【新連載】ひらがなが読めない長男と小3でつまずいた次男。LD・SLDの息子たちが社会人になるまでのわが家の歩み
ライター:ぴーたん
Upload By ぴーたん
LD・SLD(限局性学習症)のある息子2人を育てているぴーたんと申します。年長でひらがなが読めなかった長男、小3で発覚した次男の読み書き障害。2人が社会人になったいま、あの頃のリアルをお届けします。
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
長男と次男に読み書きの苦手さがある5人家族のわが家
はじめまして。ぴーたんです。このコラムを読んでくださってありがとうございます。
わが家は5人家族。夫と、3人の子どもたちで暮らしています。子どもたちはだいぶ大きく、長男の太郎(社会人4年目)、次男の次郎(社会人2年目)、末っ子の長女・花子(高校1年)です。
上の2人、太郎と次郎には「LD・SLD(限局性学習症)」があります。読んだり書いたりすることに、特別な難しさを抱えている子どもたちです。「どうしてうちの子だけ読めないんだろう」「このまま学校についていけなくなったら」「将来、社会に出られるのかな」——そんな不安を抱えながら過ごした日が、本当にたくさんありました。
でも今、太郎も次郎も社会人として元気に働いています。当時あれだけ不安だったのに、ちゃんと道は開けるものだなあと、しみじみ感じています。そういうリアルな話を、同じように悩む保護者の方と分かち合いたくてSNSなどで発信してきました。このたびご縁をいただいて、LITALICO発達ナビで連載させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします!
わが家は5人家族。夫と、3人の子どもたちで暮らしています。子どもたちはだいぶ大きく、長男の太郎(社会人4年目)、次男の次郎(社会人2年目)、末っ子の長女・花子(高校1年)です。
上の2人、太郎と次郎には「LD・SLD(限局性学習症)」があります。読んだり書いたりすることに、特別な難しさを抱えている子どもたちです。「どうしてうちの子だけ読めないんだろう」「このまま学校についていけなくなったら」「将来、社会に出られるのかな」——そんな不安を抱えながら過ごした日が、本当にたくさんありました。
でも今、太郎も次郎も社会人として元気に働いています。当時あれだけ不安だったのに、ちゃんと道は開けるものだなあと、しみじみ感じています。そういうリアルな話を、同じように悩む保護者の方と分かち合いたくてSNSなどで発信してきました。このたびご縁をいただいて、LITALICO発達ナビで連載させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします!
年長になってもひらがなが読めなかった長男。発達検査で見えてきた、太郎なりの「苦手さの背景」
太郎が字が読めていないと分かったのは、保育園の年長の頃です。
年長になっても、ひらがなが1文字も読めませんでした。「そのうち読めるようになるでしょ」と思っていたけど、ならない。
「丁寧に教えれば覚えるはず」と取り組んでみたけれど、覚えない。小さい頃から絵本を定期購入し、読み聞かせもしてきたのに……。
当時盛んだったインターネットの育児コミュニティで相談してみたら「覚えないのは保護者の怠慢」と言われてしまい、市販のひらがなカードを使ったり、家のあちこちにひらがなを貼ったりと、思いつくことをすべて試しました。それでも一向に読めるようにはなりませんでした。
保育園に相談し、療育センターで発達検査を受けてみたところ、「情報を一時的に記憶して処理する力(ワーキングメモリ)」などの指標に偏りや苦手さがあることが分かりました。当時、センターの方からは、「こうした脳内の情報の処理や記憶の苦手さが複雑に絡み合って、文字を音や形と結びつけて覚える難しさに繋がっているのかもしれません」というお話を伺いました。検査を受けて初めて、「本人の努力不足ではなく、生まれ持った特性の特性による生きづらさだったんだ」と腑に落ちました。
それまでの「なぜ覚えられないんだろう」という焦りが、ようやく「そういう理由があったんだ」という理解に変わった瞬間でした。
私はかなりパニックになりましたが、夫は「大丈夫だよ、この子には別のいいところがあるから」と長い目で見ていくよう受け止めてくれました。
その後、通級指導教室や特別支援学級でサポートを受けながら小中学校を過ごした太郎は、工業高校に進学して電気工事士の資格を取得。卒業後は就職し、いまは社会人4年目として毎日働いています。
あの頃「ひらがなが読めない」と悩んでいたのが嘘のようです。
年長になっても、ひらがなが1文字も読めませんでした。「そのうち読めるようになるでしょ」と思っていたけど、ならない。
「丁寧に教えれば覚えるはず」と取り組んでみたけれど、覚えない。小さい頃から絵本を定期購入し、読み聞かせもしてきたのに……。
当時盛んだったインターネットの育児コミュニティで相談してみたら「覚えないのは保護者の怠慢」と言われてしまい、市販のひらがなカードを使ったり、家のあちこちにひらがなを貼ったりと、思いつくことをすべて試しました。それでも一向に読めるようにはなりませんでした。
保育園に相談し、療育センターで発達検査を受けてみたところ、「情報を一時的に記憶して処理する力(ワーキングメモリ)」などの指標に偏りや苦手さがあることが分かりました。当時、センターの方からは、「こうした脳内の情報の処理や記憶の苦手さが複雑に絡み合って、文字を音や形と結びつけて覚える難しさに繋がっているのかもしれません」というお話を伺いました。検査を受けて初めて、「本人の努力不足ではなく、生まれ持った特性の特性による生きづらさだったんだ」と腑に落ちました。
それまでの「なぜ覚えられないんだろう」という焦りが、ようやく「そういう理由があったんだ」という理解に変わった瞬間でした。
私はかなりパニックになりましたが、夫は「大丈夫だよ、この子には別のいいところがあるから」と長い目で見ていくよう受け止めてくれました。
その後、通級指導教室や特別支援学級でサポートを受けながら小中学校を過ごした太郎は、工業高校に進学して電気工事士の資格を取得。卒業後は就職し、いまは社会人4年目として毎日働いています。
あの頃「ひらがなが読めない」と悩んでいたのが嘘のようです。
「次男は大丈夫」と思っていたら……小3で発覚した発達性読み書き障害(ディスレクシア)
次男の次郎は、3歳の頃にはひらがなが読めていました。太郎のことで精一杯だった私は、「次郎は大丈夫そうだ」と内心ほっとしていました。
ところが小学校3年生になった頃から、授業についていけなくなってきました。黒板の字を書き写すのが遅い。文章を読むのに時間がかかる。「また……?」という気持ちと、「もっと早く気づいてあげればよかった」という後悔が入り混じりました。
改めて知能検査を受けると、全体的な知的発達に遅れはないものの、「見たものを素早く処理して書き写す力(処理速度)」に苦手さがあることが分かりました。ノートを取るなどの作業で、授業でどうしてもワンテンポ遅れてしまうのです。
その後、知能検査の指標だけでなく、文字の読み書きに関する追加の詳しい専門検査(アセスメント)を重ねた結果、中学2年生のときに「発達性読み書き障害(ディスレクシア)」と正式に診断を受けました。
その後、問題文へのルビ振り・テスト時間の延長・パソコンでの解答入力といった合理的配慮を受けながら学習を続け、工業高校を卒業。いまは社会人2年目として毎日働いています。
太郎と次郎、タイプは違うものの、2人とも「自分に合った方法」を見つけることで、道が開けていきました。
ところが小学校3年生になった頃から、授業についていけなくなってきました。黒板の字を書き写すのが遅い。文章を読むのに時間がかかる。「また……?」という気持ちと、「もっと早く気づいてあげればよかった」という後悔が入り混じりました。
改めて知能検査を受けると、全体的な知的発達に遅れはないものの、「見たものを素早く処理して書き写す力(処理速度)」に苦手さがあることが分かりました。ノートを取るなどの作業で、授業でどうしてもワンテンポ遅れてしまうのです。
その後、知能検査の指標だけでなく、文字の読み書きに関する追加の詳しい専門検査(アセスメント)を重ねた結果、中学2年生のときに「発達性読み書き障害(ディスレクシア)」と正式に診断を受けました。
その後、問題文へのルビ振り・テスト時間の延長・パソコンでの解答入力といった合理的配慮を受けながら学習を続け、工業高校を卒業。いまは社会人2年目として毎日働いています。
太郎と次郎、タイプは違うものの、2人とも「自分に合った方法」を見つけることで、道が開けていきました。
発達支援施設を探してみませんか?
お近くの施設を発達ナビで探すことができます