こだわりと強迫性障害(強迫症)の違い

あくまでスバルの場合ですが、スバルの言葉を借りて違いを説明すると、「こだわり」はこうしたら心地良く過ごせると感じる行動「強迫性障害(強迫症)」はしたくないのに不安でしてしまう行動らしいのです。私から見るとどちらも不可解な行動に感じたりしますが、スバルにとっては明確に行動する理由が違うのだそうです。そして「強迫性障害(強迫症)」のほうはちょっと苦しいのだそうです。
スバルにとっては明確に行動する理由が違う「こだわり」と「強迫性障害(強迫症)」
スバルにとっては明確に行動する理由が違う「こだわり」と「強迫性障害(強迫症)」
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スバル本人も先生から「強迫性障害(強迫症)」という言葉を聞き、説明を受けるまでは「最近不安で夜なかなか眠れないんですよね」くらいの認識でした。強迫性障害(強迫症)を知ってからは過去の出来事も「もしかしてあれも……?」と思い当たることもありますが、今ほど明確に自分の気持ちを説明できない年齢だったので今となっては分かりません。でも私が「特性だから」「これもこだわり」と決めつけていた行動の中に、本人が苦しいと感じる困り事が隠れていた可能性があるのなら、気づいてあげられなかったことが悔やまれます。

今回、何気ない会話からスバルの中のもやもやした苦しみを先生に見つけ出してもらうことができました。それによって処方される薬も変わりました。これからも引き続き病院のお世話になりますが、「今日はチックのための薬を処方してもらう日だからチックの話だけ」と決めつけず、気になることは何でも話してみようと思います。

そしてもともと「専門家」に対する信頼の厚いスバルですが、今回のことでさらに「専門家」に対する信頼度が爆上がりしたので、本人も「次の診察でこれも先生に相談してみよう」と相談ネタをため込んでいるようです。

執筆/星あかり

専門家コメント 新美妙美先生(小児科医)

チックや強迫性障害(強迫症)について、これまでの経過とともに丁寧に聞かせてくださり、ありがとうございます。
ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)のある方に、チック症や強迫性障害(強迫症)が併存することはあります。特にASD(自閉スペクトラム症)のこだわりと強迫症状は、行動だけを見ると似ていることも多く、別の疾患として分類されてはいるものの、実際には「ここからが強迫性障害(強迫症)」と明確に線を引けるものではありません。本人がその行動をどう感じているのか、なぜその行動をするのか、しないとどうなるのか、そしてどのくらい困っているのかなどを丁寧に聞いていくことが大切です。

強迫症状であれば、薬物療法に加えて認知行動療法や暴露反応妨害法(ERP)などの専門的な治療につながることがあります。一方、ASD(自閉スペクトラム症)のこだわりであっても、強くなって本人の生活に支障が出ている場合には、薬物療法を検討することがあります。症状によって使う薬が重なる場合もあれば異なる場合もあり、実際の診療では簡単に分けられないところもあります。

だからこそ、「これって大したことないかな」と思うようなことでも、いつもと違う様子があれば気軽に相談してよいのだと思います。今回も、何気ない会話から、本人や家族がそれまで気づいていなかった困りごとが見つかりました。そして、これまでいろいろな相談を重ねてきたからこそ、スバルくんが専門家の先生をとても信頼し、「次はこれを相談してみよう」と思える関係ができているのかもしれません。何でも気軽に相談できる専門家がいることは、とても心強いことで、いい関係性ができているんだなぁと思いました。(監修:小児科医 新美妙美先生)
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https://h-navi.jp/column/article/35031181
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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