軽度知的障害の息子、一人暮らしできる?叶えるための支援や無理なく目指せる体験【「親なきあと」相談室主宰に聞く】
ライター:渡部 伸
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行政書士として多くの方をサポートされている、「親なきあと」相談室の渡部伸先生による事例解説企画。ご家族のリアルな相談事例をもとに、わが子の将来を支えるための具体的なヒントやアドバイスをご紹介します。
今回のテーマは「一人暮らし」について。障害のある当事者を支える仕組みについて具体的に解説します。
執筆: 渡部伸
行政書士
親なきあと相談室主宰
社会保険労務士
慶應義塾大学法学部卒後、出版社勤務を経て、行政書士、社会保険労務士、2級ファイナンシャルプランニング技能士などの資格を取得。現在、渡部行政書士社労士事務所代表。自身も知的障害の子どもを持ち、知的障害の子どもをもつ親に向けて「親なきあと」相談室を主宰。著作、講演など幅広く活動中。
親なきあと相談室主宰
社会保険労務士
「親なきあと」相談事例|一人暮らしに向けて
「親なきあと」相談室の渡部伸と申します。当相談室で実際に受けた具体的な相談事例とアドバイスをもとに、コラムを書かせていただいています。
発達が気になる方の保護者や家族からの相談について、それぞれのケースではどのような制度が使えるか、親なきあとの生活をどう想定し、私がどのようなアドバイスをしたか、ご紹介していきたいと思います。
※なお、ここに紹介した事例は、いずれも実際にあった事例に基づいて、家族や環境などは個人が特定できないように変更を加えています。
発達が気になる方の保護者や家族からの相談について、それぞれのケースではどのような制度が使えるか、親なきあとの生活をどう想定し、私がどのようなアドバイスをしたか、ご紹介していきたいと思います。
※なお、ここに紹介した事例は、いずれも実際にあった事例に基づいて、家族や環境などは個人が特定できないように変更を加えています。
一人暮らしの障害のある人を支える仕組みは?
【相談内容】
〈本人〉私は障害者雇用で働いていて、今の仕事を始めて5年になります。両親と3人暮らしですが、同じ職場の同僚が最近一人暮らしを始めて、とても楽しそうにしているので、私もチャレンジしたくなりました。
〈両親〉本人の希望は尊重したいのですが、本当に一人暮らしができるのか不安です。親がいる間は困ったときに手伝いに行けますが、親がいなくなったあとは、誰か支えてくれる人がいるのでしようか。
- ●当事者:30代男性、軽度の知的障害(知的発達症)
- ●相談者:本人(両親が付き添い)
〈本人〉私は障害者雇用で働いていて、今の仕事を始めて5年になります。両親と3人暮らしですが、同じ職場の同僚が最近一人暮らしを始めて、とても楽しそうにしているので、私もチャレンジしたくなりました。
〈両親〉本人の希望は尊重したいのですが、本当に一人暮らしができるのか不安です。親がいる間は困ったときに手伝いに行けますが、親がいなくなったあとは、誰か支えてくれる人がいるのでしようか。
回答
【アドバイス】
障害があっても一人暮らしをしている方はたくさんいらっしゃいます。生活面での支援の仕組みとしては、以下のものがあります。
・居宅介護
日常生活を営む上で支障のある障害者等を対象に、安心して自宅で生活を送ることができるように提供される、生活の基本サービス。居宅において、ホームヘルパー※1により提供される、身体介護や家事援助と、通院等介助が主なサービスのメニュー。
※費用:原則1割負担(所得に応じた月額上限あり)。
・訪問看護
看護師などの専門家が自宅へ訪問し、医療的ケアや日常生活の支援を行うことで、本人の自立した生活を支える。病状の観察と健康管理、医師の指示に基づく医療処置、日常生活の支援、介護者である家族への支援、関係機関との連携を行う。
※費用:医療保険または介護保険を適用(1〜3割負担)。
・自立生活援助
一人暮らしなど地域での独立生活をはじめた障害者に対して、生活上の困りごとの相談を聞いて、自分で解決できるように援助するサービス。相談できる内容は、食事や洗濯や掃除といった家事全般のこと以外に、体調やお金の管理、近所との付き合い方なども含む。支援者は月2回以上の定期的な家庭訪問をしたり、トラブルが起きたときに必要に応じて助言をしたり、医療機関との連絡調整などを行う。
※費用:原則1割負担(所得に応じた月額上限あり)。
・日常生活自立支援事業
日常生活を営む上で必要な福祉サービスを、自分の判断で選択・利用することが困難な人を対象にした制度。契約に基づき、福祉サービスの利用に関する相談、助言や情報提供、金銭管理などの支援を行い、利用者が安心して自立した生活を送れるようにサポートすることが目的。基本サービスとしては福祉サービスの利用援助、オプションとして日常的な金銭管理サービス、年金証書や通帳などの書類等預かりサービスなど。
※費用:相談は無料。援助や金銭管理は利用料(1回1,000円〜2,000円程度)が必要。
- ●「居宅介護」「訪問看護」「自立生活援助」「日常生活自立支援事業」などの公的な支援サービスを組み合わせて、生活を支える体制をつくると安心
- ●いきなり一人暮らしするのではなく、「宿泊型自立訓練」「ウィークリーマンション」などを活用し、まずは「お試し体験」から始めるのがおすすめ
障害があっても一人暮らしをしている方はたくさんいらっしゃいます。生活面での支援の仕組みとしては、以下のものがあります。
・居宅介護
日常生活を営む上で支障のある障害者等を対象に、安心して自宅で生活を送ることができるように提供される、生活の基本サービス。居宅において、ホームヘルパー※1により提供される、身体介護や家事援助と、通院等介助が主なサービスのメニュー。
※費用:原則1割負担(所得に応じた月額上限あり)。
・訪問看護
看護師などの専門家が自宅へ訪問し、医療的ケアや日常生活の支援を行うことで、本人の自立した生活を支える。病状の観察と健康管理、医師の指示に基づく医療処置、日常生活の支援、介護者である家族への支援、関係機関との連携を行う。
※費用:医療保険または介護保険を適用(1〜3割負担)。
・自立生活援助
一人暮らしなど地域での独立生活をはじめた障害者に対して、生活上の困りごとの相談を聞いて、自分で解決できるように援助するサービス。相談できる内容は、食事や洗濯や掃除といった家事全般のこと以外に、体調やお金の管理、近所との付き合い方なども含む。支援者は月2回以上の定期的な家庭訪問をしたり、トラブルが起きたときに必要に応じて助言をしたり、医療機関との連絡調整などを行う。
※費用:原則1割負担(所得に応じた月額上限あり)。
・日常生活自立支援事業
日常生活を営む上で必要な福祉サービスを、自分の判断で選択・利用することが困難な人を対象にした制度。契約に基づき、福祉サービスの利用に関する相談、助言や情報提供、金銭管理などの支援を行い、利用者が安心して自立した生活を送れるようにサポートすることが目的。基本サービスとしては福祉サービスの利用援助、オプションとして日常的な金銭管理サービス、年金証書や通帳などの書類等預かりサービスなど。
※費用:相談は無料。援助や金銭管理は利用料(1回1,000円〜2,000円程度)が必要。
本人が一人暮らしを希望するのであれば、実現を応援したいですよね。ただ、いきなり始めてもうまくいかないことも考えられます。まず、福祉サービスである宿泊型自立訓練を利用して生活スキルを磨いたり、ウイークリーマンションで短期間生活してみる、自治体で「地域生活支援拠点等の整備」における「体験の機会・場」があれば利用する、などの体験から始めるのがおすすめです。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。