「うん、知っていたよ」小4の息子にADHDだと伝えた後の話

ライター:なちゃりん
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小1から特別支援学級に在籍していた息子は、3年生が終わるころには「支援級は必要ないのではないだろうか」というほど、穏やかな学校生活を送れるようになっていました。
ところが、4年生の夏を境に状況が一転。秋に10歳の誕生日を迎えてからの一年間を『不穏』に過ごした息子の前に障害告知をするタイミングがやってきました。

小4から落ち込みが目立つようになった息子

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11015184970
お子さんをお持ちの方は、子どもに「障害がある」ということを、いつ本人に告知しましたか?

私には、そうせざるを得ないきっかけがありました。

公立小学校の情緒学級に籍を置く息子は、5歳で自閉症スペクトラム、ADHDと診断されました。

幼児期から感情表現や切り替えが苦手で、日常生活もなかなか自立せず悩んできましたが、
小学校入学時からは温かい支援を受けながら、穏やかに笑顔で過ごせていました。

そんな息子が小4の夏休みを境に、何となく笑顔が減り下校後は無口で落ち込んでいるように見えました。

「何か嫌なことあった?大丈夫?」

「いや、別に・・・。大丈夫。」

そう答える息子でしたが、家での落ち込みと比例するように学校で小さなかんしゃくを起こすようになっていきました。

「なんかね、イライラがお腹の底からグーって出てくるんだ。」

そう話す息子に「何が起こっているのだろう?」と悶々とする日が続きました。

「成長期で急激に体が大きくなり、今まで服薬していた(ADHDの)薬が効かなくなっているのかもしれない」という主治医の見解でした。

その後、薬を増量したり、薬の変更を試みたものの上手にコントロールができないまま5年生に進級しました。

小さなきっかけでイライラすることが増え、その果てに教室の壁を蹴ったり掲示物を破いては注意され、そしてまた落ち込むという悪循環は、息子にとって暗闇のトンネルの中を手探りで進むような毎日だったのではないでしょうか。

息子が笑顔でいられる居場所探しを開始

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そんな中、息子のことを理解し、支えになっていた支援学級の先生が、体調不良で休職することになりました。

その間は複数の教師が不定期に代わるクラスに入ることになり、息子にとっての学校生活はますます落ち着かず苦しい場になっていきました。

次第に息子は交流級での授業を受けられないばかりか、みんなで給食を食べることも、ランドセルを置きに行くこともできなくなりました。

そして、とうとう息子はパーテーションで区切られた「クールダウンスペース」で一日を過ごすようになりました。

「ちょっと限界かな」

そう感じた私はこれを機に学校は「期限付き不登校」、息子には「障害告知」することを決め、同時に中学校の特別支援学級や特別支援学校への見学・相談を開始しました。

少し早いかと思いながらも、息子が無理せず笑顔でいられる居場所を探さずにはいられなかったのです。

障害を告知した日

普段から親の会話をよく聞いていた聴覚過敏な息子。

本人に障害を告知したときは、想像以上にあっさり受け入れていました。

「うん、知ってる。そうじゃないかと思ってたよ。よくそういう話していたでしょ?」

と言われ、肩透かしのような気分に。

「今、こういう薬を飲んでいるのだけど、どう感じている?」

「特性だからと言っても、集団生活をするには許されないこともあるから、どうすればいいのか考えないとね。」

「この先の進路には、いくつかの選択肢があるよ。一緒に考えていこうね。」

告知して良かったことは、こうした「本人抜きで親の主観で決めていた物事」に、
ようやく「本人の意思を尊重できるようになった」ことです。
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伝えるだけじゃない。本人への障害告知、最適なタイミングとは?

次ページ「息子がはっきりと意思表示した日」

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