どこでも友だちになれるのに……「会話の工夫」で感じた違和感
コン吉はどこでも遊べる子でした。保育園の一時保育に行っても、幼稚園の校庭でも、旅先の広場でも、無尽蔵の体力で遊ぶコン吉は、その場で友だちを作って遊ぶ力を持っていました。それはASD(自閉スペクトラム症)のある長男なぁ太には難しいことだったので、だからコン吉は大丈夫だと、コン吉は問題がないと思い込んでいたのです。
でも、成長とともに言葉の遅さが気になりました。コン吉が発する言葉は少なく、私が言った言葉も全部理解している気がしない。夫に訴えても、両親や義両親に相談しても、みんながみんな「気にしすぎ」と言ってきます。でも、みんながそう言っても、コン吉と会話するためには工夫が必要だったのです。「棚の上の赤い帽子を持ってきて」この言葉を伝えるだけでも3つに分ける必要がありました。「白い棚を見て」「上に赤い帽子があるよね?」「それをお母さんのところに持ってきて」こうして1つずつ伝えて、1つずつ一緒に確認して、やっと伝わるといった状態だったのです。
言語に障害のある子ども向けに設置された、通級指導教室と特別支援学級である「ことばの教室」に通い始めたのが3歳で、その後発達検査を受け、「ADHD(注意欠如多動症)」「ASD(自閉スペクトラム症)」と診断され、療育(児童発達支援)に通い始めたのが4歳の頃。小学校は特別支援学級に入学したのでした。
でも、成長とともに言葉の遅さが気になりました。コン吉が発する言葉は少なく、私が言った言葉も全部理解している気がしない。夫に訴えても、両親や義両親に相談しても、みんながみんな「気にしすぎ」と言ってきます。でも、みんながそう言っても、コン吉と会話するためには工夫が必要だったのです。「棚の上の赤い帽子を持ってきて」この言葉を伝えるだけでも3つに分ける必要がありました。「白い棚を見て」「上に赤い帽子があるよね?」「それをお母さんのところに持ってきて」こうして1つずつ伝えて、1つずつ一緒に確認して、やっと伝わるといった状態だったのです。
言語に障害のある子ども向けに設置された、通級指導教室と特別支援学級である「ことばの教室」に通い始めたのが3歳で、その後発達検査を受け、「ADHD(注意欠如多動症)」「ASD(自閉スペクトラム症)」と診断され、療育(児童発達支援)に通い始めたのが4歳の頃。小学校は特別支援学級に入学したのでした。
目が離せなかった過去が嘘のように……社会人になった「今のコン吉」
小学4年生まで特別支援学級に在籍していたコン吉は、それ以降は通常学級に戻りました。小・中学校ではいじめに遭い、工業高校では校風になじめず、「学校」というものにしんどい思いをしたようですが、高校を卒業したあとは無尽蔵の体力を活かした三交代の仕事に就いています。あんなに動いてばかりで目が離せなかった過去が嘘のように、今では包み込むような穏やかで優しい男性になりました。まさかこんな成長を遂げるとは思わなかった。
学生時代に大変な思いをした分、これからは人生を目いっぱい楽しんでほしいと母は願わずにはいられません。
執筆/トマコ
学生時代に大変な思いをした分、これからは人生を目いっぱい楽しんでほしいと母は願わずにはいられません。
執筆/トマコ
専門家コメント 藤井明子先生(小児科医)
コラムを拝読し、コン吉さんのこれまでの歩みと、今の穏やかな姿に温かい気持ちになりました。幼い頃からさまざまな場面で悩み、周囲から「気にしすぎ」と言われることもありながら、通級指導教室など必要なサポートについて相談し、その時々でコン吉さんに合った環境を模索してこられたトマコさんのご苦労も伝わってきました。子どもはずっと落ち着かないままではなく、成長とともに大きく変わっていくことがあります。今、目の前にある困りごとも、いつか変化していくかもしれないと思えることは、同じような悩みを抱える親御さんにとって大きな励みになると思います。素敵なコラムをありがとうございました。(監修:小児科医 藤井明子先生)
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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