いつのまにか18歳!見えてきた自立の一歩

そんな息子も、とうとう18歳。成人を迎えました。成人を迎えて変わったことといえば、以前よりもかなり「自立」を意識するようになったことです。

ほかの子にとっては当たり前のことかもしれませんが、これまでの息子には難しかったことがたくさんありました。ペットボトルのビニールとキャップを分別して捨てること、ゴミの収集日を把握すること、お風呂掃除や食器洗浄機の使い方に興味を示したりするなど、いきなり一気に覚えるとキャパオーバーになってしまうので、少しずつ、本当に少しずつですができることを増やしています。

一番大きかった出来事は、薬の管理です。これまで息子の薬は私が一括して管理していましたが、現在はお薬カレンダーを使い、息子自身が管理しています。薬は調剤薬局で用法ごとに一包化してもらい、それをヘルパーさんと一緒にお薬カレンダーへ入れていきます。ここに私の手出しは一切ありません。

それまで息子は、自分がどんな薬を飲んでいるのか、どのくらいの量を飲んでいるのかをなんとなくでしか把握していませんでした。自分で管理するようになってからは、薬の名前を調べたり副作用について先生に自ら質問したりするようになりました。息子自身も「やってよかった」と話しています。

「お母さんになんかあった時困るし、いつか僕が1人暮らしする時が来たらちゃんとせなあかんからな」

と息子は言います。相談支援員さんは「自立したいという気持ちももちろんあると思いますが、身体の調子が整ってきて、これまで自分のことで精いっぱいだったところから、周囲のことも見えるようになってきたのかもしれませんね」と仰っていました。

自立というのはお金を稼ぐことだけではありません。これまで親頼りになっていた日常の物事を少しずつ自分の手で組み立てていくのも自立です。これまでの息子は、体調が悪く、思うように動けない日のほうが多くありました。そんな息子が、自分の生活だけでなく、1人の大人として、家族と共に生活していこうという姿に、私は大きな成長を感じています。
現在は、お薬の管理を息子自身が行っています
現在は、お薬の管理を息子自身が行っています
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思春期を越えた息子と思春期を迎えた娘。それぞれのこれから

先日、息子が大人になったことを実感する出来事がありました。本当に些細なことなのですが、家族でファミリーレストランに行った時、いつも通り順番待ちの用紙に「大人1人、子ども2人」と記入しようとしたら、息子に「ちゃうで。大人2人やで」と笑われてしまいました。

たしかにそうです。障害や特性があると、どうしても実際の年齢より幼く捉えてしまったり、いつまでも手をかけずにはいられないと思ってしまいますが、知らず知らずのうちに子どもは少しずつ成長し、魔の思春期を抜け大人になっていました。「いつのまにか」という言葉がピッタリです。その渦中にいる間は間違いなくしんどかったはずなのに、おかしな話です。

現在は娘の思春期との戦いの日々が続いていますが、これからも必要な時には手を貸しつつ、見守りつつ、それぞれの負担にならない程度に支え合って、新たな家族の形を築いていけたらと思います。
執筆/花森はな

専門家コメント 鈴木直光先生(小児科医)

子どもは心身ともに成長していきます。スモールステップで少しずつ社会性を身につけていければいいのです。最初からきちんとはできませんが、できたときは褒めてあげましょう。
入室時にノックを3回するなど、基本的なマナーを教えてあげることも重要です。間違ったマナーで覚えてしまうと修正に時間がかかることもあるため、初めが肝心なのです。こうした社会性は、できれば専門職の人と一緒にSST(ソーシャルスキルトレーニング)を行い、身につけていけるとよいです。いつまでも親がそばにいるわけではありません。自分でできることを1つずつ増やし、社会の一員として生きていけるようサポートしていきたいですね。(監修:小児科医 鈴木直光先生)
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https://h-navi.jp/column/article/35031213
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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