夜尿症と発達障害の深い関係。宿泊行事前に多い駆け込み受診、子どもの「自尊心」の守り方は?【夜尿症セミナーレポ後編】

ライター:発達ナビ【編集部Eye】
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2026年3月23日に開催された「夜尿症メディアセミナー」(主催:フェリング・ファーマ株式会社)のレポート後編。今回は順天堂大学医学部附属浦安病院小児科の呉宗憲先生の講演をもとに、夜尿症と発達障害の関連や、家庭で実践できるポジティブな治療サポートについてお伝えします。

夜尿症と発達障害(神経発達症)の密接な関係

呉先生によると、発達障害(神経発達症)のある子どもは、排尿・排便のトラブルを抱える頻度が高いことが分かっています。例えば、ADHD(注意欠如多動症)の子どもの約20%に夜尿症がみられ、ASD(自閉スペクトラム症)の子どもに ASD(自閉スペクトラム症)の子どもには約16~75%の割合で、約16~37%の割合で昼間尿失禁が認められています。

その原因は単なる行動面の問題だけでなく、大脳皮質の前頭葉の未熟性といった中枢神経系の問題や、併存しやすい睡眠障害など、複合的な要因が絡み合っていると考えられています。発達特性がある子どもは、「寝る前に水分を控える」「決まった時間に薬を飲む」といった治療のベースとなる行動を習慣化することが難しく、夜尿症が治りにくい傾向があるといいます。

夜尿症治療の本当の目的は「自尊心・自信の保持」

治りにくいのであれば、そもそも治療する意味はないのでしょうか? 呉先生は「治りにくくても、治療する意味はある」と強調します。 夜尿症治療の本質的な目的は、単に「おねしょをなくす」という結果だけではありません。おねしょによる心理社会的な障壁を取り除き、治療に取り組む過程を通じて子どもの「自尊心が保持され、成長が後押しされること」こそが重要なのです。
「夜尿症が治ったかどうか」という結果ではなく、まずは「治療のための構造(行動)を確立すること」自体を目標に据えることで、治りにくいケースでも治療に取り組む大きな意義が生まれます。

「褒める」ポジティブサイクル

親子の具体的な関わり方として、呉先生は子どもの行動を「してほしい行動」「してほしくない行動」「危険・許しがたい行動」の3つに分けることを提案しています。

夜尿症の治療においては、「自分から薬を飲んだ」「寝る前の水分摂取を控えた」といった『してほしい行動』にのみフォーカスし、その瞬間に肯定的注目を与えて褒め(認め)ます。 一方で、おねしょの結果(濡れてしまったこと)については、叱るための材料にはしません。夜尿の結果の責任は「医者」が引き受け、治ったという結果は褒める対象ではなく「一緒に喜ぶ対象」であると捉えます。
結果ではなく行動に目を向けることで、親子を悪循環から救い、ポジティブな好循環を作り出すことができるのです。
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