「同世代の友だちがいない」そんな時期に大人がサポートできる事

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大人との“タテの関係”を築けても、子ども同士の“ヨコの関係”づくりが難しい、というお子さんは少なくありません。その理由と対応についてまとめてみました。

松本太一
アナログゲーム療育アドバイザー
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大人としか仲良くできない子どもがいるのはなぜ?

普段、療育アドバイザーとしてお子さんの指導をする中で

親御さんから

「ウチの子、親や先生といった大人との関係は良いのだけれど、子ども同士の関係を作るのが苦手なんです。」

というご相談をいただく事があります。

大人とは仲良くお話できるのに、子ども同士の遊びや会話には参加できない。
こうした問題はなぜ起こるのでしょうか?

相手の気持ちを「読む」ことのむずかしさ

「親と子」「先生と生徒」といった、“タテの関係”は、お子さんがどんなに揺るがそうとしても壊れることはありません。

見方を変えれば、関係が壊れないので、お子さんにとっては
「一方的に要求をしてもよい、無茶を言ってもよい」という安心感があります。

ですが、お子さん同士の“ヨコの関係”ではそうはいきません。

自分の要求ばかり押し通そうとしたり、無茶なことを言ったりすれば、相手が嫌がり、関係を絶たれてしまう恐れがあります。

そうならないためにも、
“ヨコの関係”作りには

・相手にどこまで要求をしてよいか
・相手にどこまで合わせなければならないか

などを言動や表情から見極める「読み」の力が必要になります。

発達障害のあるお子さんたちの多くは
この「読み」が苦手であり、それが「子ども同士の関係作りを難しくしている」と私は考えています。

大人の見守りの中で遊べる機会を作る

では、どうすれば良いのでしょうか?

発達障害のあるお子さんを、集団の中にただ放り込んだだけでは「読み」の弱さからトラブルが起きて、集団から外れてしまうことも考えられます。

そこで、大人の出番です。

大人が遊びを提示し、発達障害のある子も含めて、子どもたちがスムーズに遊べる形を作ってあげたいところです。

たとえば、下のページでご紹介しているアナログゲームは、お子さんたちが横の関係を作る上で最も優れたツールの一つです。

アナログゲームは自由な遊びとは異なり、明確なルールがあることで見通しが立ちやすいため、発達障害のあるお子さんでも遊びやすいのです。
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トラブルが起きそうになった時こそ、子どもを見守って

集団遊びの場面ではお子さんがルールを間違えたり、他の子に悪口を言って、
子どもたちの間に緊張が走るようなこともしばしば。

こんなとき、大人は裁判官のようになって、どちらが悪かったかをすぐ決めようとしがちです。

ですが、まずはお子さん同士のやりとりを見守ってみましょう。
お子さん同士の話し合いだけで、問題が解決する場合も多くあるはずです。

こうした緊張感のある場面で、お互いの関係を壊さず問題解決できるよう、
子どもだけでやりとりを繰り返す経験が、ヨコの関係作りを学ぶ機会となります。

子どもの思いを言葉に置き換えて、仲直りをサポート

とはいえ、放っておいたらお互いの関係が壊れてしまうのが明らかなときもあります。

そんな時は、お子さん同士がお互いの思いをスムーズにやりとりできるよう、大人がサポートしてあげましょう。

例えば、

「今◯◯君はどうしてそうしようと思ったの?」
「◯◯ちゃんは今どんな気持ちなの?」

というように、言葉にならない行動や気持ちを、大人が質問しながら言葉に置き換えていくことです。

そうすることで、お互いが違う意図や気持ちを持っていたことがわかり、仲直りのきっかけになるのです。

遊びを通して、関係作りの自信が育つ

集団遊びの中でトラブルに直面し、仲直りする経験を積み重ねることで、
お子さんの中に相手の思いを知る「読み」の感覚が身につき、ひいては子ども同士の関係づくりの自信にもなります。

そして、こうした「読み」の感覚は、実社会においても必要になるのです。

典型的なのは就職面接です。

自分の思いや希望は伝えるべきですが、行き過ぎてしまっては自分勝手な人という印象になってしまいます。 

逆に、聞かれたことに答えているだけでは主体性のない人、と思われるかもしれません。 

ここでも必要になるのが、自分がどこまで踏み込んで良いか、どこまで相手に合わせるべきかという、「読み」の感覚です。

子どものうちから他者との関係作りを積極的に練習し、この「読み」の感覚をしっかり身につけておくとよいでしょう。 

そうして培われた感覚と自信は、
将来お子さんが将来社会の中で多くの人と関わって生きていく上で大切な力につながるはずです。
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