逃げるは恥だが役に立つ!自分の楽しい場所は自分で探せる!
そこで私が息子に伝えたのは、「しんどい時は逃げていい」ということでした。実際、学校にはしんどくてずっと行けていませんでしたし、自分の心の健康を守るためなら、逃げることは決して悪いことではないと思っていたからです。
そして
ということも一緒に伝えました。
息子の孤独に寄り添ってくれた初めての外の友だちでしたが、「それはそれ」。今の息子にとって害になる関係なら、離れるしかないし、そしてそれは悪いことでも罪ではないのです。
さらに私は、自分自身がネット上で経験してきた話も積極的に話すようにしました。良くも悪くもネット歴が長かったことが幸いし、失敗談は山ほどありました。
「こんな悪口言われちゃったよ!話」「プチネットストーカーされた話」「すべての話がウソで完全に騙されていた話」「昨日まで仲良くしていた人に突然冷たくされたこと」……。そしてその度にどう対処し、どう忘れ、どう割り切ってきたのかも、少し笑い話も交えながら具体的に伝えました。
大人でもこれだけ間違えるんです。子どもだって当然間違えます。だからこそ、このインターネット社会で何も教えないままでは、また同じようなトラブルに巻き込まれ、深く傷ついてしまうかもしれません。
最初にお話したゲーム内で荒れた子どもたちは、プレイ中の正しい振る舞いや人との関わり方を知らなかったから荒れました。一方、最初からルールやマナー、個人情報の守り方を教わっていた息子とそのゲーム友だちは、そこまで大きなトラブルになることはありませんでした。だからこそ、裏も表もしっかりと「知る」ということがターニングポイントになるんじゃないかなと考えました。
少し時間はかかりましたが、「常に誘いに乗らない」「ゲーム内での過度な要求にできるだけ応えないようにする」など小さな抵抗を続けているうちに、息子といるメリットがなくなったのかAくんは離れていきました。その周りの友だちとも自然と距離ができ、息子も少しずつ気持ちを整理しながら、新しい居場所を探していったのです。
そして
- 人間関係には賞味期限がある
- 居場所は一つだけではないこと
- ネットの人間関係は切ってしまえばそこまでで終わるのがほとんど。だから安心していい
ということも一緒に伝えました。
息子の孤独に寄り添ってくれた初めての外の友だちでしたが、「それはそれ」。今の息子にとって害になる関係なら、離れるしかないし、そしてそれは悪いことでも罪ではないのです。
さらに私は、自分自身がネット上で経験してきた話も積極的に話すようにしました。良くも悪くもネット歴が長かったことが幸いし、失敗談は山ほどありました。
「こんな悪口言われちゃったよ!話」「プチネットストーカーされた話」「すべての話がウソで完全に騙されていた話」「昨日まで仲良くしていた人に突然冷たくされたこと」……。そしてその度にどう対処し、どう忘れ、どう割り切ってきたのかも、少し笑い話も交えながら具体的に伝えました。
大人でもこれだけ間違えるんです。子どもだって当然間違えます。だからこそ、このインターネット社会で何も教えないままでは、また同じようなトラブルに巻き込まれ、深く傷ついてしまうかもしれません。
最初にお話したゲーム内で荒れた子どもたちは、プレイ中の正しい振る舞いや人との関わり方を知らなかったから荒れました。一方、最初からルールやマナー、個人情報の守り方を教わっていた息子とそのゲーム友だちは、そこまで大きなトラブルになることはありませんでした。だからこそ、裏も表もしっかりと「知る」ということがターニングポイントになるんじゃないかなと考えました。
少し時間はかかりましたが、「常に誘いに乗らない」「ゲーム内での過度な要求にできるだけ応えないようにする」など小さな抵抗を続けているうちに、息子といるメリットがなくなったのかAくんは離れていきました。その周りの友だちとも自然と距離ができ、息子も少しずつ気持ちを整理しながら、新しい居場所を探していったのです。
居場所は一つじゃない!家族で考えるネットとの付き合い方
小学校後半から中学校にかけて、ネットでの人間関係にいろいろ悩まされた息子ですが、ここ最近は同じようにネットでさまざまな経験をしてきた気の合う仲間がいる、いくつかのグループに所属しています。オンラインのゲーム大会に参加したり、複数のゲームを楽しんだり、コミュニケーションアプリを使って、その日の気分で気軽に交流したりしています。
通信制高校という進路を選ぶ前には、ネットの友人の中に通信制高校や通信制大学を実際に選んだ人もいて、「高校は出ておいたほうがいいよ」という言葉を素直に受け入れ、受験へと気持ちが向かっていきました。
ネットでイライラした時は、これまでは家族に当たり散らしていましたが、自室にこもってクールダウンできるようになりました。瞑想という手法を使うこともあります。これも同じような特性を持つネットの友だちに教えてもらったことです。
そんな息子も今では、ネットでの交流に悩むようになった妹へ、「話しても、もう通じへんなって思う人はブロックしたほうがええで。その人のために何ができるとか思わんと、自分のために時間を使いや」とアドバイスをしていて、私でさえ驚くことがあります。
もちろん、ある程度の年齢まではネットを使わせないというのも、一つの選択肢だと思います。ただ、息子の場合はネットを禁止していたら、現在の進路には間違いなくたどり着いていないし、もっと深い孤独の中にいたかもしれません。
現在では息子のネットの友だちと、私も一緒に通話で話すことがあるくらい打ち解けています。つらい思いをした時期もありましたが、それでも振り返ると、わが家にとっては、この選択でよかったかなと思っています。
通信制高校という進路を選ぶ前には、ネットの友人の中に通信制高校や通信制大学を実際に選んだ人もいて、「高校は出ておいたほうがいいよ」という言葉を素直に受け入れ、受験へと気持ちが向かっていきました。
ネットでイライラした時は、これまでは家族に当たり散らしていましたが、自室にこもってクールダウンできるようになりました。瞑想という手法を使うこともあります。これも同じような特性を持つネットの友だちに教えてもらったことです。
そんな息子も今では、ネットでの交流に悩むようになった妹へ、「話しても、もう通じへんなって思う人はブロックしたほうがええで。その人のために何ができるとか思わんと、自分のために時間を使いや」とアドバイスをしていて、私でさえ驚くことがあります。
もちろん、ある程度の年齢まではネットを使わせないというのも、一つの選択肢だと思います。ただ、息子の場合はネットを禁止していたら、現在の進路には間違いなくたどり着いていないし、もっと深い孤独の中にいたかもしれません。
現在では息子のネットの友だちと、私も一緒に通話で話すことがあるくらい打ち解けています。つらい思いをした時期もありましたが、それでも振り返ると、わが家にとっては、この選択でよかったかなと思っています。
執筆/花森はな
専門家コメント 新美妙美先生(小児科医)
学校という集団になじめなかったり、不登校を経験したりしたお子さんにとって、インターネットの世界こそが「居場所」や「人とつながる場」になることがあります。今回の体験談は、その可能性と難しさの両方を、とても丁寧に伝えてくださいました。ありがとうございます。
もちろん、ネット上にはトラブルや危険も少なくありません。だからこそ、ご家庭ごとのルールづくりや安全への配慮は欠かせませんが、実際には想定外の出来事も少なくありません。大切なのは、トラブルをゼロにすることよりも、「困ったことが起きたら親に相談できる」関係を育てておくことではないでしょうか。比較的低年齢のうちから、保護者と一緒に試行錯誤しながらネットとの付き合い方を学ぶことで、大きくなってから一人で抱え込まずに済むというメリットもあります。
記事の中で特に印象的だったのは、せっかく見つけたネット上の居場所で人間関係につまずいた時も、「だからネットは禁止」とするのではなく、ご自身の経験も交えながら、お子さんと一緒に振り返り、考え続けてこられたことです。発達特性のあるお子さんは、断り方が分からなかったり、関係を切ることに強い不安を感じたり、感情の整理に時間がかかったりすることがあります。だからこそ、安心できる大人と一緒に、「どう距離を取るか」「どう気持ちを整理するか」を経験していくこと自体が、とても大切な学びになります。
また、ネット上にも良い出会いはたくさんあります。学校では出会えない価値観や経験を持つ仲間から刺激を受けたり、進路について具体的な情報を得たり、自分らしく過ごせる居場所を見つけたりすることもあります。今回も、通信制高校という進路につながる出会いや、感情の整え方を教えてくれる仲間との出会いが、お子さんの成長を支えていたことが伝わってきました。
(監修:小児科医 新美妙美先生)
もちろん、ネット上にはトラブルや危険も少なくありません。だからこそ、ご家庭ごとのルールづくりや安全への配慮は欠かせませんが、実際には想定外の出来事も少なくありません。大切なのは、トラブルをゼロにすることよりも、「困ったことが起きたら親に相談できる」関係を育てておくことではないでしょうか。比較的低年齢のうちから、保護者と一緒に試行錯誤しながらネットとの付き合い方を学ぶことで、大きくなってから一人で抱え込まずに済むというメリットもあります。
記事の中で特に印象的だったのは、せっかく見つけたネット上の居場所で人間関係につまずいた時も、「だからネットは禁止」とするのではなく、ご自身の経験も交えながら、お子さんと一緒に振り返り、考え続けてこられたことです。発達特性のあるお子さんは、断り方が分からなかったり、関係を切ることに強い不安を感じたり、感情の整理に時間がかかったりすることがあります。だからこそ、安心できる大人と一緒に、「どう距離を取るか」「どう気持ちを整理するか」を経験していくこと自体が、とても大切な学びになります。
また、ネット上にも良い出会いはたくさんあります。学校では出会えない価値観や経験を持つ仲間から刺激を受けたり、進路について具体的な情報を得たり、自分らしく過ごせる居場所を見つけたりすることもあります。今回も、通信制高校という進路につながる出会いや、感情の整え方を教えてくれる仲間との出会いが、お子さんの成長を支えていたことが伝わってきました。
(監修:小児科医 新美妙美先生)
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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