不安がつよく誰にもカバンを触らせない息子が園で心をひらくまで

2016/04/30 更新
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発達に障害のある子どもは、心にも不安を抱えていることが多いもの。息子の場合もそうでした。大切な自分の持ち物は絶対に誰にも触らせず、誰かが触ろうものなら大声で叫び、抵抗していたのでしたが…。そんな息子が幼稚園である体験をしてからは、自分の持ち物を触られても平気になったのです。息子の心を変えた体験とは?

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シアン
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大事なカバンは「誰にも触らせない!」とかたくなだった息子

息子は、お弁当を持って幼稚園に行くことをとても楽しみにしておりました。

朝、出来上がったお弁当を渡すと、お気に入りのミニカーが入ったリュックの中に、大事に大事にそうっと入れて、にこにこして出かけるのでした。

幼稚園に到着すると、真っ先にリュックからお弁当を取り出して、それはそれは嬉しそうに弁当の半分を食べ、残した半分は、大事に持ち帰って家で食べるのが習慣でした。

ですから、誰かが大事なお弁当の入ったリュックを少しでも触ろうものなら、辺りに響き渡るような大声を出して叫んで怒り、ついには、誰にも触られないようにと、一日中リュックを背負ったままで遊んでいるのでした。
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裸で遊ぶ園児たち

幼稚園では遊びは自由で、それぞれがやりたい遊びをし、教師はマンツーマンで見守っていました。

息子は大事なリュックを背負ったまま、二輪車や大人の三輪車の前カゴにプラレールやミニカーなどを入れて、園庭を走るのが大好きでした。

いつも校長先生が息子の後ろから二輪車で走って下さるので、息子はそれが嬉しくてたまらない様子でした。

園庭で遊ぶ園児たちの中には、衣服を脱いで、裸のまま遊んでいる子どもたちが何人もいて、私はいつも不思議でなりませんでした。

「なぜ裸なんだろう?」「どうして教師は衣服を着せようとしないのだろう?」

裸の子どもたちを見かけるたびに、驚いてしまうのでした。

ある日息子が突然、衣服を脱ぎ出して…

ある日いつものように登園すると、息子は着ていた衣服を全部脱ぎ捨てて、私の前で裸になりました。

まさか息子が裸になるなんて!想像もしていなかった私は驚きました。

突然のことに慌てていると、教師たちは目の前の息子に服を着せようともせず、にこにこ笑っているではありませんか。その様子に、私はもっと驚いてしまいました。

あっけにとられている私に、一人の教師が笑顔で声をかけてくださいました。

「やっと脱いだね!」

周りの教師たちもみんな笑顔でうなづいています。私は本当に驚いてしまったのでした。

子どもが着ている衣服を全部脱ぎ捨てて裸になることは、自分の全てをさらけ出すという意味で、心を解放すること

それまで背負って来た、自分自身のいろいろな物を全部下ろすことなのだそうです。

「だから、裸になれたという事は、とても素敵なことなんですよ!」

教師たちは、皆笑っていました。そして、こうなることを望んでいたと言うのです。
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心を解放できるようになった息子

そうだったんだ…。私は裸になった息子の笑顔を見て、改めて息子が抱えていた物の大きさに気づきました。

親たちだけが抱えていたのではない。子ども自身が、一番辛く、苦しかったのだ。

小さな心を痛めていたに違いない…。

私は初めて、息子の気持ちを知ったのでした。

そして、息子の背負っている荷物を下ろしてやりたい……と、強く思ったのでした。

それからしばらくの間、息子は登園するとすぐに衣服を脱ぎ捨てて裸になり、そのまま1日を過ごしていました。

他の園児たちと同じように裸になって、とても嬉しそうに遊ぶ姿に、私は喜びを感じていました。

次第に心を開いていき、抱えていたものを少しは下ろすことができたのでしょう。大声で叫ぶ事も減っていきました。

いつの間にか、いつも背負っていたリュックも下ろすようになり、それを誰かが触っても怒らなくなりました。そしてある日、そのリュックを幼稚園に置いて、帰宅したのでした。
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息子の心の変化は明らかでした。着ている衣服を脱ぎ捨て裸になった事で、きっと心が軽くなったのでしょう。

そのうちに息子は自分から衣服を身に付けるようになり、今度は園の外に出かけたいと主張するようになりました。

自分の心を解き放ち、内に秘めていたものを解放した事で、今度は外に向かって心を開いていったのです。

自分の気持ちを素直に出せるようになった息子は、他者にも優しくなったと感じます。

息子は裸になることを体験して、心を解放し、次のステップに踏み出せたのです。
園庭では、リュックを下ろして思う存分に遊ぶ姿が見られるようになったのでした。
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