「助けてもらうのは嫌なこと?嬉しいこと?」息子と考えてみた
ライター:鈴木希望
お子さんの特性とそれによって起こり得るトラブル。学校で起きた小さなトラブルをきっかけに得られた助け、そこから考えたことをお伝えします。
「好きなように描いて」と言われて困る息子
新生活にも慣れ、毎日楽しそうに通学するアスペルガー症候群の息子、ハル(小学1年生)。そんな彼が珍しく、ランドセルを下ろすなり大きなため息をついたことがありました。
「今日も一日楽しかったんだけど、困ったことがあったんだよ」
その日の授業で「好きなように自分の顔を絵に描いてみましょう」という課題が出たのだとか。
「“好きなように”って言われても、先生の言う“好きなように”がどんなものなのかわからないし…
大体、先生が見た自分の顔なんて描けないよ」
どうやら「好きなように自分の顔を絵に描いてみましょう」という何気ない指示は、
「先生好みのタッチで、先生の目に写っている自分の顔とそっくりの絵を描いてみましょう」と、息子に伝わったようでした。
そう。「自由」という言葉から必ずしも解放感を得られるわけではなく、見知らぬ土地にひとり置き去りにされたような不安感、
ともすれば不自由さを抱えてしまうこともあるのです。
「今日も一日楽しかったんだけど、困ったことがあったんだよ」
その日の授業で「好きなように自分の顔を絵に描いてみましょう」という課題が出たのだとか。
「“好きなように”って言われても、先生の言う“好きなように”がどんなものなのかわからないし…
大体、先生が見た自分の顔なんて描けないよ」
どうやら「好きなように自分の顔を絵に描いてみましょう」という何気ない指示は、
「先生好みのタッチで、先生の目に写っている自分の顔とそっくりの絵を描いてみましょう」と、息子に伝わったようでした。
そう。「自由」という言葉から必ずしも解放感を得られるわけではなく、見知らぬ土地にひとり置き去りにされたような不安感、
ともすれば不自由さを抱えてしまうこともあるのです。
先生も困っていた
実は息子が帰宅する前、別件で担任の先生から電話を頂き、私はその時のできごとについて聞いていました。
「できない!って頑として描かなかったんですが、わたしが見本を見せると、本当に上手に描けるんですよね……。なのにどうして描きたがらないのか、わからないんです」
息子の特性や、困りごとについての対応方法を記入し、渡していたファイルに漏れがあったのか?それとも私の書き方が不十分だったのか。とにかく先生はお困りの様子でした。
私は、「“自分の”好きなように自分の顔を描いてみましょう」というように、
言動に関する形容詞や動詞に絡むのは誰なのか?を明確にしてもらえれば理解しやすい等、息子の特性と合わせて具体的な対応方法を例を挙げ、先生にお伝えしました。
そのほんの数日後、「今日は好きなように好きな絵を描けたんだよ!」と、満面の笑みで息子は報告してくれました。
さて、いったい彼に何があったのでしょうか?
「できない!って頑として描かなかったんですが、わたしが見本を見せると、本当に上手に描けるんですよね……。なのにどうして描きたがらないのか、わからないんです」
息子の特性や、困りごとについての対応方法を記入し、渡していたファイルに漏れがあったのか?それとも私の書き方が不十分だったのか。とにかく先生はお困りの様子でした。
私は、「“自分の”好きなように自分の顔を描いてみましょう」というように、
言動に関する形容詞や動詞に絡むのは誰なのか?を明確にしてもらえれば理解しやすい等、息子の特性と合わせて具体的な対応方法を例を挙げ、先生にお伝えしました。
そのほんの数日後、「今日は好きなように好きな絵を描けたんだよ!」と、満面の笑みで息子は報告してくれました。
さて、いったい彼に何があったのでしょうか?
気持ちは自分だけのもの。こだわる息子を救った、クラスメイトの言葉。
その日は「すうじえほん」を作ることに。
「自分の好きなものを自分の好きなように描きましょう」という指示が出たのだとか。
すると今度は「クラスの誰とも被らない自分だけの好きなもの」と、ハルは考え込んでしまったそう。私も似た特性があるから
理解はできるけれど…いちいち極端過ぎる息子!
なかなか鉛筆を動かせないまま困っていた息子に、クラスメイトのMちゃんが声をかけてくれたそうです。
Mちゃん:「ハル君、さくらんぼは好き?」
ハル:「うん、好き」
Mちゃん:「じゃあ、さくらんぼを描いたらいいんじゃない?」
ハル:「でもそれ、Mちゃんがもう描いてるでしょ?」
Mちゃん:「先生、誰かと同じものはダメって言わなかったから、大丈夫だよ」
ハル:「じゃあ、真似っこしていい?」
Mちゃん:「いいよ!でもね、真似っこじゃないと思う。
好きなものが同じなだけ。ハル君がさくらんぼを好きっていうのは、ハル君だけの気持ちだもん」
Mちゃんは保育園のときからのお友達。「発達障害」や「自閉症スペクトラム」といった名称そのものを、彼女が知っているかどうかはわかりません。
ただ、今までの息子の言動を見て「ハル君はこんな子」というふうに特性を理解してくれていたのでしょう。
こうして息子は「クラスの誰とも被らない、自分だけが好きなもの」から離れ、のびのびと絵を描けたそうです。
「自分の好きなものを自分の好きなように描きましょう」という指示が出たのだとか。
すると今度は「クラスの誰とも被らない自分だけの好きなもの」と、ハルは考え込んでしまったそう。私も似た特性があるから
理解はできるけれど…いちいち極端過ぎる息子!
なかなか鉛筆を動かせないまま困っていた息子に、クラスメイトのMちゃんが声をかけてくれたそうです。
Mちゃん:「ハル君、さくらんぼは好き?」
ハル:「うん、好き」
Mちゃん:「じゃあ、さくらんぼを描いたらいいんじゃない?」
ハル:「でもそれ、Mちゃんがもう描いてるでしょ?」
Mちゃん:「先生、誰かと同じものはダメって言わなかったから、大丈夫だよ」
ハル:「じゃあ、真似っこしていい?」
Mちゃん:「いいよ!でもね、真似っこじゃないと思う。
好きなものが同じなだけ。ハル君がさくらんぼを好きっていうのは、ハル君だけの気持ちだもん」
Mちゃんは保育園のときからのお友達。「発達障害」や「自閉症スペクトラム」といった名称そのものを、彼女が知っているかどうかはわかりません。
ただ、今までの息子の言動を見て「ハル君はこんな子」というふうに特性を理解してくれていたのでしょう。
こうして息子は「クラスの誰とも被らない、自分だけが好きなもの」から離れ、のびのびと絵を描けたそうです。