【ASD勉強法】「静かなほうが集中できる」は本当?音楽を流し、ゲーム実況…"ながら勉強"が息子に合っていたワケ

ライター:寺島ヒロ
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私は長いこと、「ASD(自閉スペクトラム症)の場合、集中を邪魔するものを減らしたほうがいい」と思っていました。だから、勉強するときは音を消し、机の上も片づけ、静かな環境をつくったほうがいいのだと考えていたのです。ところがわが家のASD(自閉スペクトラム症)の息子は、昔から何かを見たり聞いたり“しながら”勉強したがる子だったのでした。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

「静かな環境が良い」と聞いていたのに

私が学生だった頃、「自閉症(現在のASD/自閉スペクトラム症)の子どもは情報の取捨選択が苦手なので、なるべく刺激の少ない環境が良い」と、本や心理学の講義などでよく聞いていました。そのため私は、「ASD(自閉スペクトラム症)の子どもが勉強するには、静かな環境が必要なのだ」と、長いこと信じていました。
ところが、ASD傾向の強いわが家の息子・タケルは、いわゆる“ながら勉強”をしたがる子だったのです。
小学生の頃からライブ配信や実況動画が好きで、中学生になると動画配信サイトのヘビーユーザーに。大学受験期には、4曲も5曲も重ねたようなマッシュアップメドレー動画を流しながら勉強していました。
私としては、「そんな状態で覚えられるの?そもそも聞き分けられるの?」と不思議でなりませんでした。

「音がないと頭に入らない」と言う息子

小学生の頃は、成績もいまひとつだったので、
 
「そんなにいろいろ聞いていて、頭に入るの?」
「音がうるさくて集中できないんじゃない?」
「一回消してやってみたら?」
 
と、私は何度も言いました。
ですが息子は、あまり悪びれる様子もなく、
「音がないと逆に頭に入らない」
「集中したら、どうせ聞こえなくなるから大丈夫」
 
と言うのです。
「どうせ集中したら聞こえなくなるから」「だったら最初から、流さなくていいのでは?」
「どうせ集中したら聞こえなくなるから」「だったら最初から、流さなくていいのでは?」
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全部同時でも平気らしい

ある時など、数学の問題を解きながら、スマホで音楽を聴き、横に置いたタブレットではゲーム実況を流し、そのうえときどき実況にコメントまで投稿していました。
「なんかすごく忙しそうなんだけど、ちゃんと問題を考えてるの?」
と聞いてみたところ息子は、
 
「いや、全然いけるけど」
「なんなら2倍速で聴いてる」
「音があるほうが“入りやすい”んだよ」
 
と平然と言うのでした。
“入りやすい”
その話を聞いて、私にもちょっと思い当たることがありました。
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