IQ78、中学校生活で行き詰まったグレーゾーン息子。転勤を機に決めた大都会への引っ越しは、わが子の選択肢を広げるチャンスに!?【実体験】

ライター:よいこ
IQ78、中学校生活で行き詰まったグレーゾーン息子。転勤を機に決めた大都会への引っ越しは、わが子の選択肢を広げるチャンスに!?【実体験】のタイトル画像
Upload By よいこ

IQ78という境界知能(グレーゾーン)であることが分かった長男・あー(ASD/自閉スペクトラム症)。小さい頃は『やればできるはず』と思われていたあの子も、学年が上がるにつれて周りと同じように進む勉強にしんどさを感じるようになっていきました。『普通の勉強を普通にこなさなければならないしんどさ』に行き詰まりを感じる日々に、大転機が……!
それは思いがけない、父親の転勤でした。

監修者井上雅彦のアイコン
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

10年ぶりの辞令!わが家は「転勤族」だった

行き詰まりを感じる日々でしたが、思いがけなく夫に転勤の話が出てきました。

夫の会社は転勤があり、私は赤ちゃんだった長男(あー)を抱えてこれまでに2度、県を跨いだ引っ越しを経験していました。しかしここ10年以上を同じ土地でのんびり暮らしていたため、転勤族だったことをすっかり忘れていました……。

単身赴任か、それとも帯同か。地元愛の強い子どもたちと「環境の変化」

10年前の転勤のときは、何も考えずに幼子を片手に移動できた(超大変ではあった)けど、今は2人分の転校手続きと、遠距離引っ越しが必要になります。そして夫は……悲しいことに仕事で頭がいっぱいです。

そもそもですが、まず今回の転勤に帯同するのか……?という問題があります。現在わが家の子どもは中学生の長男と、小学生の次男の2人です。長男(あー)は幼稚園から小学校、中学校と大事な幼少期をこの地で過ごし、次男(いー)はこの土地で生まれ育ちました。2人とも発達に特性がありますが、地域の理解ある優しくあたたかいお友達に恵まれ、海に山にとあちこちに遊びに行っては思い出を育み、ゆえに地元愛がとっても強いです。今の自宅は賃貸で、夫婦共にルーツがない場所ではあるけれど、夫に単身赴任してもらって母子だけでこの地に残る理由は十分にあります。
地域の理解ある優しくあたたかいお友だちに恵まれ、あちこちに遊びに行っては思い出を育みました
地域の理解ある優しくあたたかいお友だちに恵まれ、あちこちに遊びに行っては思い出を育みました
Upload By よいこ
しかし……夫の次なる勤務地は大都会東京。そして住まいの候補は、近郊のB県です。

実は、それまで通っていたA県の学校(自閉症・情緒障害特別支援学級)と、これから向かうB県の環境とでは、支援の体制やシステムに大きな違いがありました。以前の地域では、自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍するとテストが別物になり、内申点がつかない形式だったため、その後の進路の選択肢を広げることがなかなか難しいという現実が……。家族が移り住む予定の東京近郊のB県なら、特別支援学級の体制だけでなく、通信制高校のサポート校や、卒業後の職業移行訓練ができる場所など、選択肢が格段に多いエリアです。これは思い切って、今のあーの環境を変えるチャンスなのではないか。

長男(あー)自身は、まだ自分が高校生になったり大人になったりする将来のビジョンをうまく想像できません。でも、大都会(近郊B県)に移り住んだら、あーのような特性が強く、生きづらさを抱える子どもにも将来的な選択肢が増えるのでは……?それならば、親である私が今、選択肢をたくさん用意できる環境へ引っ越す意味はあるはず……!
東京近郊なら特性が強く、生きづらさを抱える子どもにも将来的な選択肢が増えるのでは……?
東京近郊なら特性が強く、生きづらさを抱える子どもにも将来的な選択肢が増えるのでは……?
Upload By よいこ

実は「詰んでた」中学校生活。環境をガラッと変えるチャンスをつかむとき

実は、中学校生活は勉強以外でもしんどい日々でした
実は、中学校生活は勉強以外でもしんどい日々でした
Upload By よいこ
と、いうのも。
ここに詳しくは書いていなかったのですが、実は、長男あーの中学校生活は勉強以外でもしんどい日々でした。クラスに苦手な子がいて……詳細は割愛するのですが、大きな音や声が苦手な平和を愛するあーはその子がいるだけで疲弊してしまっていて、学校に行くのがつらくなってしまっていたのです。

学校に行きたがらないあーに対して、私も時に強く怒ったり、なだめてみたり、あきらめたり……。親子ともども疲れていましたよね。今思い返せば、当時は完全に「鬼母モード」だったと思います……。ざっとこのような理由で、長男あーの中学校生活は詰んでいたんです。それを考えても、大博打を承知で、ガラッと環境を変えるのは“アリ”かもしれない。最初は大変かもしれないけど、結果的にはあーのためになる……と思いたい!

というわけで引っ越すことを決めました!!一筋縄では行かない、大クセ一家の一世一代の大博打、吉と出るか凶と出るか……!?

執筆/よいこ

専門家コメント 井上雅彦先生(公認心理師)

引っ越しや進学などで生活の場が大きく変わることは、発達障害の診断のあるお子さんだけでなく、きょうだいや家族にとっても、大きな不安やストレスにつながりやすいものだと思います。生活の拠点となる自治体によって特別支援学級の仕組みや放課後等デイサービスの選択肢の数、高校などの進学先の幅が大きく変わってきます。

よいこさんが書かれているように、 今の生活がうまくいっている場合も、そうでない場合も、 それぞれのメリット・デメリットを書き出して整理してみること、加えて中学生くらいのお子さんであれば本人の意見も尋ねてみることが大切になってくると思います。
すべてにおいてベストな選択を目指すのではなく、その時々の状況に合わせてベターを選んでいく、という感覚でいると、気持ちの面でも少し楽になるのではないでしょうか。(監修:公認心理師 井上雅彦先生)
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35031041
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
児童支援最大化バナー

追加する

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。