予想外の好転と、現在の穏やかな日々
しばらくして、義実家の環境にも変化がありました。なんと親戚の中に、一足先に特別支援学級に進んでいた子がいたのです。「しっかりしつけろ」と言っていた親戚や義両親も、身近な事例を通じて理解が進んでいたようで、娘が特別支援学級に入ることもすんなりと受け入れてくれました。
夫が具体的にどう説明したのかは分かりませんが、あんなに行きたくなかった義実家へ、再び顔を出せるようになったのは大きな一歩でした。現在、娘は12歳。中学も特別支援学級への進学が決まっています。かつて「親不孝」と言われたり「しつけ」を責められたりした痛みは消えませんが、「理解がないなら行かない」という選択をしたことで、私は自分と娘を守ることができました。
夫が具体的にどう説明したのかは分かりませんが、あんなに行きたくなかった義実家へ、再び顔を出せるようになったのは大きな一歩でした。現在、娘は12歳。中学も特別支援学級への進学が決まっています。かつて「親不孝」と言われたり「しつけ」を責められたりした痛みは消えませんが、「理解がないなら行かない」という選択をしたことで、私は自分と娘を守ることができました。
母親が自分を守ることは、子を守ること
発達障害児の育児において、母親にだけ批判の矛先が向くことは珍しくありません。しかし、親戚や親であっても、子どもの姿を見て「愛情不足」や「しつけ」のせいにする相手に対し、無理に理解を求める必要はないのだと感じています。
「どうしようもないストレスからは回避していい」
今、もし周囲の声に苦しんでいるお母さんがいたら、そう伝えたいです。物理的な距離を置いたり、夫に役割を任せたりすることで、いつか自然と状況が好転するタイミングがくるかもしれません。これからも娘が少しでもスムーズに次のステップへ進めるよう、今の穏やかな環境を大切に見守っていきたいと思っています。
イラスト/マミヤ
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。
「どうしようもないストレスからは回避していい」
今、もし周囲の声に苦しんでいるお母さんがいたら、そう伝えたいです。物理的な距離を置いたり、夫に役割を任せたりすることで、いつか自然と状況が好転するタイミングがくるかもしれません。これからも娘が少しでもスムーズに次のステップへ進めるよう、今の穏やかな環境を大切に見守っていきたいと思っています。
イラスト/マミヤ
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。
専門家コメント 室伏佑香先生(小児科医)
ご親族との関係の中で感じてこられたつらさや葛藤を、率直に言葉にして共有してくださりありがとうございました。同じように悩んでいる保護者の方にとって大きな支えになることと思います。神経発達症のお子さんをもつ親御さんから、困りごとが「しつけ」や「親の関わり方」の問題として語られてしまうことがあるという悩みを、よくお伺いいたします。特に、お母さまに責任が集中しやすい状況は少なくなく、孤立感や強い疲弊を抱えられることが多いように思います。
神経発達症では、行動の背景に特性があり、本人や保護者の努力だけではコントロールが難しい部分もあります。しかし、その見えにくさゆえに、「やればできるはず」「しつけの問題ではないか」と誤解されやすいのも現実です。そのような状況の中で、無理解な環境に身を置き続けることは、保護者にとってもお子さんにとっても大きなストレスとなり得ます。
今回共有いただいた内容で印象的だったのは、「理解してもらうこと」に固執するのではなく、「自分と子どもを守ること」を優先し、物理的な距離を取るという選択をされた点です。これはご自身と娘さんを守るための大切なセルフプロテクションでしたね。お子さんの支援では、子ども本人への配慮だけでなく、保護者の方の心身の安全が守られることも非常に重要です。保護者が傷つき続ける環境に無理に身を置くことは、結果としてお子さんにとっても負担の大きい状況になり得ます。保護者が自分を守ることは、子どもを守ることにもつながる、まさにその通りだと私も思います。
また、お父さまが娘さんと直接過ごす中で少しずつ気づきを深め、協力体制が変化していった過程もとても重要なことだと感じました。発達特性への理解は、実際の関わりや経験を通してようやく実感を伴って深まっていくことも少なくありません。ご投稿者さんがお父さまに役割を切り分けたことは、家族内でのお子さまへの理解を促す上でも大切な一歩だったのだと思います。(監修:小児科医 室伏佑香先生)
神経発達症では、行動の背景に特性があり、本人や保護者の努力だけではコントロールが難しい部分もあります。しかし、その見えにくさゆえに、「やればできるはず」「しつけの問題ではないか」と誤解されやすいのも現実です。そのような状況の中で、無理解な環境に身を置き続けることは、保護者にとってもお子さんにとっても大きなストレスとなり得ます。
今回共有いただいた内容で印象的だったのは、「理解してもらうこと」に固執するのではなく、「自分と子どもを守ること」を優先し、物理的な距離を取るという選択をされた点です。これはご自身と娘さんを守るための大切なセルフプロテクションでしたね。お子さんの支援では、子ども本人への配慮だけでなく、保護者の方の心身の安全が守られることも非常に重要です。保護者が傷つき続ける環境に無理に身を置くことは、結果としてお子さんにとっても負担の大きい状況になり得ます。保護者が自分を守ることは、子どもを守ることにもつながる、まさにその通りだと私も思います。
また、お父さまが娘さんと直接過ごす中で少しずつ気づきを深め、協力体制が変化していった過程もとても重要なことだと感じました。発達特性への理解は、実際の関わりや経験を通してようやく実感を伴って深まっていくことも少なくありません。ご投稿者さんがお父さまに役割を切り分けたことは、家族内でのお子さまへの理解を促す上でも大切な一歩だったのだと思います。(監修:小児科医 室伏佑香先生)
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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