不登校・ASDの息子を支えたネットの世界。親はどう見守る?傷つきながらも自分の距離感を見つけるまで
ライター:花森はな
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わが家には、現在通信制高校3年生の息子がいます。息子はASD(自閉スペクトラム症)と強度行動障害があり、小学校3年生の3学期から行き渋りが始まり、小学校6年生には完全に不登校になりました。不登校になり、孤独の中にいた息子を支えてくれたのは、インターネットで出会った仲間たちでした。今回は、そんな息子のインターネットとの付き合い方や、人間関係とのバランスについてお話ししたいと思います。
監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。
多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。
インターネットは、大人の目が届かないもう一つの学校
息子に初めてノートパソコンを与えたのは、小学校4年生の頃でした。当時、息子は『マインクラフト』というゲームに夢中で、ゲーム機版ではできないプログラミングができることや、キーボードやマウスで操作すると遊びやすくなることから、以前からパソコンを欲しがっていました。そんな時、知人から古いノートパソコンを譲っていただいたのです。
この頃はインターネット(以降、ネット)で交流するという発想はまったくなく、まだ何とか学校にも通えていたため、ほかの人とネットを通じてコミュニケーションを取る必要もありませんでした。そんな状況が大きく変わるきっかけとなったのが、コロナ禍でした。
コロナ禍が始まった頃、息子は小学6年生でした。数年使っていたノートパソコンは動作が重くなり、思うように使えなくなっていました。家から出られない日々を過ごす中、思うようにゲームもできず、息子は毎日かなりイライラしていました。そこで初めて、中古のデスクトップパソコンを購入することにしたのです。
当時は、外出を控える生活が続いたこともあり、周囲の子どもたちの間では対戦型のオンラインゲームが盛んになっていました。息子は以前からゲームが得意なクラスメイトと一緒に遊んでいましたが、そこへ、それまで外遊びを中心にしていた子たちも加わるようになり、ゲーム内の雰囲気は一変しました。
※MinecraftはMicrosoft社の商標です。また、Minecraft の公式の [製品/サービス/イベントなど] ではありません。Mojang または Microsoft から承認を受けておらず、それとの関連性もありません。
この頃はインターネット(以降、ネット)で交流するという発想はまったくなく、まだ何とか学校にも通えていたため、ほかの人とネットを通じてコミュニケーションを取る必要もありませんでした。そんな状況が大きく変わるきっかけとなったのが、コロナ禍でした。
コロナ禍が始まった頃、息子は小学6年生でした。数年使っていたノートパソコンは動作が重くなり、思うように使えなくなっていました。家から出られない日々を過ごす中、思うようにゲームもできず、息子は毎日かなりイライラしていました。そこで初めて、中古のデスクトップパソコンを購入することにしたのです。
当時は、外出を控える生活が続いたこともあり、周囲の子どもたちの間では対戦型のオンラインゲームが盛んになっていました。息子は以前からゲームが得意なクラスメイトと一緒に遊んでいましたが、そこへ、それまで外遊びを中心にしていた子たちも加わるようになり、ゲーム内の雰囲気は一変しました。
※MinecraftはMicrosoft社の商標です。また、Minecraft の公式の [製品/サービス/イベントなど] ではありません。Mojang または Microsoft から承認を受けておらず、それとの関連性もありません。
毎日のように暴言や罵詈雑言が飛び交い、息子はパニックになってゲームを退出することが多くなりました。しかし、ゲームを抜けても、今度はクラスのSNSで攻撃的な言葉を書き込まれたり、直接メッセージを送ってくる人もいたり、そのあとのゲーム内チャットで言っていた悪口をわざわざ教えてくる子もいたり……。そこは先生や大人の目が届かない、もう一つの学校のような場所だったのです。
最初は反対だったけど…息子のネット交流を認めた理由
学校は分散登校から少しずつ再開し、やがて通常登校へ戻りました。しかし息子は、支援環境や学校生活の大きな変化についていくことができませんでした。さらに、特性からマスクを着けることが難しかったこともあり、次第に外へ出ること自体ができなくなっていきました。
ゲームの環境も、時間が経つにつれて少しずつ落ち着きを取り戻していきましたが、それでも学校の友だちと以前のように楽しく遊ぶ気持ちにはなれませんでした。そんなとき、一番仲の良い学校の友だちが、自分のネットゲーム友だちを紹介してくれたのです。
もちろん、最初は警戒していましたし、ネットでの交流には正直反対でした。しかし、息子の孤独感は日に日に強くなり、自宅でパニックを起こして暴れることも増え、警察を呼ばれたこともありました。
実は私自身も、精神的につらかった時期にネットの友だちに助けられたことがあります。その経験は今も私の人生の支えですし、今こうして漫画や文章を書いたりする仕事にもつながっています。だからこそ、息子にとっても良い出会いや経験につながるのかもしれないなと思ったのです。
「困ったことがあったら必ず報告すること」「世間話でも何でも、その人の人となりが分かるようなことも教えてね」「やばいことはしない」と何度も約束を確認し、少しずつネットでの交流が始まりました。
ゲームの環境も、時間が経つにつれて少しずつ落ち着きを取り戻していきましたが、それでも学校の友だちと以前のように楽しく遊ぶ気持ちにはなれませんでした。そんなとき、一番仲の良い学校の友だちが、自分のネットゲーム友だちを紹介してくれたのです。
もちろん、最初は警戒していましたし、ネットでの交流には正直反対でした。しかし、息子の孤独感は日に日に強くなり、自宅でパニックを起こして暴れることも増え、警察を呼ばれたこともありました。
実は私自身も、精神的につらかった時期にネットの友だちに助けられたことがあります。その経験は今も私の人生の支えですし、今こうして漫画や文章を書いたりする仕事にもつながっています。だからこそ、息子にとっても良い出会いや経験につながるのかもしれないなと思ったのです。
「困ったことがあったら必ず報告すること」「世間話でも何でも、その人の人となりが分かるようなことも教えてね」「やばいことはしない」と何度も約束を確認し、少しずつネットでの交流が始まりました。
どうしても手放したくなかった、ようやく見つけた居場所
友だちの友だちから始まったネットの友だちとも、その友だち、さらにその友だちと輪が広がっていき、最初は和気あいあいと過ごしていました。しかし、時間が経つにつれ、その関係性は少しずつ変わっていきました。
時間帯を問わず遊びに誘われることも増え、最初は楽しく応じていたものの、次第に負担を感じるようになっていきました。息子の特性上「断れない」し、断り方が「分からない」のです。そして、ようやく見つけた自分の居場所を失いたくないという思いから、その感情を持て余した息子は、パニックを起こして暴れることも増えていきました。
また、真面目で正義感が強い一面があって、ゲームの中でチートなどの不正行為をする友だちにどんどん違和感を覚えるようになりました。そして、自分たちは不正なプレーをしている一方で、息子の回線状況が悪くゲーム内で動きが遅れたことを指摘してきたり、ゲームの腕前を責めてきたりする理不尽さにうまく納得できず、混乱していきました。
生活の中心が少しずつネットの友だちになっていく様子を見て、「このままではよくない」と感じるようになりました。そこで、息子がなんとなくしんどそうな表情をしている時は、「どうしたん?今日は何があったん?」と一緒に振り返り、その原因を整理しながら、ネットの友だちとの関係についても少しずつ話し合うようになりました。
そのうちに問題が大きくなっていき、とうとう「Aくんに嫌われた!ほかの友だちもみんなAくんつながりやから、僕にはもう居場所がない!死ぬしかない!」とまで言われた時には正直どう向き合えばいいのか分かりませんでしたが、大人の私から見ている限り、そのAくんは息子が調子を崩す様子を見て面白がっているように感じました。
息子がパニックを起こした時、マイクがオンになっていて、それを「またかよ」とバカにする声が聞こえたのです。
時間帯を問わず遊びに誘われることも増え、最初は楽しく応じていたものの、次第に負担を感じるようになっていきました。息子の特性上「断れない」し、断り方が「分からない」のです。そして、ようやく見つけた自分の居場所を失いたくないという思いから、その感情を持て余した息子は、パニックを起こして暴れることも増えていきました。
また、真面目で正義感が強い一面があって、ゲームの中でチートなどの不正行為をする友だちにどんどん違和感を覚えるようになりました。そして、自分たちは不正なプレーをしている一方で、息子の回線状況が悪くゲーム内で動きが遅れたことを指摘してきたり、ゲームの腕前を責めてきたりする理不尽さにうまく納得できず、混乱していきました。
生活の中心が少しずつネットの友だちになっていく様子を見て、「このままではよくない」と感じるようになりました。そこで、息子がなんとなくしんどそうな表情をしている時は、「どうしたん?今日は何があったん?」と一緒に振り返り、その原因を整理しながら、ネットの友だちとの関係についても少しずつ話し合うようになりました。
そのうちに問題が大きくなっていき、とうとう「Aくんに嫌われた!ほかの友だちもみんなAくんつながりやから、僕にはもう居場所がない!死ぬしかない!」とまで言われた時には正直どう向き合えばいいのか分かりませんでしたが、大人の私から見ている限り、そのAくんは息子が調子を崩す様子を見て面白がっているように感じました。
息子がパニックを起こした時、マイクがオンになっていて、それを「またかよ」とバカにする声が聞こえたのです。
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