【偏食改善の体験談】「どうせ食べない」と諦めていたけど。克服のカギは「学校給食」と「経験」だった【専門家アドバイス付き】

ライター:マミー・マウス子ビッツ
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中度知的障害(知的発達症)の息子とつおを育てるマミー・マウス子ビッツです!

今回は偏食息子の食育に関するお話をシェアします。くだもの全般をまったく口にすることがなかった息子を変えたある日の出来事です。

監修者初川久美子のアイコン
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

障害児あるある?偏食の息子「とつお」

食べられるものが少なく苦労した
食べられるものが少なく苦労した
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障害児子育てあるあるかもしれませんが、わが家の中度知的障害(知的発達症)の息子とつおの偏食は2歳頃から始まりました。そもそも子どもは味覚が鋭いため野菜など嫌いな場合が多いと思いますが、定型発達のお子さんは大抵の場合、成長に伴い徐々に好き嫌いを克服していくものと思います。わが家の上の子2人も、小学校に上がるうちに嫌いなものも食べられるようになっていきました。
ところがとつおは感覚が過敏なせいか野菜や果物はほとんど食べられず、保育園時代は給食ではほぼ白米のみ。肉や魚も限られたもの以外は口にしない、といった様子でした。
家ではハンバーグやカレーに細かく刻んだ野菜を混ぜ込むなどすれば食べられることもあり、私は深刻にならずに向き合ってきました。そうしているうちにいつしか、「どうせ食べないだろう」とハナから苦手食材に挑戦させることもないまま、とつおは特別支援学校に入学することに。
そして、学校では……。

丁寧に寄り添い、一口ごとに大声援を送ってくれた先生たち

「給食頑張った!」が息子の口癖
「給食頑張った!」が息子の口癖
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学校給食が始まると、初日からとつおに変化が見られたことが私に大きな驚きをもたらしました。
担任の2人の先生には、入学前面談であらかじめとつおの偏食の程度はお伝えしていました。それを踏まえ先生たちはスプーンひと匙から苦手なおかずを食べることを根気強く挑戦させたようでした。泣きながらもゆっくりと、都度褒めてもらい、食べ切るまで寄りそい続けてくれたとのことでした。このことは息子の脳に成功体験として刻まれたのか、以降ほとんどの給食を完食する毎日となりました。もちろん、量はあらかじめ少なめに、あくまで食べ切れてた、という成功体験を積ませることに地道に取り組んでくれたのだと思います。とはいえ、徐々にチャレンジ心は生まれたものの家ではまったく野菜に手をつけようとはしませんでした。
そして昨年末、学校でのとある行事がやって来たのです。

息子を大きく成長させたみかん狩り

連絡帳に書かれた息子の様子
連絡帳に書かれた息子の様子
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食べ方を忘れた息子
食べ方を忘れた息子
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その行事とは、「みかん狩り」でした。以前に1度食べてみて吐き出して以来、がんとして口にしなかったみかん。それでも体験自体は楽しいはず。食べられなくても別に構わないと思っていた私でしたが、帰宅したとつおの連絡帳には驚くべき様子が書かれていました。
大好きな仲間たちとみかん狩りを存分に楽しんだ後、みかんをみんなで食べることに。なんとそこで、とつおは皮ごとかぶりつこうとしたとのこと‼私はいつも皮を剥いた状態を彼に渡していて、とつおは先生に剥き方を教わる羽目に。不器用ながらなんと皮をむしり取った後は、小房に分けずにまたしても丸かじりしそうになるのを再び止められてやっとこ1房食べると、満面の笑みだったというとつお。結局、大喜びで2個のみかんを完食したと書いてありました。私は顔から火が出そうになるのをなんとか抑え、夕方のスーパーへみかんを買いに駆け込んだ、というわけなのでした。
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五感で味わうこと

幸せそうだった
幸せそうだった
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みかん狩り以来、楽しい記憶とともに克服して食べられる果物となったみかん。育児書の中には食材との触れ合いや体験を通して学ぶ食育の大切さが説かれています。いつしかとつおに対して、「どうせ食べられないだろう」と諦めていた自分に気づいたことは、恥ずかしく反省する出来事でした。
これからもより一層、あらゆることを諦めずに、楽しい体験とともに乗り越えていけるようにサポートしなければと改めて教えてくれたみかん狩りでした。
執筆/マミー・マウス子ビッツ

(監修:初川先生より)
とつおくんの偏食について、特別支援学校入学後の変化のエピソードをありがとうございます。偏食を持つお子さんは結構いらっしゃいますね。そしてそれに悩む保護者の方は、幼少期からさまざまな試行錯誤とあきらめやがっかりを重ねられていることも多いです。
口の中や味覚の感覚が鋭いために、多くの人が「おいしい」と感じるものでも、口の中がちくちくする、食感が混ざって気持ち悪いなどの感覚があった。偏食の子たちが大きくなり、言葉で説明できるようになってから、そう教えてくれることがあります。感覚というのは、本人の努力だけでどうにかなるものではないので、無理強いしてもいいことはありません。ただ、成長に伴って、それが身体に良いと知ったから、あるいは、みんながおいしいと言っているから、少なくとも悪いものではなさそうだと頭で理解する中で、少しずつ、その食べ物と出合い直すことができることがあります。例えば、小学生になり、給食が始まった際に、一口だけでも食べてみようというのはその一環ともいえます。みかん狩りのように、自分で収穫して、興味を持ったところから、みかんがこれまで苦手な食感・食べ物だったとしても食べてみようと思い、トライしてみたら案外悪くなかったという着地をすることもあります(これは、例えば野菜の場合だと学校や家庭で自分が栽培することで食べられるようになることもあります)。
マミーさんは「どうせ食べられないだろうと諦めていた」ことを反省されていますが、諦めてしまうほどに、それまで苦戦が続いていたということなんだろうと想像しました。食事は毎日やってくるもので、毎日挑戦したり工夫し続けていたらそれは疲れてしまうだろうと思いますし、お子さんの側からしても、食事が楽しい時間ではなく、トレーニングや修行の時間になってしまいます。試行錯誤するのに適したタイミングや、いわゆる“機が熟した”タイミングがあるのだろうと思います。とつおくんの成長によって、いままで苦手だったものが少しその苦手度が緩んできたのかもしれないなと感じます。もちろん人によって、また食材によっては大人になってもなお食べられないものもあります。すべてを克服しようとか、いろんなものを食べられないとダメなんだと思い詰めすぎることなく、食事が楽しい時間、また健康維持の上で大きなつまずきのない機会となるよう、程よく試行錯誤していただければと思います。
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https://h-navi.jp/column/article/35030882
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
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このコラムのコメント1件
Zeroさん
2026/02/11 23:40
私もめっちゃこのタイプだったらしく、保育所の給食を機に偏食がだいぶ軽減したタイプでした

ただ、いまだに果物は学童で無理強い→泣いてもなお強制された記憶から、特にスイカは匂いが漂うだけでも倒れるレベルでダメだし、生野菜も中学のスキー実習で千切りキャベツ込みのサラダ一皿でお腹壊しかかって、小鉢一つが限界。。

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