病院で大パニック!と思いきや…息子の「怖い」を解決した◯◯とは

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いろんなことが怖くて、小さな小さな自分の拘りの中に逃げ込んでばかりだった息子。その息子を救ったのは、実は「知る」という行為でした。

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林真紀
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自分の世界から出てこない息子

発達障害と診断された頃の息子はとにかく癇癪をよく起こしていました。

「いろいろなことを経験して欲しい」という私の願いも虚しく、息子は新しい環境が嫌い、新しい遊びが嫌い、新しい場所が嫌い、嫌い嫌い嫌い!の連続。

息子の忍耐は数分も持たず、いつも「もう帰る!!もうやだ!!きーーーーっ」が始まるのでした。

そんな癇癪玉のような息子は、いつも家の中で何メートルもトミカの自動車を並べては、その一糸乱れぬ車の列を自分も横になって下から眺めるのが一番幸せな時間だったようです。息子の遊びはそればかりでした。

テレビも、新しい番組を見るのは負荷が大きいようで同じ番組ばかりを繰り返し再生。

絵本を読み聞かせようとしても、数秒も座って聞くことができません。新しい物語をじっと座って聞くのは、彼にとってはストレスが大きいようでした。

結局彼は、いつも同じ場所に戻っていってしまうのです。
黙々とトミカを整列させ、同じテレビ番組を見続ける世界から、出てきてはくれませんでした。

病院の検査で大パニックかと思いきや…?そこには大きなヒントが

そんなある日、息子が病院で血液検査を受けることがありました。

病院での様々な検査は発達障害児にとっても、親にとっても、とてもハードルが高いもの。絵カードや言葉で予告を重ねたり、仕方なく拘束して、検査を進める場合も多いでしょう。

しかし、発達障害児は「これは嫌だ」と一度記憶してしまうと、以後その経験をした建物に入ることすら、拒否する場合もあります。

息子はそもそも注射が嫌。
さらに、その注射で血液を抜くなど言語道断です。おそるおそる説明をして、見通しをたてようと試みましたが、残念ながら息子はものすごい拒否反応を示しました。

「注射は嫌!!絶対嫌!!血を抜くってなに?怖い!病院行かないっ!!!」

さてどうしよう。これは困った。当日は車にも乗ってくれないかもしれない…私は頭を抱えました。拒否反応が強いとご褒美をちらつかせてもダメです。

しかし、この息子の拒否反応は人体図鑑を通して、あっさりと収まったのです!

人体図鑑に載っている解剖図を見て、息子は血管に興味を示しました。「ここに血が入っていて、注射してこの流れている血を抜くんだよね?」と熱心に見ています。

検査当日まで、人体図鑑を何度も何度も読んでいる息子。検査当日は「先生、この下に血管が通ってるんだよね??」と血を抜かれながらもお喋りが止まらないほど大喜びで、ずっと大興奮でした。

怖いのは「知らないから」だと気づいて

この経験から、私は息子に文字や数字をどんどん教えることにしました。

文字と数字が分かるようになると、地図や図鑑を一人で見て理解することができるようになります。自分が住んでいる県がわかると、旅行に行くときのグズりが減りました。「○○県から○○県に移動する」というのが頭で理解できるようになったのです。

また、息子は細かい言葉に関する拘りなども強く「この言葉はどういう意味?」というのを周りの人にしつこく聞いてくることがあります。そんなときは一緒に辞書をひくようにしました。

そして、ふと気がついた時には、息子の興味は以前よりも大きく広がっていたのです。

「知らないから怖い」というときは、「知ればいい」のです。文字や数字の学習は「知るためのツール」なのだと思いました。文字や数字が理解できると、息子にとっての未知への恐怖がやわらげられるのです。

知識は、知らない世界に踏み出すための「ハシゴ」

どんな親にだって「いろんなことに興味を持ってほしい」という気持ちはあります。けれども、発達障害児の場合は突然目の前に展開される新しい世界をすぐに受け入れることはできません。

そんな時に、未知の世界と繋いでくれるハシゴの役割をするのが「知識」かもしれません。

どんなに新しいと感じる世界だって、全く知らない世界ではないと知りました。子どもと一緒に辛抱強く学んでいくと、ある日突然子どもの世界が開けていったりするのです。
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