子どもが質問の意味を理解できていない場合、何と言いますか?
ライター:立石美津子
息子の知能指数は37ですが…たまにとても面白い発想をします。それは言わば、エジソンと同じようなものなのです。
こんにちは。『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子です。
教科書通りの「正解」を答えなくても発想力は伸びる?
電球を発明したエジソンは少年時代から面白い発想をする少年でした。
算数で粘土を使って“1+1=2”を教えた担任教師に、エジソンは「1+1の答えは1である」と言い張りました。粘土と粘土をくっつけたら1になると言うのです。
ところが、屁理屈を言う幼い彼に対して担任は「腐れ脳みそ!」と言い放ちました。
母親は子どもの発想力を理解しない学校を退学させ家で勉強を教えることにしました。そして人類の生活を変える“電球”を発明する人物になったのです。
算数で粘土を使って“1+1=2”を教えた担任教師に、エジソンは「1+1の答えは1である」と言い張りました。粘土と粘土をくっつけたら1になると言うのです。
ところが、屁理屈を言う幼い彼に対して担任は「腐れ脳みそ!」と言い放ちました。
母親は子どもの発想力を理解しない学校を退学させ家で勉強を教えることにしました。そして人類の生活を変える“電球”を発明する人物になったのです。
たいていの親は担任から子どもが叱られると、家でも同じように注意します。
子どもは学校でも叱られ、家に帰っても日中の出来事をほじくり返され“傷口に塩”状態になるわけです。
でも、エジソンの母のようにそれを“良い発想“と見方を変えてやるだけで子どもは伸びて行くのではないでしょうか。
子どもは学校でも叱られ、家に帰っても日中の出来事をほじくり返され“傷口に塩”状態になるわけです。
でも、エジソンの母のようにそれを“良い発想“と見方を変えてやるだけで子どもは伸びて行くのではないでしょうか。
息子は数学の授業で…
中学の特別支援学級の数学の授業で見た光景です。
奇数・偶数を習う単元で、先生が黒板に磁石を1つ貼り、質問をしました。
「○○君(息子の名前)、1は割れますか割れませんか?」
奇数・偶数を習う単元で、先生が黒板に磁石を1つ貼り、質問をしました。
「○○君(息子の名前)、1は割れますか割れませんか?」
息子は何度聞いても「割れます!」と答えます。
知能指数は低いので“半分にして0.5になる”と言っているわけではありません。「トンカチで割れば二つに割れる」と主張しているのでした。
知能指数は低いので“半分にして0.5になる”と言っているわけではありません。「トンカチで割れば二つに割れる」と主張しているのでした。
確かにそうです!
もしこれを“割れない”というのならば「1メートルの半分はなんですか?」の問題だって「1メートルは半分には出来ません、割れませんから」と言うことになってしまいますね!
もしこれを“割れない”というのならば「1メートルの半分はなんですか?」の問題だって「1メートルは半分には出来ません、割れませんから」と言うことになってしまいますね!
次に、担任の先生が黒板に磁石を4個貼り、「皆さん~これは割れますか?」と質問しました。
そこにいる生徒達は、まぐれなのかオウム返ししているのか定かではありませんが「割れます~!」と元気に答えていました。
そこにいる生徒達は、まぐれなのかオウム返ししているのか定かではありませんが「割れます~!」と元気に答えていました。
次に担任は磁石を6個貼り、「皆さん~これは割れますか?」と質問しました。
「割れます~!」と子ども達が回答します。よく観察していると、今回はどうもまぐれではないようです。
「割れます~!」と子ども達が回答します。よく観察していると、今回はどうもまぐれではないようです。
普通学級に6年間籍を置いていて、中学に入学する時点で特別支援学級に入学してくる生徒、優秀なグレーゾーンの子ども達も在籍しており、彼らは本当に正解しているのでした。
さて次に、先生は一人ずつ指名をしていきました。
いよいよ息子の出番です。先生は黒板に磁石を3個貼り「△△君~これは割れますか?」と質問しました。
息子はオウム返しで「割れますか」と答えたのでした。
「やっぱり、先生の言葉をそのまんまオウム返しした・・・・・でも家では絶対に『どうしてお友達のように正解できないの!』と叱らないぞ」と心に決めました。
いよいよ息子の出番です。先生は黒板に磁石を3個貼り「△△君~これは割れますか?」と質問しました。
息子はオウム返しで「割れますか」と答えたのでした。
「やっぱり、先生の言葉をそのまんまオウム返しした・・・・・でも家では絶対に『どうしてお友達のように正解できないの!』と叱らないぞ」と心に決めました。
質問のとらえ方にはその人の発想によって変わる
ここで2つのエピソードを紹介します。
「お風呂のお湯を見てきて」
アスペルガー症候群の人が「お風呂のお湯を見てきて」と言われたとき、溢れたお湯をただ見て帰ってきたという話があります。
「お風呂に行ってお湯を見てきて。溢れていたら止めてきて」とまで言わないとわからなかったのです。「そんなこといちいち言わなくでもわかるでしょ」という訳にはいかないのです。自閉症スペクトラムの人たちには想像力の障害があるので、言葉の裏にある意味を読み取ることが難しいからです。
そうなると、数学の授業でも「割れますか?」という抽象的な質問ではなく、「お菓子を分けるとき喧嘩をしないように同じ数に分けることが出来ますか?」の具体的な質問だったら、息子も理解できたかもしれません。
できれば、磁石など抽象的な物に置き換えず、「飴の絵を描いたイラストなどで示してくれたら尚、よいのに」と、後ろで見学しながら思いました。
「お風呂に行ってお湯を見てきて。溢れていたら止めてきて」とまで言わないとわからなかったのです。「そんなこといちいち言わなくでもわかるでしょ」という訳にはいかないのです。自閉症スペクトラムの人たちには想像力の障害があるので、言葉の裏にある意味を読み取ることが難しいからです。
そうなると、数学の授業でも「割れますか?」という抽象的な質問ではなく、「お菓子を分けるとき喧嘩をしないように同じ数に分けることが出来ますか?」の具体的な質問だったら、息子も理解できたかもしれません。
できれば、磁石など抽象的な物に置き換えず、「飴の絵を描いたイラストなどで示してくれたら尚、よいのに」と、後ろで見学しながら思いました。
「反対の言葉はなんですか」
ある小学生の女の子のテストの解答用紙です。
「反対言葉を書きましょう」の問題が出ました。
・ちいさい→いさいち
・ながい→いがな
・としより→りよしと
・おいしい→いしいお
もちろん0点でした。
大人の意図した質問を違う形で捉えていたのですね。
そんなとき「なんで後ろの文字から書くの!バカね!」と言ってしまったら子どもは悲しいです。
でも「そんな考えかたもあるんだね。面白いアイデアだね。でも、この問題には“反対の言葉を書きましょう”と書いてあるから“ちいさい→おおきい、ながい→みじかい”こんな回答をすればよかったね」と言ってやればいいのです。
「反対言葉を書きましょう」の問題が出ました。
・ちいさい→いさいち
・ながい→いがな
・としより→りよしと
・おいしい→いしいお
もちろん0点でした。
大人の意図した質問を違う形で捉えていたのですね。
そんなとき「なんで後ろの文字から書くの!バカね!」と言ってしまったら子どもは悲しいです。
でも「そんな考えかたもあるんだね。面白いアイデアだね。でも、この問題には“反対の言葉を書きましょう”と書いてあるから“ちいさい→おおきい、ながい→みじかい”こんな回答をすればよかったね」と言ってやればいいのです。