声かけ変換表で話題になった楽々かあさんって一体どんなひと?

ライター:発達ナビ編集部
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発達ナビやFacebookで、発達障害っ子の子育てが楽しくなるアイデアを多数発信し続けている楽々かあさん。でも、かつては「フツーの子育て」の手が通じず、毎日お子さんを怒ってしまっていたそう。そんな彼女が、今では毎日楽しく子育てできるようになった秘密を、著書「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」より探ります。

「楽々かあさん」って?

みなさんは「楽々かあさん」を知っていますか?

発達ナビやFacebookで、発達障害のあるお子さんの子育てが楽しくなるアイデアを、数多く発信しているアイデアかあさんです。
発達障害のあるお子さんへの「声かけ変換表」はTwitterでも話題になりましたよね。
でも、かつては発達の凸凹に「フツーの子育て」の手が通じず、毎日お子さんを怒ってしまっていたそう。

そんな一人のお母さんが、どんな心境の変化を経て、毎日楽しく子育てできる「楽々かあさん」になっていったのか、楽々かあさんの工夫は一体どんなものがあるのか、気になりますね。

今回は、そんな楽々かあさんの苦労と工夫がたくさんつまった著書「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」の内容を、一部みなさまにご紹介したいと思います。

<以下、書籍『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法』より、許可を得て転載しております>

フツーの子育てがうまくいかない!?―「怒るしか思いつかなかった」私

長男が幼稚園の頃、私は他のお母さん達と同じように、子どもがなにかできたらほめ、ワガママを言えば諭し、いけないことをしたら叱って子育てをしていました。

ところが、うちの子ときたら、不器用で、あわてんぼうで、失敗ばかりだったので、「できたらほめよう!」と思っていても、全然ほめるチャンスがやってこないのです。

ワガママばかりでテコでも動かず、いくら根気よく優しく諭してみても、「イヤだ!」の一点張り。いけないこと、危ないことを注意しても、何度でもまた同じことをやらかすのです。

「フツーの子育て」の手が全く通じなかった私には、残る手段は「怒る」しか思いつきませんでした。

とりあえず鬼の形相で怒鳴れば、動きを止めてくれます。ゲンコツをくれれば泣き止みます。ムリヤリ抱きかかえれば、家に帰れます。身支度、登園、公園遊び、食事、兄弟げんか…と、子どもが何かをするたびに、一日中怒ってばかりいました。
「ランドセルのフタ用リスト」今では様々な工夫ができるようになりました。
「ランドセルのフタ用リスト」今では様々な工夫ができるようになりました。
Upload By 発達ナビ編集部
当時を思い返すと、今でも胸が痛みますが、それでも毎日歯を食いしばって、弟、妹の世話もしながら必死で子育てしていました。そうしているうちに、長男も成長すれば少しは落ち着くだろうと思っていたのです。

ところが、小学校に入学し、長男は落ち着くどころか、余計に問題行動が増えてしまいました。

ランドセルの中身はからっぽ、登下校ではケンカばかり、漢字書き取りは投げ出す、クラスのゲームに参加できず教室を飛び出してしまう…担任の先生からは毎日のように電話がかかってきました。

発達障害・グレーゾーン?―得意なことと苦手なことの差が激しい「凸凹さん」

当時、小学校の教室から泣いて飛び出した長男は「発達障害」の範囲にあり、次男・長女・パパ、そして私自身もいわゆる「軽度·グレーゾーン」のどこかに当てはまる、「凸凹さん」だったことに気づきました。
「家族紹介」
「家族紹介」
Upload By 発達ナビ編集部
「障害」になるかどうかは、その凸凹の強さだけでなく、周りの環境との段差、つまり本人がそのコミュニティ(学校、園、地域など)に適応できているかどうかで決まるのだと思います。

そして、「発達の凸凹」の差があるけれど、なんとか適応できている子は「グレーゾーン」と呼ばれ、「発達障害」と「定型発達(いわゆるフツーの子)」の間をうろうろしています。
私なりに理解した「発達障害とは?」の答えを一言で言うと、「得意なことと苦手なことの差が大きい子」だと思います
「発達障害・グレーゾーンの解説用イラスト」
「発達障害・グレーゾーンの解説用イラスト」
Upload By 発達ナビ編集部
誰にでも得手、不得手があり、その凸と凹の形を「個性」というのだと思いますが、発達障害の子はその個性による「発達の凸凹」の差が大きいため、「特別な個性特性」になるのです。
でも、「うちの子の取り扱いのコツ」が分かってからは、子育てが随分楽に、そして楽しくなりました。実は言っても言っても分からない子」に、分かるように伝わる方法はいっぱいあるんです。

<転載終わり>
発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法
大場 美鈴 (著), 汐見 稔幸 (監修)
ポプラ社
Amazonで詳しく見る

次回は

いかがでしたか?
あんなにたくさんのアイデア支援ツールを作った楽々かあさんも、子育てに困っていた時期があったんですね。

次回は、楽々かあさんがついつい怒ってしまうときの工夫や、話題になった声かけ変換表についてご紹介します。
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