大人のLD・学習障害について、学習障害による仕事での困りごとや対処法まとめ

2016/08/09 更新
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学習障害に関する情報が知られるようになり、大人になってから学習障害と診断される人は近年増えています。仕事上の困難が、実は学習障害の症状によるものだったという例も少なくありません。学習障害の大人が仕事で直面する困りごとや、それらに対する対処法などをまとめました。

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発達障害のキホン
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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 客員研究員
応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。
目次

学習障害(LD)で働いている人はどのくらいいるの?

学習障害とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことです。英語ではLearning Disabilityと呼ばれ、LDと略されることも多いです。

学習障害は、知的発達に遅れが見られないことから、障害者自立支援法の対象外とされてきました。現在では障害者基本法の改正により精神障害者保健福祉手帳の対象となりましたが、まだまだ学習障害を「障害」として認識している人が少ないのも現状です。

学習障害の人の就職率として、はっきりとした数字は出ていません。厚生労働省のアンケート結果では学習障害を含む知的障害の見られない発達障害の人は普通学級に進学した人の割合が最も多いことが分かっています。

また発達障害がある人の就職状況をみると、一般枠で就労した人の割合は全体の40%近く、障害者枠で就労した人の割合は25%以上いることが分かりました。

これらのことから、学習障害の人の中には社会に出て働いている人もたくさんいることが予想されます。

大人の学習障害、いつ診断された?きっかけは?

学習障害は今でこそ知っている人が増えてきている障害ですが、昔はそれほどそうでもありませんでした。

知的発達に遅れが見られないため気付きにくく、学習障害が障害として認識されないまま大学へ進学したり、就職したりすることも少なくありません。学習障害の症状は「勉強が苦手」や「やる気がない」などとひとくくりにされ、大人になって初めて発達障害だったと気づいた人も少なくないのです。

現在では障害者基本法の改正により精神障害者保健福祉手帳の対象となりましたが、まだまだ学習障害を「障害」として認識している人が少ないのも現状です。

以下では、大人になって学習障害と診断された方の小さい頃の症状や、きっかけなどの体験談をご紹介します。

私は、注意欠陥障害と学習障害(算数障害で四則計算がまったくできない)です。小学1年生でついていけず、中学でも数学や化学は0点でした。でも、自分なりに数学0点でも他の教科で頑張って高校にも行きましたし、大学も行って、就職もしました。

出典:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1254414742
この人のように、学習障害であっても大学へ行き就職する人も多くいます。学習障害の場合、苦手な勉強分野に偏りがあるので、この人は苦手な数学以外に力をいれるという工夫をし、大学へ進学したそうです。

小さい頃から勉強が苦手でした。計算ができなかったり、文書を作るのが苦手だったり、記憶力が無く一つのことを覚えるのに時間が掛かりました。よく天然だね!と言われて過ごしてきましたが、天然ではなくただ、発達障害の為、人の話や空気が読めなかったり、質問に対して違う返事を返してしまったりします。なので、上手く伝えられない自覚はあります。その為、自然と臆病になり、なるべく自分から発言したり行動を取らなくなりました。また、あまり考えれないので、とっぴおしないことをしだしたり、自分の思う様に出来ない苛立ちから、癇癪を起こすようになりました。小学生の時に一度学習障害ではないかと言われていたようですが、最近専門の病院で診察してもらったところやはり学習障害という結果でした。

出典:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11131958566;_yl...
このように、大人になってから学習障害が発覚する人もいます。子どもの頃を振り返ってみると、学習障害の症状があった人が多いようですね。

学習障害の人が向いている仕事、向いていない仕事は?

学習障害は、能力の凸凹や特性の偏りが多く、苦手なことにかなり個人差がある障害です。そのため、向いている仕事、向いていない仕事も人によって様々であると言えます。本人の特性を理解し、得意な分野を活かせる仕事につけることが理想ですね。

向いていない仕事は一概には言えませんが、苦手な業務が多い仕事内容だと、困難な場面も増え、ストレスを感じることも多くなるかもしれません。一方、別の手段で代替できたり、職場の理解や協力があれば乗り越えられる可能性も大いにあります。

たとえば、算数障害(ディスカリキュリア)の人の場合、日々、多くの計算が業務に必要な仕事は苦手かもしれません。ですが、計算機で解決できる場合もあります。同じ小売業でも、暗算が苦手な場合、お釣りを計算しなければいけないお店の会計業務は向いていないと言えますが、バーコードを読み取るだけのレジであれば、問題ないこともあるでしょう。

また、書字障害の人は、文字を書く業務が苦手かもしれませんが、パソコンでタイプしてプリントすればよいこともあります。読字障害の人も、音声読み上げソフトを使用したり、録音することで困難が解消できることもあります。

苦手な分野を避けることは働き続ける上で大切ですが、テクノロジーや手段を替え工夫することでうまくいくこともあるので、「この仕事は無理」と決めつけてしまう前に検討するのがよいでしょう。

実際に、様々な障害特性を乗り越えて作家、映画監督、発明家、俳優など様々な職業で活躍している人もいます。障害特性と向き合いつつも、自分が希望する仕事に目を向ける、という進路も選択肢の一つかもしれません。

学習障害の人の仕事の探し方

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