「この子おかしい…」子どもの診断がおりるまでの不安と葛藤

ライター:なちゃりん
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3男1女の年の差兄弟を育てる私の元に生まれた末っ子は、その5年後に自閉症スぺクトラムと診断されました。何回子育てしていても、どんなに知識を持っていても、ちっとも「子育てのベテラン」ではありません。自閉症育児は、子育てのキレイごとなんて通用しない未知の世界だったのです。

4人兄弟の末っ子として誕生した三男

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我が家にとって末っ子の誕生は、まるで神様からのご褒美のようでした。

高校生・中学生になる兄たちと小学校入学を控える姉の3人に囲まれ、おせっかいな程たくさんの愛を注がれて育った末っ子。

上の子たちの子育てには反省と後悔だらけでしたから、末っ子の子育てには「最後の子育て、楽しく堪能しよう」と気楽に思っていたのです。

そんな私は周りから、もう3人育ててきている「子育てのベテラン」と呼ばれることもありましたが、
自閉症育児はキレイごとが通用しない未知の世界でした。

「この子、気になる」から始まった葛藤

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三男を育てながら、私の中には、いつもどこかに小さな不安がありました。

「あれ?発達が遅れてる?大丈夫かな?」

乳幼児1歳半健診で臨床心理士による発達相談を思い切って希望した私。

「どこがどうとうまく言えませんが、何だか気になるのです。」

「いえ、大丈夫ですよ。きっとこの子の性質ですよ。もう少し大きくなるまで様子見ましょう。」

心理士さんに合格点をもらいながらも『何か気になる』を打ち消すことができずに過ごしていました。

私は看護師として働き、医療の現場で培った経験から、母親の『気になる』『ちょっと様子がおかしい』という視点は、多くの子どもの命を守ってきたという事を身を持って学んでいました。

どんなに検査で問題がなくても、母親が『やっぱり気になります』と言って救急外来に連れてきたお子さんは、一歩間違えれば取り返しのつかない重篤な状況…という例を、これまでたくさん目の当たりにしてきたのです。

尊敬する小児科の名医がいつも言っていた言葉。

「毎日子どもを見ている母親の勘に、今だけを診る医師が勝てるわけがない。お母さんの本能が子どもを守るのです」

そんな言葉が脳裏をよぎっては、また消えていきます。

末っ子の発達が気になっていた私は否定と不安の繰り返しで、ぐるぐると出口のない葛藤をおこしていました。
診断までに約2年半も!?多くの発達検査を受けてみて気付いたことのタイトル画像

診断までに約2年半も!?多くの発達検査を受けてみて気付いたこと

発達相談の結果は「家庭環境からくる個性の範囲」

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幼稚園に入園した末っ子は、案の定、年中の頃にはすっかり「問題児」として注目を浴びるようになっていました。

言葉の遅れ・衝動性・多動・他害・過集中。

集団生活の中でニコリともせずいつも緊張状態で、全く楽しめない様子でした。

「やっぱり何かあるのでは……」

そう確信した私は、幼稚園を通し、改めて市の発達相談センターに出向きました。

ところが、そんな集団生活での問題行動と裏腹に、やっぱり発達心理相談は

「大人に囲まれていて自分でやらなくても済むからかもしれませんね。」

「この子の個性ですよ。きっとのんびり屋さんなのですね。」

「お母さんベテランですから大丈夫ですよ。」


と、言われました。

私の不安な気持ちは消えることなく、相談は「様子を見ましょう」の一言で終わってしまったのでした。
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