子どもたちの「趣味トーク」に対する思い
「趣味トーク」に参加している子どもたちは、活動をどう感じているでしょうか。過去に実施したインタビュー調査で、「趣味トーク」に参加したASD(自閉スペクトラム症)の診断のある10代の子どもたちに活動の感想を尋ねたところ、「安心して自分の好きなことについて熱く語れるのがよかった」「授業や学校で話をするのはストレスだけど、自分の好きなものについて話すのは好きだし、気持ちが楽」「聞いてくれる仲間がいるのがうれしい」といった声が聞かれました。また、「『発表タイム』と『質問タイム』と分かれているので(見通しが持てて)安心して参加できた」「持ってきたグッズを見せながら話すので、普段より話がしやすかった」といった感想もありました。さらに、「ほかの人が好きなものについて聞けるのは楽しい。もっと聞きたいし知りたいと思った」「自分にとって『趣味トーク』はオアシスのような存在」と語る参加者もいました。
こうした感想から分かるのは、趣味トークが単なる「発表の場」ではなく、安心してその子の「好き(=特別な興味)」が受け止められる場になっていることです。実際、参加者の中には「以前、学校で自分の好きなアニメの話をしたら同級生に馬鹿にされたことがあって嫌だった」「家では親にゲームの話をすると否定されるので話さないようにしている」「同級生との雑談では、相手の恋バナばかりを聞かされて、退屈な時がある」と語る子もいました。「趣味トーク」のように、学校や家庭以外で自分の「好きなもの・こと」を安心して話せる場があること自体が、コミュニケーションへの抵抗感を軽減するきっかけになっているように思います。
また、「趣味トーク」での経験が日常に活きていると考えられる感想もありました。たとえば、「学校などで友だちと話す時も、相手の興味や状況に合わせて話すように意識することが増えたように思う」「以前よりも友だちとの会話を確認しながら聞けるようになった」といった子どもたちの声をインタビュー調査の中でも聞いています。もちろん、これは会話の訓練成果と単純に言い切るべきものではありませんが、「好き」を安心して語れる経験が土台になって、他者との関わりへの感じ方や姿勢を変えている可能性はあると思います。
こうした感想から分かるのは、趣味トークが単なる「発表の場」ではなく、安心してその子の「好き(=特別な興味)」が受け止められる場になっていることです。実際、参加者の中には「以前、学校で自分の好きなアニメの話をしたら同級生に馬鹿にされたことがあって嫌だった」「家では親にゲームの話をすると否定されるので話さないようにしている」「同級生との雑談では、相手の恋バナばかりを聞かされて、退屈な時がある」と語る子もいました。「趣味トーク」のように、学校や家庭以外で自分の「好きなもの・こと」を安心して話せる場があること自体が、コミュニケーションへの抵抗感を軽減するきっかけになっているように思います。
また、「趣味トーク」での経験が日常に活きていると考えられる感想もありました。たとえば、「学校などで友だちと話す時も、相手の興味や状況に合わせて話すように意識することが増えたように思う」「以前よりも友だちとの会話を確認しながら聞けるようになった」といった子どもたちの声をインタビュー調査の中でも聞いています。もちろん、これは会話の訓練成果と単純に言い切るべきものではありませんが、「好き」を安心して語れる経験が土台になって、他者との関わりへの感じ方や姿勢を変えている可能性はあると思います。
大切なのは「上手に話す」練習よりも、「楽しく話せる」体験
一般にコミュニケーションというと、雑談や交渉を上手にこなす力がイメージされがちです。けれど、発達障害の子ども・若者にとって必要なのは、まず「正しい話し方」や「多数派社会で望ましい会話の型」を身につけることではなく、「コミュニケーションすること自体が楽しい」と感じられる体験の積み重ねではないか、と筆者は考えています。「趣味トーク」の目的も、参加してくれている子どもたちが、自分の「好き」を、「話したいこと」を、「伝えたいこと」を、安心して楽しく話せる場を保障することにあります。上手に話すことよりも、楽しく話すことを大切にする。その体験が、コミュニケーションだけでなく、その子らしい表現力や創造力を育み、発達の土台になっていくのではないでしょうか。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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