単位はお好みで……?

またある時には、先生の人数を数えながら「先生が3枚いた!」と教えてくれたことがありました。当時のハジュは、なぜか何でも「枚」で数えていました。

私はそのたびに「先生は3人って数えるんだよ」と訂正していたのですが、本人は特に気にする様子もありません。

最近になって当時のことを聞いてみたところ、「だって、人にも単位があるのは知ってたけど、枚でも個でも人でも好きなのを使っていいと思ってた」とのこと。なるほど、ルールを間違えていたのではなく、単位は自由に選ぶものだと思っていたらしいです。
先生が「3枚」!?
先生が「3枚」!?
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年齢には数字がある。

人には呼び方がある。

単位は好きなのを選べる。(と思っていた)

そんなふうに、見つけたルールを一つひとつ繋ぎ合わせながら、ハジュは世界の仕組みを組み立てていたのかもしれません。当時はそのたびに訂正したり説明したりしていましたが、どれも間違いというより、研究途中の仮説だったのかもしれません。

そう考えると、あの頃の数々の珍回答も、ハジュなりに世界を理解しようとしていた記録なのかもしれないなぁ、と思うのです。
執筆/スパ山

専門家コメント 初川久美子先生(臨床心理士・公認心理師)

長男ハジュくんの幼少期の言葉の使い方や数字や単位に関するエピソードをありがとうございます。幼い頃の子どもたちは、自分なりに推理・想像しながら、言葉や数字、数え方などを身につけようとしますね。特性もあって、数字が好きだったのかなと想像しますが、「歳」よりも、順番としての「番」のほうがハジュくんとしては好きだった(しっくりきた)のかなと思いました。お子さんなりの世界の理解、面白いですね。多くの場合、生活していく中で、だんだん「こういうときは、こう言うものだ」と察しがついたり、大人に修正されたりする中で、標準的な語用になっていきます。6年生になったハジュくんは当時のことを振り返って、説明してくれる(説明できるほどに成長した)のも素敵です。
お子さんの独特な言葉の使い方はある意味期間限定だからこそ、お子さんが世界をどう理解し、自分の好きなもの(例えば数字など)と世界(家族や周囲の人の年齢など)とを結びつけながら、「新しい発見」に満ちた日々を過ごしているのかを知るきっかけになりますね。幼いお子さんを今まさに育てていらっしゃる方々は、ぜひ注目していただければと思います。(監修:臨床心理士・公認心理師 初川久美子先生)
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https://h-navi.jp/column/article/35031071
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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