特別支援学級での過ごし方と学習サポート

「1日特別支援学級で過ごせる。教室に行かなくてもいい」というのも大きな利点でした。ほかの中学校の特別支援学級を見学した際には、「どんな状況でも1日1回は必ず教室に連れていく」という方針の学校もありました。娘にとってはそれが大きな負担になりそうだったため、無理に教室へ行かなくてもよいという点は、この学校を選ぶ決め手のひとつでした。

また、中学校では高校受験を見据えて支援の方向性を決める必要があります。大きく分けて「学習に力を入れるコース」と「学習負担を抑えるコース」があり、娘は後者を選びました。長時間文字を書くことが難しく、板書も困難なためです。学習に力を入れる生徒は学習室で、そうでない生徒は特別支援教室で過ごすなど、それぞれに合った形で支援が行われているようでした。

もちろん「学習負担を抑える」といっても、何もしないわけではありません。教室で提出できなかったプリントやドリルを一緒に見てくださったり、数独やパズルなどを用意してくださったりと、学びにつながる活動を取り入れてくださっています。

テストも別室で受けることができ、必要に応じて問題を読み上げてもらうこともできます。読み上げが必要な生徒と、そうではないけれど教室で受けることが難しい生徒とで部屋を分けるなど、細かな配慮もされていました。全て受ける必要もなく、受けられる教科だけ選ばせてもらうこともできます。正直なところ、中学校でここまで対応していただけるとは思っていなかったので、とても驚きました。
細かな配慮もされていました
細かな配慮もされていました
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小学校とは違う、中学校の支援の距離感

小学校と比べると、中学校の特別支援学級は先生との距離感や関わり方が大きく違うように感じました。小学校の先生方はとても親身で手厚く関わってくださいましたが、中学校ではもう少し「人と人」としての適切な距離を保ちながら接してくださっている印象があります。

支援というものは、いつか少しずつ手を離していくことも必要です。もちろん、そのペースは人それぞれ違うと思います。学校の先生方は、今の環境の中でできることをきちんとしてくださっていますし、もし小学校のように一歩も二歩も踏み込んだ支援を求めるのであれば、学校だけでなく外部の機関を利用すべきだなと感じました。この距離感を物足りなく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこれもまた一つの学びだと考えています。

娘とは別の中学校に進学した特別支援学級のお母さんたちから、驚くような話を聞くこともあります。そうした話を聞く限り、娘の通う中学校はとても丁寧に対応してくださっているのだと改めて感じます。持病の影響もあり、なかなか登校が難しい日もありますが、これからも学校や医療機関、そして外部の支援とも連携しながら、娘の中学校生活を支えていけたらと思っています。
執筆/花森はな

専門家コメント 藤井明子先生(小児科医)

コラムを拝読し、娘さんが安心して学校生活を送れるよう、先生方と丁寧に相談を重ねてこられた花森はなさんの姿がとても印象に残りました。特別支援学級に在籍するお子さんは一人ひとり必要な支援が異なるため、事前に個別に相談しながら環境を整えていくことはとても大切だと感じます。
また、口頭だけでは伝えきれないこともあるため、就学支援シートなどに希望や配慮してほしい点をメモにまとめて持参する方法も役立つことがあります。そうすることで、お子さんの前で苦手なことをすべて話さなくても済む場合もあるかもしれません。
学校によってできることや難しいことはあると思いますが、先生方と相談を重ねながら、娘さんが無理なく通え、穏やかに過ごせる時間が少しずつ増えていくことを願っています。(監修:小児科医 藤井明子先生)
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030966
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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