本は子どもへの支援の実際を理論的実践的に書かれています。
また、もう1冊(ピンクの本)は、保護者が子育てをする中で、どうにも子どもがかわいいと思えなかったり、子どもが怖いと思ってしまったり。そうしたご自身に対して、母親失格だと自責されたり。そうした面への保護者へ対する心理臨床の実際が説明されています。未読の心理職はじめ支援職の方、ぜひお読みいただければと思います。
しかし、そうした関わりの中では、子どもは不快感情の扱い方を知らないままに、その不快感情にフタをしてやっていくことになります。子どもに関するさまざまな問題行動とされるもののうち、感情の制御がうまく効かないために起きるものもあります。感情コントロールのスキルトレーニングが求められることが多いですが、それ以前に、気持ちを尊重するってどういうことだろうかというところからこの本(黄色の本)は説明されます。黄色の本は子どもへの支援の実際を理論的実践的に書かれています。
また、もう1冊(ピンクの本)は、保護者が子育てをする中で、どうにも子どもがかわいいと思えなかったり、子どもが怖いと思ってしまったり。そうしたご自身に対して、母親失格だと自責されたり。そうした面への保護者へ対する心理臨床の実際が説明されています。未読の心理職はじめ支援職の方、ぜひお読みいただければと思います。
発達支援施設を探してみませんか?
お近くの施設を発達ナビで探すことができます
新年度・進級/進学に向けて、
施設の見学・空き確認のお問い合わせが増えています
施設の見学・空き確認のお問い合わせが増えています