【就労の壁】手書きで履歴書が書けない!境界知能とLDがある私の就活。職場で求めた合理的配慮とミスを防ぐ工夫【読者体験談】
ライター:ユーザー体験談
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履歴書を書くだけで、激しく消耗してしまう……。そんな違和感を抱えたまま就労し、会議の議事録やデータチェックでミスを連発して自信を失っていた私。受診して初めて分かった「LD・SLD(限局性学習症)」とその背景にある「視覚認知」の特性、そして職場での「合理的配慮」を巡る葛藤についてお話しします。
【発達ナビではユーザーさんからの子育て・体験エピソードを募集中!今回は「大人の発達障害と就労・合理的配慮」についてのエピソードをご紹介します】
監修: 阿部利彦
星槎大学大学院教育実践研究科 教授
長年にわたり発達障害のある子どもとその家族の相談支援に携わるとともに、全国各地で講演会や研修会の講師を多数務めている。近年は「誰もが安心して学べる場づくり」を大切にし、教育現場のユニバーサルデザイン化や発達が気になる子どもの「強み」に着目した支援など、多様性を尊重した教育実践の推進に取り組んでいる。
履歴書を書くだけで、泥のように疲れる私
この記事で分かること
- 読み書きLD・SLD(限局性学習症)や視覚認知の困難がある当事者の、具体的な「見えにくさ」と疲労感
- 就労現場での「手書き」「メモ」の壁と、実際に効果があったアナログな工夫
- 企業への「合理的配慮」の申し出におけるリアルな反応と難しさ
- 当事者が声を上げ続けることが、社会全体にとって意味があるという医師の教え
投稿者プロフィール
- 現在の年齢:30代女性
- 診断名:ASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)、ADHD(注意欠如多動症)傾向
- 検査等で指摘された特性:視覚認知機能の障害(弱さ)、境界知能
- エピソード当時の年齢:成人後(就職活動~企業就労時)
私は学生時代、特に通信制高校に通っていた頃は、学習面でそこまで大きな苦労を感じることはありませんでした。しかし、就職活動を始め、社会に出ようとした途端、目に見えない巨大な壁にぶつかりました。
その象徴が「履歴書」です。
文字が揺れて見えるわけでも、どこを書いているか分からなくなるわけでもありません。ただ、「どのぐらいの文字の大きさで書けば、枠内に収まるのかが分からない」のです。
何度も書き直し、神経をすり減らし、たった一枚の履歴書を書き上げるだけで、文字通りぐったりとしてしまいます。周囲と同じように書こうとするだけで、なぜこんなに疲弊するのか?子どもの頃は書道を習っていたし、読書も好きだったので、その理由が全く分からず、ただただ自分の容量の悪さを責めるしかありませんでした。
その象徴が「履歴書」です。
文字が揺れて見えるわけでも、どこを書いているか分からなくなるわけでもありません。ただ、「どのぐらいの文字の大きさで書けば、枠内に収まるのかが分からない」のです。
何度も書き直し、神経をすり減らし、たった一枚の履歴書を書き上げるだけで、文字通りぐったりとしてしまいます。周囲と同じように書こうとするだけで、なぜこんなに疲弊するのか?子どもの頃は書道を習っていたし、読書も好きだったので、その理由が全く分からず、ただただ自分の容量の悪さを責めるしかありませんでした。
検査で見えた「視覚認知の弱さ」
20代になり、専門機関を受診したことで、長年の違和感の正体が読み書きのLD・SLD(限局性学習症)であり、その背景に「視覚認知機能の弱さ」があると判明しました。「私が悪いのではなく、目からの情報の処理の仕方に特性があったんだ」と分かり、目から鱗でした。そして原因が分かったことは大きな救いとなりました。
通信制高校の時は、先生方が「みんな書き終わった?」「ここは消しても大丈夫?」と待ってくれたので不都合はなかったのですが、通信制短大のスクーリングでは困難さを感じていました。そこで自分から配慮を依頼、事前に先生にお願いして投映するスライドを印刷してもらったり、板書だけの授業では特別にノートパソコンを貸与してもらうことで、授業を受けました。パソコンで文字を打ち込むことは手書きと全く違い疲労感が少ないのです。今思えば、学校という場所は事情を説明すれば柔軟に対応してくれるので、とてもありがたい場所でした。
しかし、社会は学校ほど優しくはありませんでした。
通信制高校の時は、先生方が「みんな書き終わった?」「ここは消しても大丈夫?」と待ってくれたので不都合はなかったのですが、通信制短大のスクーリングでは困難さを感じていました。そこで自分から配慮を依頼、事前に先生にお願いして投映するスライドを印刷してもらったり、板書だけの授業では特別にノートパソコンを貸与してもらうことで、授業を受けました。パソコンで文字を打ち込むことは手書きと全く違い疲労感が少ないのです。今思えば、学校という場所は事情を説明すれば柔軟に対応してくれるので、とてもありがたい場所でした。
しかし、社会は学校ほど優しくはありませんでした。
「前例がない」の壁。職場での孤立と葛藤
就職のためハローワークで仕事を探し始めたときのことです。担当者の方から「履歴書は住所までは最低でも手書きで」と何度も指導されました。でも、多くの方が想像するよりも、書くことはとても大変なことなのです。
医師から「書く必要がある書類はパソコンを使って作成していいですよ」と言われていたため、私は勇気を出して交渉しました。その結果、なんとか「名前のみ自筆で」となりましたが、交渉するだけで消耗したものです。就職のスタートラインに立つ前からこんなに大変では先が思いやられると思っていました。
そして、いざ就職した事務職の現場。そこには「セキュリティ」と「前例踏襲」という、さらに高く分厚い壁が立ちはだかっていました。
会議のスピードは速く、手書きのメモが追いつきません。「録音させてほしい」「パソコンを持ち込ませてほしい」と提案しても、返ってくるのは「規則上、絶対ダメ」「NG」の一点張り。診断書を提出して説明を試みましたが、上司からは冷たくこう言われました。
「で?だから??」
医師から「書く必要がある書類はパソコンを使って作成していいですよ」と言われていたため、私は勇気を出して交渉しました。その結果、なんとか「名前のみ自筆で」となりましたが、交渉するだけで消耗したものです。就職のスタートラインに立つ前からこんなに大変では先が思いやられると思っていました。
そして、いざ就職した事務職の現場。そこには「セキュリティ」と「前例踏襲」という、さらに高く分厚い壁が立ちはだかっていました。
会議のスピードは速く、手書きのメモが追いつきません。「録音させてほしい」「パソコンを持ち込ませてほしい」と提案しても、返ってくるのは「規則上、絶対ダメ」「NG」の一点張り。診断書を提出して説明を試みましたが、上司からは冷たくこう言われました。
「で?だから??」
言葉に詰まりました。どう説明すれば伝わるのか分からず、ただ立ち尽くすしかありませんでした。
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