私の場合「1から10までの説明」では足りないこともあるのです

ライター:TK
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少しの説明で理解して行動できればいいけれど、1から10まで説明されなければ理解できない人もいます。
そんな事実を知ってもらうことで「どんな発達段階の子どもでも理解できる工夫」が広がっていきますように。

「1から10まで説明が必要なの?!」

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子どもの頃から社会人に至るまで、そして46歳になった今でも、気をつけないと「1から10まで言わないとわからないのか!」と言われてしまうような事象が起こります。

そんなときは、心の中で「ええ、わからないんですよ!」とちょっと口をとんがらかしてブリブリ呟きながら、「お手数をおかけして申し訳ないのですが、もう一度最初から最後まで、できればそれによる結果も含めてご説明いただけませんか?」と頭を下げます。

子どもの頃は「どうして自分だけわからないんだろう。よっぽど頭が悪いんだ」と心の中で呟きながら、言葉にならず涙が流れるばかりでした。

そうしたら「君はすぐに泣く。そして黙っていてはわからないよ?」と先生や大人たちに叱られて、さらに悔しくて言葉は全くでなくなりました。

この言葉に合わせて、説明に何かしらのニュアンスが含まれていると、もうほとんど言われている事はわからなくなります。

大人になった今も、同時進行で理解することが難しい

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実は、今回このコラムのお話をいただいた際にも正にモデルケースのような出来事が起こりました。

ライターをお引き受けするにあたり様々な条件などを、メールや電話で何人かの担当の方と相次いでやり取りをしました。少しずつニュアンスが違う説明に整合性がとれず私の思考はオーバーフローしてしまいました。

また、複数の事柄を同時進行で理解するのはとても難しい私。
ライターのお話とそれに伴う準備や段取り、スケジュールや実際の手法などを同時進行で理解していく事はとても困難でした。

おそらく、一般理解が及ぶ人なら何てことない説明だったと思います。むしろ担当の方は丁寧にお話くださっていたはずです。でもその部分が特に弱い私は、丁寧にしていただいたそれさえも理解が困難でした。

「出来る!」に必要なのは1から12までの説明

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理解できない原因として私が感じるのは「説明の角度」です。

発達に凸凹のある人は、物事の理解の仕方が独特であることも多いと思います。ですが、少し説明の角度を変えてみたり、言い方や言葉のチョイスを別のものに変えてみるだけで、パチン!と理解できることも少なくありません。

だから私は普段、相手が話す言葉を、頭の中で自分が理解しやすい言葉や角度に変換しながら聞いています。頭の中では常に変換作業をしているため、とても疲れます。

発達障害の人たちが疲れているのは、怠けているとか体力がないのではなく、一般理解ができる人たちがゆっくり歩いている横を、猛スピードで走り続けているようなものだと思います。

「脳が常に走っている」ことに伴うしんどさや疲労を、怠けていると誤解されるのはとても悲しいことです。

そういったことが理解され、少しでも走らなくていい時間が訪れるように願ってやみません。
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脳に偏りがある人の多くは、1聞いて10知る事は難しいと思います。

結果を含めた詳細な説明を聞いて、それが理解できて納得できたら確実に実行できますが、説明やそれに含まれるニュアンスが読みとれない、納得できない場合は行動に移せないし、頭の中はかなり混乱して思考はおいつかず、オーバーフローとなります。

1を聞いて10を知ることができなくても、1から12までの説明があれば、同じようにできるようになるという事です。

しかし私が子どもの頃から現在に至るまで、「わからない子どもがわかるようにするには、なにが必要なのか」と大人が考えて工夫する事は、その子どもに対して「特別扱い」で、「1人だけを特別扱いできない」という概念から、工夫してもらいにくい現実があるように思います。
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