【当事者の声】忘れ物・パニックを防ぐ「動線収納」と「モード切り替え」。自宅を一番安心できる場所に整え、外出をスムーズにする工夫
ライター:くろまる
都内で猫と一緒に暮らしているくろまるです。幼少期から発達の凸凹があり、生きづらさを感じていて大学時代に双極性障害(双極症)を発症。ひきこもりと就労移行支援を経て就職し、現在はWebライターと支援員をしています。今回は自宅を安心できる場所にする方法を紹介します。外に出るとどうしてもイレギュラーなことがありますが、「家に帰れば安心できる」と思うと乗り越える力も出ると思います。そのために私がしている例をお届けします。
監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。
1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。
自宅を安心できる場所に
自宅が安心できると外で何かあっても落ち着くことができますし、また外に出ようという意欲も湧いてくると思います。私は「特性を気にせずに過ごせる場所や時間」が安心につながると考えていて、そのために自宅でできそうなことを実践しているので、その考え方や方法を紹介します。
必要な物を動線に沿って
自宅を安心できるようにといっても、完璧は難しいです。広さも間取りもありますからね。なのでポイントを押さえて実践しています。
そのポイントとは「必要な物」を「動線に沿って」収められるようにするというもの。
順番に説明しますね。まずは必要な物、それは「スマホ」「イヤホン」「財布(鍵)」「腕時計」「バッグ」です。毎回外に持ち出すとともに、なくしたら非常に困る物です。これらが見当たらないとパニックになるんですよね。
ちなみに私は聴覚過敏があるのでイヤホン(ノイズキャンセリング機能がついたもの)は安心感に直結する必須な物としています。また、財布の中に鍵を入れているので「財布(鍵)」表記です。
動線に沿ってというのは、家を出る時または帰ってきた時の動きに合わせて必要な物を収納する場所を決めておくというものです。次に一連の流れを紹介しますね。
そのポイントとは「必要な物」を「動線に沿って」収められるようにするというもの。
順番に説明しますね。まずは必要な物、それは「スマホ」「イヤホン」「財布(鍵)」「腕時計」「バッグ」です。毎回外に持ち出すとともに、なくしたら非常に困る物です。これらが見当たらないとパニックになるんですよね。
ちなみに私は聴覚過敏があるのでイヤホン(ノイズキャンセリング機能がついたもの)は安心感に直結する必須な物としています。また、財布の中に鍵を入れているので「財布(鍵)」表記です。
動線に沿ってというのは、家を出る時または帰ってきた時の動きに合わせて必要な物を収納する場所を決めておくというものです。次に一連の流れを紹介しますね。
実際の流れ
外出先から帰ってきた時の流れを例に紹介していきます。現在の間取りは1Kです。
まず、玄関を開けたらすぐ横の棚の上にあるボックスに財布(鍵)と腕時計を入れます。キッチンを抜けて寝室に入ると、洋服スタンドがあるのでそこにバッグをかけます(冬はコートも)。そしてナイトテーブルにある充電スタンドにスマホとイヤホンを置く、という流れです。家を出る時はその逆をすれば最低限必要な物は必ず持っていくことができます。
大切なのは無意識にできることと、あとで見失わないこと。流れ作業でできつつも、物が収まる場所が決まっているので、後々「ない!」とならないようになっています。
基本はこれだけです。不確定要素が増えるのが嫌なので、最悪ここを押さえておけばOKという設計にしています。
まず、玄関を開けたらすぐ横の棚の上にあるボックスに財布(鍵)と腕時計を入れます。キッチンを抜けて寝室に入ると、洋服スタンドがあるのでそこにバッグをかけます(冬はコートも)。そしてナイトテーブルにある充電スタンドにスマホとイヤホンを置く、という流れです。家を出る時はその逆をすれば最低限必要な物は必ず持っていくことができます。
大切なのは無意識にできることと、あとで見失わないこと。流れ作業でできつつも、物が収まる場所が決まっているので、後々「ない!」とならないようになっています。
基本はこれだけです。不確定要素が増えるのが嫌なので、最悪ここを押さえておけばOKという設計にしています。
収まる場所があると安心
いろいろと紆余曲折を経てこの形に収まりましたが、その過程で私は「収まる場所」があることが安心につながっていると気づきました。「箱があればそこに入れる」のが自然だと感じています。猫と同じ習性なのかもしれませんね。
ただ、それは物ごとに多少違っていて、ボックスに入れる場合もあれば、スマホなどの電子機器の場合は充電スタンドが収まりいいと感じます。なんていうか、その物があるべき場所にあるという感じが安心感を生んでいるみたいです。ここはイメージの領域なので、個人差がありそうだなと感じています。
ただ、それは物ごとに多少違っていて、ボックスに入れる場合もあれば、スマホなどの電子機器の場合は充電スタンドが収まりいいと感じます。なんていうか、その物があるべき場所にあるという感じが安心感を生んでいるみたいです。ここはイメージの領域なので、個人差がありそうだなと感じています。
工夫が必要な部分
日常的な外出と帰宅の流れを紹介しましたが、生活(一人暮らし)しているとそれだけではカバーできないこともあります。そういった場合の工夫も紹介していきます。
ゴミ出し
ゴミ出しは毎日ではないですし、「第⚪︎週の土曜日」みたいなイレギュラーもありますね。以前は玄関ドアや冷蔵庫にマグネットシートを貼って書いていましたが、抜け漏れが多くゴミ袋がたまってしまうことも多々ありました。
ですが、自治体から通知が届く機能を使ってからは安定してゴミ出しできるようになりました。大体の自治体であると思うのですが、登録しておけばLINEなどで「前日⚪︎時」などにお知らせしてくれるというもの。
ドアや冷蔵庫だと見ないこともありますが、スマホの画面だと必ず見るので通知が来たらゴミをまとめて玄関ドアの前(=家を出るための動線上)に置いておくようにしています。公式なので自分で設定するより抜け漏れの心配もなく、安心して活用できています。
ですが、自治体から通知が届く機能を使ってからは安定してゴミ出しできるようになりました。大体の自治体であると思うのですが、登録しておけばLINEなどで「前日⚪︎時」などにお知らせしてくれるというもの。
ドアや冷蔵庫だと見ないこともありますが、スマホの画面だと必ず見るので通知が来たらゴミをまとめて玄関ドアの前(=家を出るための動線上)に置いておくようにしています。公式なので自分で設定するより抜け漏れの心配もなく、安心して活用できています。
イレギュラーな外出への準備
毎日同じ物を持って出かけるわけではありませんよね。持ち物が変わるとルーティンが崩れるきっかけにもなるので、神経を使います。
そういった場合はTODOリストを活用しています。冷静な時に持っていくもののリストをつくっておき、前日夜に通知が来るように設定し、通知が来たら持ち物を準備します。
ポイントはバッグに入れてしまわないこと。私は前日にバッグに入れると、当日の朝に「ちゃんと入れたっけ?」と不安になって、一度全部出して確認しないと気がすまなくなります。
なので、前日に並べておき当日に入れるようにしています。その際は同じ系統のものを透明なバッグインバッグに入れておくと、当日の確認作業の時間を減らすことができます。視覚で捉えるというのが安心につながるようですね。
そういった場合はTODOリストを活用しています。冷静な時に持っていくもののリストをつくっておき、前日夜に通知が来るように設定し、通知が来たら持ち物を準備します。
ポイントはバッグに入れてしまわないこと。私は前日にバッグに入れると、当日の朝に「ちゃんと入れたっけ?」と不安になって、一度全部出して確認しないと気がすまなくなります。
なので、前日に並べておき当日に入れるようにしています。その際は同じ系統のものを透明なバッグインバッグに入れておくと、当日の確認作業の時間を減らすことができます。視覚で捉えるというのが安心につながるようですね。
同じ場所に複数の意味を持たせるルーティン
私は場所ごとに意味を持たせる傾向があるのですが、部屋が狭いと困ることもあります。例えばベッド。寝る場所なのはもちろんですが、現在の部屋の広さ的に椅子がわりに使ったり寝っ転がってゲームしたりすることもあります。そうするといざ夜寝たい時に睡眠モードに入らなくて困るんですよね。
そういった場合はルーティンを活用しています。特定の動作をすることで同じ場所に複数の意味を持たせるというもの。例えばベッドでいうと、寝る時は「アイマスクをかける」という動作をしています。アイマスクをかけると「あ、寝る時間なんだな」とモードを切り替えることができています。これだけですが、意外と効果があるんですよね。
また、ルーティンを効果的にするためにも、昼寝の時はアイマスクをしない、などのルールをつくった運用をしています。
ちなみにアイマスクは光をシャットダウンするという実用面もありますが、おそらく昔見たヒーローの変身アイテムがメガネだったことも「モードを切り替える」というイメージにつながっているんじゃないかと思っています。
そういった場合はルーティンを活用しています。特定の動作をすることで同じ場所に複数の意味を持たせるというもの。例えばベッドでいうと、寝る時は「アイマスクをかける」という動作をしています。アイマスクをかけると「あ、寝る時間なんだな」とモードを切り替えることができています。これだけですが、意外と効果があるんですよね。
また、ルーティンを効果的にするためにも、昼寝の時はアイマスクをしない、などのルールをつくった運用をしています。
ちなみにアイマスクは光をシャットダウンするという実用面もありますが、おそらく昔見たヒーローの変身アイテムがメガネだったことも「モードを切り替える」というイメージにつながっているんじゃないかと思っています。
特性を気にせず過ごせる場所や時間
外に出るとどうしても特性を気にしてしまいます。だからこそ、自宅では特性を気にせずに過ごせることが大事だなと感じています。私の場合は動線に沿って必要な物を無意識に収めることができる、というのが一つの安心の形です。
「安心できる場所に帰れる」と思うだけで、外での余裕も大きく変わってくると実感しているので、今回紹介したような対策をぜひ試してみてください!
執筆/くろまる
「安心できる場所に帰れる」と思うだけで、外での余裕も大きく変わってくると実感しているので、今回紹介したような対策をぜひ試してみてください!
執筆/くろまる
監修コメント 鈴木直光先生(小児科医)
自宅の中で必ず同じ場所にあるのがトイレとお風呂場です。自分で移動のしようがない場所であり、しかも個室のため、特性のある方には落ち着く場所になっています。また、模様替えなど環境の変化を嫌う方にとって、同じ動線が保たれていることも安心につながっているのでしょう。そういう意味から、自宅は自分の思い通りの場所になっているため安心して帰れるのだと思います。もしもそこに第三者が入ってきていつもの動線が乱れると、イライラしてしまうこともあるかもしれません。その時は、ご自分の特性を説明して理解してもらうことから始めましょう。(監修:小児科医 鈴木直光先生)
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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