我が子に障害があるなんて思いもしなかった頃でも、娘の成長がとてもゆっくりなことには気づいていました。

障害ではなく個人差だと本気で思っていた私は、いつかは皆に成長が追いつくはず！なんて楽観的に考えていました。

でも心のどこかで周りの子ども達の成長についていけない娘を悲しく思い、私の言葉かけが足りないの？私の接し方がだめなの？と自分を責めてしまうことがありました。

ママ友の子どもと娘が一緒に遊べない。私と娘だけが取り残され、疎外されたような気持ちになっていました。

しかし、娘が1歳半の頃に発達障害のことを知り、考え方が変わりました。

それからすぐに動き、2歳になった娘には知的障害を伴う自閉症スペクトラムの診断がおりました。診断がついた時は涙が出たけれど、モヤモヤした気持ちがなくなってほっとしました。

発達障害は親の育て方が原因ではなく、先天的な脳の機能障害といわれています。

言葉が通じないのは脳の特性で言葉が入っていきにくいから。娘は障害があるからできないことが多く、成長がゆっくりなのだと知りました。

そこで私は自閉症スペクトラムの子どもとの関わり方を学び、接し方を変えました。

これまで娘には、たくさんの言葉をかけていたのです。それは娘にとっては余計で意味のないもの。

言葉かけを減らすことにしました。といっても、話しかけないのではなく、娘が目で見て分かりやすいようにジェスチャーを加えたり、絵や写真を見せました。言葉はシンプルに。理解できるまでは毎回同じ言葉、たまに同じ意味を持つ別の言葉で話しかけました

そして、娘との遊びは、わざと声を出して、「笑いながら楽しそうに遊ぶ私」を見せて誘いました。すると声かけだけでは振り向かなかった娘が、楽しそうに笑いながら一緒に遊んでくれたのです。

「楽しいね」

場面に合った言葉をそっとかけてます。いつか娘に届くと信じて。

1歳半で発達障害に気付いて色々な場所で相談したけれど、娘が療育に通えるようになったのは2歳を過ぎてからです。発達障害に気づいてから9ヶ月も経っていました。

すぐに通わせることができなくて落胆していました。でもこんなふうに家でできることが沢山あると思います。

普段の接し方を変えてから、言葉の理解が全くなかった娘が少しずつ言葉を理解し、声かけだけで行動出来るようにもなりました。目に見えて成長を感じることが出来ると嬉しいですね。

早く障害に気づいたことで、自分を責めるだけじゃなく、私にも出来ることがあることに気づけました。

自閉症スペクトラムの子どもの成長は非常にゆっくりです。ゆっくりでも子どものペースで確実に成長しています。
私も気長に子供の成長を見守っていきたいと思っています。