【発達障害と中学入学】不器用な息子が激変!?制服・紐靴問題を乗り越えた理由と新たな感覚過敏の壁

ライター:かなしろにゃんこ。
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手先が不器用なわが家の息子リュウ太は「紐がうまく結べない」「ボタンをはめるのが苦手で時間がかかる」など、細かい作業に難ありの学童期でした。しかし、中学入学で苦手な手作業と向き合い変化が起こったのです。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

マジックテープとTシャツが相棒。不器用な息子に「教える」ことの限界を感じて

ボタンを留めたり、紐を結ぶことに苦戦する息子
ボタンを留めたり、紐を結ぶことに苦戦する息子
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ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)のわが家の息子リュウ太は、小さい頃から手先が不器用で紐がうまく結べない、ボタンをはめるのが苦手で時間がかかるなど、細かい作業に苦戦していました。そういったものですから、学童期は紐靴ではないマジックテープの靴で過ごしたり、ボタンがなく着脱が簡単なTシャツばかり着ていました。

母の私が横に並んでお手本を見せながら紐の結び方を教えても「こんなことしたくない」や「うまくできないから、やりたくない」と言っては拒否をして、なかなか上達はしませんでした。紐を結ぶときに、どこを抑えて力を入れるかなどコツが分からなかったみたいです。
ボタンがある服や紐を結ぶ練習を嫌がる息子と困る母
ボタンがある服や紐を結ぶ練習を嫌がる息子と困る母
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また、できないことは無理せずに「一旦やめる」という選択しがちで、習得が遅いのです。あきらめが早いところがあるので、覚えるまで教えるのにとても手をやきました。

負けず嫌いだったらいいのに……できるまでやったらいいのにな……と母は思うのでした。

中学入学は「試練」の連続!学ランと紐靴にキレる息子を見守る日々

中学校の制服が学ランで「ボタンのある服」から逃れられない状況に
中学校の制服が学ランで「ボタンのある服」から逃れられない状況に
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しかし、中学入学と共に着替えの苦手な作業から逃げられなくなりました。制服が学ランだったのです。

学ランの首のボタンはリュウ太にとって留めにくく、入学式の日にさっそく手こずっていました。「あぁ、もうっ!こんな制服を毎日着るのうざっ」などと言って怒りながら着ていたのを今も覚えています。

また、学ランのボタンだけでなく、中は白シャツ。苦手なボタンも毎日の日課になります。さらに通学は学校指定のスニーカーで、紐靴です。うわばきも紐靴でしたから、苦手な紐と向き合うことになりました。
制服に着替えるたびに文句ばかり
制服に着替えるたびに文句ばかり
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イライラしながら着たり結んだりを繰り返す毎日。すると、数か月後は文句を言わずに自然とできるようになったのです。
母のお手本よりも環境で必然的に向き合うことが習得への近道であったと感じました。
中学入学から数か月後、靴紐が結べるように
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克服の影で起きた「感覚過敏」。制服の素材による“肌のかゆみ”という問題

ボタン留めの苦手が解消されたのもつかの間、素材が肌に合わず新たな困りが……
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こうして着替えの困難は克服していったのですが、中学生になって制服の素材が原因で肌がかゆくなる困り事が起きました。
ポリエステルなどの制服生地は丈夫でシワになりにくいのですが、汗をかくと生地に接着した肌が痒くなり赤くなってしまいます。

仕方なく体操服やジャージをシャツの中に着て登校することになりました。冬はいいのですが夏は暑くてつらそうでした。制服で痒くなってしまう人はジャージ登校をOKにしてくれると助かるのですが、お願いしても学校からは却下されそうだな……と思い言えませんでした。綿以外の繊維や染料でアレルギーを起こしてしまう人がいるので、制服の素材の選択肢があるといいですよね。
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配線修理もお手のもの!不器用を嘆いていた「あの日の私」へ伝えたいこと

そんな制服にまつわる困り事がいろいろありましたが、手先は年を追うごとに細かい作業ができるようになり車の電気の配線や機械の修理などができるようになり、不器用を克服していきました。

息子が紐結びをできないことで嘆いていた過去の私のところへ「大丈夫、数年後はできるから」と伝えに行きたい気分でした。

執筆/かなしろにゃんこ。

専門家コメント 公認心理師 井上 雅彦先生

紐結びやボタンなど、不器用さもあり、あきらめかけていたことが毎日の制服の着衣によってできるようになったのですね。このことはお子さん本人にとっても大きな自信になったのではないでしょうか。「不器用さ」については、人によってさまざまな原因があり、程度の違いもありますが、ゲーム機の操作など、興味関心があることであれば特定の動作に関して器用さを発揮している方もいます。大人になってから電気の配線や機械の修理に活かされるようになったのは、すばらしいと思いました。(監修:公認心理師 井上 雅彦先生)
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https://h-navi.jp/column/article/35030911
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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このコラムのコメント2件
きんさん
2026/04/09 11:17
ADHAとASDがあり、やはり紐結びが苦手です。
ダニエル・ラドクリフも出来ないと言っていたしと、無理しないかと思っておりました。
が、最近は靴のサイズが大きくなりすぎでマジックテープのデザインが少ない、甲高なのでスリッポンは合わない、靴がないので重い腰を上げなければなりませんがいつかできる、発達がゆっくりで成長しないわけではないを信じて頑張ってみます。
いつもコラムに励まされています。
2026/04/05 11:38
ASDで、知的グレーゾーン小5の息子が全く同じです。
手先が不器用なため靴紐の練習も早々にリタイア、ボタンの服もほぼ着たことがありません。
今私が心配している現状・将来への不安が全て体験談としてここに書いてあり、最後の「大丈夫、数年後にはできるから」の言葉に救われ、涙が出ました。

本当にできるようになるのかなぁ…。
でも、確かにトイレでの排便が小3でやっとできるようになった我が子なので、いつかはできるようになる!くらいの気持ちで焦らず付き合っていこうと再度思わせていただきました。
ちなみに息子は体育着(ジャージ)の長袖・長ズボンが苦手です。息子が通うことになる中学校では行事の日以外は体育着登校なので、そこも悩みの種です。
でもいつかは慣れる時が来ると信じようと思います。
前向きにさせていただき、ありがとうございました。

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